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ジャニーズを中国に放つ新世代

プロデュース業に転身した滝沢秀明の動きに、一刻も目が離せません。


つい先日の8月8日に東京ドームにてコンサート「ジャニーズJr.祭り」が開催された。デビュー前にも関わらず、Jr.だけが主役で、スケールはドーム級。開催決定の当初からジャニヲタ界隈は既に激震していたわけだが、更に開催当日にジャニーズJr.に所属しているSixTONESと、Snow Manの2組が同時にメジャーデビューすることが発表された。

前例のない同時デビューに加え、両組それぞれ以下の活動計画のアナウンスもあった:
◯SixTONES:公式Instagramアカウント開設、専属Youtubeチャンネル開設、全国ツアー
※スポーツ紙により北米ツアーという説もあるようです。
◯Snow Man:中国Weiboアカウント開設、アジアツアー

SixTONESは昨年からデジタル世界を切り開いているタッキーにとって重要な右腕的な存在である。これまでウェブで掲示された写真でさえ、ジャニタレはモザイクに厚塗りされるか、容赦なくカットされていたが、デジタル解禁という大きな旗を掲げて、Youtubeで「ジャニーズJr.チャンネル」が設立された。SixTONESはこの時代が追い求めている優れた動画表現力、またジャニーズらしきダンスと歌唱力を披露し、地上波に露出する前にもインターネットを通して膨大なファングループを獲得した。そんなSixTONESが、Youtube、Instagramを開設するのは正直期待通りすぎて、さらなる飛躍を心より楽しみにしている。

一方、ここで注目したいのは「Snow Manの中国Weiboアカウント開設」だ。

Weibo?!
公式発表のニュースを知った際に声を出して驚いた。

現役ジャニタレでWeiboアカウントを持つのは、Sonw Manは初のわけでもない。
2018年、上海国際映画祭に出席中の山下智久が中国人共演者との集合写真をweiboに投稿し、オフィシャルアカウントをスタートさせた。同年12月、中国で某ブランド発表会を参加した木村拓哉もweiboを開設した。それに続いて、Snow Manの開設は3組目となる。

しかし、山Pもキムタクも、これまで日本側に対して公式のアナウンスが一切なかった。涼しげな顔をして、殆ど中華圏ユーザーしかいないweiboの扉をすんなりと開いて入ってきたけど、同時期日本側のファンが見れるジャニーズデジタルコンテンツは、月額会員制のタレントブログJ-webのみだった。
公式アナウンスもないので、そもそもパクリなの?いや…投稿はどう見ても本人だけど…山Pもキムタクもノリでやってるの?事務所に怒られないの?と心配するほどだったが、現時点までに二人のアカウントはいずれも良い更新サイクルを保ちながら運営されている様子であった。

今回のSnow Manは、なぜかデビューする場面で公式による発表があった。
極めて個人的な見解だが、推測して以下の理由かと思われる。

1、ファン絶対人数の獲得

バイリンガルのメンバーがあり、コミカルな表現力を持つ等、欧米で受ける要素をいくつか受け持っているSixTONESと少し異なり、個人的にSnow Manは高度なステージパフォーマンス力を持ちながら、一方で優しい雰囲気を持つグループという印象を受けている。滝沢演舞城をはじめとした演目を持つ彼らは、ステージに立つと太鼓、殺陣に加えて「和」の雰囲気を完璧に表現できるスキルを持ちながら、一方ステージ以外の時間ではシャイでキュートな日本人男子の性格を自然に露呈している。これらを感じ取って好きになるファン自身にもアジアの文脈を理解しなければいけないので、アジア進出という路線が正確に感じる。
そこで中国。アジアでも世界でも一番人口有する国にアプローチすることが最も効率的である。更に近年東南アジアにおける華流の流行等により、アジア各国のポップカルチャーに関心の高いユーザーもWeiboを利用していることもおまけとしてついてあり、中国のweiboアカウントを開設するだけでアジアファンコミュニティの育成に大きな促進力がある。

2、未熟の中国アイドル運営市場の獲得

タッキーよ、いまがチャンス。
これが意識していなければ意識してほしいくらい、いまが一番いいチャンス。
2018年は中国アイドル元年と言われ、いくつかProduce101シリーズのようなアイドルオーディションリアリティーショーによって、中国にやっとアイドルグループがぽんぽんぽんと生まれ始めている。(TF Boysという異例の存在もありますが別途でお話します)
ただ、アイドルグループが生まれている一方、過去の10年間における<若者にとって華流文化の不在>、<K-POP存在過大化>により、中国でアイドルになりたい若者たちも、わざわざ韓国でトレニーングを受けた後に帰国してデビューを目指す。せっかく中国で生まれて、中国人できているアイドルなのに、K-POPアイドルとの差別化がしにくい存在になる。いずれ中国のポップカルチャーファンたちにはこの美学に対して倦怠期を迎えられると思うので、いいスキを狙えばジャニーズアイデンティティを確立できる。
更に、中国のタレント文化全般の弱点だが、一人のアイドル/タレントをバズらせる手法はいくつか受け持っているが、バズってから長期的な人気の維持とファンコミュニティの運営は未だに得意な人を見たことがない。
これを機に、成熟なジャニーズビジネスモデルをうまくローカライズできれば、中国はチャンスとお金の宝箱になる。

3、純粋なSNSとして、タレントのアイデンティティを演出

weiboのユーザーは日本のタレントに非常に友好な一面を見せている。Koki.が犬の写真をインスタに投稿するだけで日本で叩かれるが、weiboのコメントは純粋な好意のみで溢れている。確かに日本側ではタレントの投稿が話題になる際にすぐマス媒体含めてあっちこっちでニュースになるし、その中でマイナスなニュアンスが少しでもあれば叩かれる。このような事例がいくつかも増えれば、タレント公式アカウントを運営する際、投稿の自由もかなり限られて、キャラかなんなのか、パットしない内容になりやすい。
weiboは外タレが政治関係(中国目線から政治的に正確でないこと)に下手に口出さない限り、ニュースに乗ることもないし、逆にSNS本来の使い方に戻って、身の回りのシェアしたい出来事を気軽くに投稿してファンとコミュニケーションできる。キムタクもあんなにクールガイにみえて、weiboでは犬とジムの写真ばっかりアップしてて、一瞬にして親しみやすい存在になった。
このデジタルの時代に、多くの人は完璧すぎるキャラにわざとらしさと嫌悪感を示している。スポットライトを浴びてる時にはキラキラした存在だけど、プライベートは等身大。このようなアイドルこそ未来を走り続けられるのではないか。weiboは、それにも使えるツールなのだ。


この投稿を書く時点では、Snow Manにはまだ開設の挨拶という1投稿しか書いていないが、滝沢Pはweiboをどうやって演出していくのか、本当に楽しみだ。

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