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Dennett の Intentional Stance について
Dennett という哲学者が提唱する Design Stance とか Intentional Stance という概念について調べてみました。きっかけは、僕に返答いただいたこちらのツイート。
英語 wikipedia で Intentional Stance に関する記事を見つけて deepL でザクザク翻訳しながら読んでみたところ、ある程度わかった気になりました。
スタンス (stanc
他者モデルのモデルを絵に書いてみたい
僕らは他者と互いに話し合い、議論をし、お互いに共感を得たり、決裂したり、お互いにとって新しいアイディアを得たりします。これは、僕らのなかに他者がいるからです。でも、僕の中に他者がいるとは、より正確にはどういうことでしょう?本稿ではこのテーマで考えてみます。
このテーマについて、主に神経科学・認知科学的アプローチからの研究をまとめた「脳のなかの自己と他者」(2019年 島田総太郎 著)という本があ
最近読んだ本(2) 2021-08 〜 -09
最近読んだ本を順不同で軽いコメントつきで並べてみる企画の第二弾。
読めた/読めなかったを判定しない。読めなかったとき、自分を責めない、本や著者を責めない。「良い書評」のようなものを書こうとしない。でも、すこーしだけ、コメント読者のことも意識する。すると、こんな感じになります。
池田喬「ハイデガー『存在と時間』を解き明かす」オリジナルの「存在と時間」を読もうとして挫折した経験が数回あり、解説本を読
最近読んだ本 2021-08-08
最近読んだ本を、軽い書評(と amazon アフィリエイトリンク)付きで載せてみました。積読中のものもとりあえず載せておきました。読み終えたらコメント入れます。
「(日本人)」 橘玲
橘玲さん本は間違いねぇや、というマイブームに乗ってエイヤと買って読んだ本。日本人とは?ではなく、日本人論とは?にフォーカスを当てる工夫は成功してると思う。藤原正彦「国家の品格」に対する批判がとくに面白かった。
世界モデルのモデルと物象化の問題
先日、WBAI勉強会でプログラム委員長(開催テーマや演者を設定する役割)をする機会をいただき、その立場特権を使って北海道大学CHAINの田口さんと吉田さんに無理を言って講演をお願いした。(WBAI山川さん、田口さん、吉田さん、WBAIの皆様、その節はたいへんお世話になりました!!!)
このときの議論はなかなかに白熱して、自分のなかにいろいろなものを残してくれたのだけど、平気そうな顔をしつつも案外
予測処理と予測符号化とFEP
「FEP的な話題」とか「FEPが対象にしている問題」という言葉遣いの隔靴掻痒感が嫌で、ぴったりした言葉を求めてこちらのスレッドで話していたら、
スレッド外でこのような論文紹介をいただきました。
Williams, D. (2020). Predictive coding and thought. Synthese, 197(4), 1749–1775. https://doi.org/10.1
レジリエンスと反脆弱性
ひとに反脆弱性について説明するさいに、僕は Netflix における Chaos Monkey の導入事例の話を好んで例に出す。しかしこの例はレジリエンスを語る典型例にもなっているらしい。そもそもレジリエンスと反脆弱性はどういう関係にあるんだっけ?
まずレジリエンス resilience は心理学用語としてすでに広く使われている用語であり、反脆弱性(はんぜいじゃくせい antifragility
Active Inference (能動推論)に関する誤解
神経科学界隈で自由エネルギー原理 (Free Energy Principle; FEP) と言えば、Karl Friston が脳における予測符号化計算モデルについて行ってきた一連の研究の中心的アイディアを指す。注目されるべき大事なアイディアの宝庫であると思うが、期待が大きすぎて誤解と幻滅を生む要因になっている感もある。とくに Active Inference (能動推論) に関する誤解について
もっとみるEnactivism とは?(wikipedia調べ)
おおばさんは enactivist だったんですね?と言われて、それが何を意味しているのか全く分からなかったのでちょっと wikipedia の記述を読んでみました。
Enactivism は cognition が行動者とその環境のダイナミックな相互作用から生じると主張する。
ふむふむ。認知(cognition)は環境から独立には生じないし、環境との静的な相互作用だけからは生じない、と言って
主体性と世界モデルの関係について
世界と他者と自分はどういう順番で生まれたものだと言えるだろうか?動物(としての人間)が世界を理解する枠組みは、進化的な合理性から脳内に生まれ・育ってきた計算過程として理解されるべきだと思う。この観点から、他者や自己の主体性について、これまでに考えてきたことを説明してみたい。長らく温めていながら、これまでうまく言えずにいたことが、ようやくうまく整理されて言えるようになった気がするの。(なお、心理学・
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