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「人口減少に向けた課題解決の理想」について解像度を上げてみよう
竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。
いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。
昨日は、「人口減少とキャリア不安の課題。もしも、理想的な姿があったなら」というお話をしました。
今日は、「「人口減少に向けた課題解決の理想」について解像度を上げてみよう」というお話です。
音声はこちらです。
人口減少の課題解決、もう少し解像度を上げてみよう
昨日のお話では、「地方の「人口減少の課題」の解決にむけて」というお話をしました。その中で、理想的な状況として、3つのポイントを挙げました。
「どの地域に住むか?」というのは、選択権は住む人にあるから、その意思は尊重されるといいな。
移住はしなくてもいい。でも、定期的に人が行き来できるような関係があるといいな。
とはいえ、人は確実に減っていくので、地域内だけではなく、地域外の人とも関われるようにしたいな。たとえば、地域外からでも仕事ができたり、定期的に行き来ができるきっかけがある、みたいな。
今日は、この解像度をもう少し上げたいと思います。
これらの理想について、キーワードでポイントをまとめます。
個人の意見は尊重される
移住はしなくていい
地域外との関係ができる
定期的に行き来できる
の4つですね。
これらを実現するためには、何をすればいいのでしょうか?
僕がもっとも可能性を感じているのが「仕事を通じた関係作り」です。というのも、僕自身がいま、このような働き方、そして、生活をしているからです。
個人の意見は尊重される
僕はいま、新潟に住み、しごとのみらいという法人を経営しながら、サイボウズという会社でも働いています。
新潟に住んでいるのは、個人の選択です。新潟には、同居する両親や、守るべき土地があります。僕にはいまのところ、この土地を離れるという選択肢がありません。
同様に、これをお読みのみなさんも、いますぐに移住したり、生活の拠点を移したりできるわけではありませんよね?
というより、いま住んでいる地域が好きだし、離れる気もない。それでいいと思っています。
移住はしなくていい
「家はどうするのか?」「地域のコミュニティに馴染めるか?」「仕事はどうするか?」「子どもの学校はどうするか?」……移住は、言うほど簡単ではありません。多くのハードルがあります。
僕自身、結婚する前にUターンしたタイプですが、独身でさえ、仕事を探したり、環境に慣れたりするのは大変でした。
もちろん、移住したい人はすればいいと思います。ですが、必ずしも移住はしなくてもいいと思っています。
地域外との関係ができる
人口減少が進むと、今後、特に地方のほうから人口が減っていきます。そうすると、地域のコミュニティや、地域企業の人材採用など、さまざまな影響が出て来るでしょう。
だからといって、地域の中に人がいなければ、仕方がありません。
そこで、僕は、「仕事を通じて、地域外との関係ができる」とか、「イベントを通じて、地域外との関係ができる」と、いいなぁと思っています。
ここでいう、「仕事を通じて、地域外との関係ができる」とは、たとえば、リモートワークですよね。僕自身、新潟を拠点に、東京にあるサイボウズという会社で働いています。仕事を通じて、地域内外と関係ができることで、新たな人との出会いやご縁、新たな仕事のきっかけが生まれました。
このように、テレワークのような形で働くことができると、必ずしもその地域にいなくてもいいため、人材採用をはじめ、地域内外の、いろんな方々との接点がうまれます。
イベントもそうですね。僕は新潟の小さな集落に住んでいますが、年に何度か、お祭りや、公民館活動、地域の清掃、道普請と呼ばれる道路の整備など、さまざまな活動があります。ですが、こういったイベントは、年中あるわけではありません。その時々でお手伝いいただけるだけで、地域は維持できます。
定期的に行き来できる
最後に、「定期的に行き来できる」こと。僕自身、必ずしも定期的……というわけではありませんが、それでも1カ月に1回程度は、しごとのみらいや、サイボウズの業務で、新潟と東京を行ったりきたりしています。
このように、「仕事」があると、定期的に行ったり来たりする機会ができるんですよね。
こうした、定期的に行ったり来たりしている中で、これまでお話してきたような、人と人、人と地域の関係性が生まれるな……というのが、僕の経験談です。
地域内と地域外との関係性を、仕事を通じて作るための取り組み
では、こうした、地域内と地域外との関係性を、仕事を通じて作るためにはどうすればいいのでしょうか?
1つ目は、僕がいま、実際にやっているような「リモートワーク」です。リモートワークのような形で働く環境を整えることで、働く場所の制約をなくすことができます。その結果、地域外の人たちとも、仕事を通じたご縁ができます。地方の企業では、まだリモートワークは馴染みがありませんが、どうすればいいかは、この後で触れていきます。
2つ目は、これも、僕がいまやっているような「複業」です。僕は、新潟の企業で、東京の会社で複業していますが、僕は、この働き方の逆ができればいいなと思っています。「この働き方の逆」とは、地方の企業に、地域外の方々が、本業を持ちながら、複業のような形で働く関わり方です。
3つ目は、地域課題を解決するような「学びの機会」をつくることです。詳しくは、また改めて触れますが、僕はいま、都市部の企業といっしょに、地域課題を解決するための研修プログラムを企画したり、運営したりしています。このような機会をつくることで、地域外の方々、特に企業の方々が、地域に来訪する機会が生まれています。
こうした取り組みで、人口が減少しても活動を維持できるかも
こうした取り組みをしたところで、地方の、人口減少の問題が、すべて解決するわけではもちろんありません。ですが、大切なのは、人口が減少しても、地域や企業の活動が「維持できること」です。
地域の人口が加速度的に減少するこれからの未来には、仕事を通じて、地域外との接点を作っていくことが、解決策の一助になるのではないかと思い、そういった取り組みをしています。
では、今日の話はこれで終わります。
次の記事:人口減少に向けた課題解決の理想―①地域企業のリモートワーク
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