恋に破れた時の気付きは人生を大きく動かす
間違っていたと悩むのではなく、正解にするまで歩き続ける責任が自分にはあるのだ
これは教来石 沙織さんが著書「ゆめの はいたつにん」の中で語った言葉。
彼女はカンボジアの子供達に映画を運ぶNPO法人の代表である。失恋をきっかけに
誰かのために生きたい
と強く思った彼女は、貧しい農村の子供たちの夢を応援するために周りを巻き込みながらキャティックを立ち上げ現実のものにしていく。
失恋することがなければ、今の彼女も映画を観て喜ぶ子供達の笑顔もなかったのではないかと思うのだ。
悪い出来事はできるなら起きない方がいいし、ずっと楽しい事に囲まれて生きていたいと誰しもが願っている。
にもかかわらず、ある日突然「こんにちは」と不幸がひょっこり顔見せる事があり、あたふたと慌てふためいてしまう。
けれどそれを気付きにできる人とそうでない人とでは大きく人生が違ってくるのではないかだろうか。
傷ついた時、行き詰った時、どうしようもなく苦しい時、私はあえて動くことにしている。
なぜってネガティブ思考のループを断ち切るには行動することが効果テキメンだから。色んなコミュニティーに顔をだすことで、価値観がフュージョンして視界をグーンと広げてくれる。
「ゆめの はいたつにん」の著者、教来石さんも失恋し傷心しきっていたある日、夢に向かって頑張っている知人のコンサートで、自身のふがいなさに気付き、「誰かのために生きたい」と強く思ったんだもの。これはまさにフュージョンだ。
子宮頸がんになるかもしれない細胞がみつかり三か月おきに経過観察を受ける事になった彼女は著書の中で次の様に語っている。
カンボジアの子どもたちに映画を届け始めてから、「自分の子どもを持つ」ことへの異様なまでの執着が消えていったからです。執着を捨てると楽になって、見えてくることがたくさんあるよと、悲劇のヒロインぶっていた自分を諭しにいきたい。
執着は百害あって一利なし。執着を捨てるとふわっと体が軽くなってたくさんの道が見え始める。
そして「誰かのために生きたい」という強い思いは周囲を動かし始めるのだ。
彼女の周りにはドンドン応援団が現れる。人脈を探し回ったわけではなく必要な時に絶妙なタイミングでそっと手を差し伸べる人がみつかるという不思議。
いや不思議ではなく当然の事なのかもしれない。自分の利益のために人脈を作ろうとしても人はついてこない。やはりそこには利他が必要なのだと思う。
「ゆめの はいたつにん」を読むとわかるのだけど、彼女はイケイケゴーゴーのタイプではなくどうやらリーダーには不向きな人の様である。
読書会の時、ご本人のお話を聞いたのだけど大人しそうな可愛らしい女性であった。熱い思いとのギャップ。まさにアンビバレンス。
この本を読み終えてとても優しい気持ちになったのと同時に、私は誰かのお役に立てているだろうかと何度も自問した。
誰かの役に立ちたい。利他的になりたいと心を動かす素晴らしい本「ゆめの はいつにん」との出会いは確実に私の心を変えた。
俳優の斎藤工さんが7回読んで涙を流した気持ちがわかる。
この本を出版したセンジュ出版の吉満さんが「ずっと読み継がれていく本で会って欲しい」とおっしゃていたが世代を超えてみんなに読んで欲しい素晴らしい本だと思う。
この本は恋愛本ではないけれど、恋に破れて悲しみに暮れているあなたの心をそっと癒してくれる。もちろん楽しい恋をしている幸せなあなたにも読んで欲しい絶品の本。
何度も何度も読み返したい最高の本をブログを読んでくださったあなたに贈ります。
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