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自然派コスメができるまで(4)未来につなぐ製品を

銀色に輝くもの

新しい時代、新しい価値観に見合う色は何だろう。この先の未来に伝承していきたい、もしくは生み出したいものは。

誤解をおそれずに言うなら、世の中は一変して物騒になりました。ニューノーマルという聞こえの良い言葉で隠そうとしても、パンデミックや天変地異など、恐怖をあおる不穏な話題が消えることはなく、わたしたちは黙々と日々のマスク装着を怠らず、水を備蓄し保存食を買い求めています。

ずっと変わらず続いていくだろうと思っていた平凡な日常の地平線には、終わりがあり、終わりは来る。それは明日かもしれないし、50年後か、100年後かもしれない。地球で生きている以上、そして日本という活火山の島国に生きている以上、それは変えようのない事実だけれど、不安を煽るような報道スタイルがこぞって「来るぞ来るぞ」と人々を委縮させます。

おびえ、ちぢこまって、無難に、無事に、なにごともなく、なにもせず、しずかに、一日が終わる。もしも生命エネルギーが見えるようになったら、こっちの巡りの悪さの方が問題だ、生命活動の火を燃焼させて、もっと解放的に、おおらかに、挑戦したり冒険したり、経験する自由が欲しい。知ることや学ぶことに制限をかけないでほしいと思うのではないでしょうか。

次のお座布団の準備は五角形の色。
未来に希望をつないでいきたい、その思いを整理する前に話し合ったのは、本当に未来に希望はあるのだろうか?ということでした。
自分たちがもしも未来に希望なんかないと思っていたら、何を生み出すにしても実態のないむなしい結果に終わってしまいます。うそ寒いというか、嘘くさいというか、目にしても記憶に残らないポスターのスローガンみたいな感じです。

「たしかに以前に比べると未来がキラキラしていないというか、なにしたって無駄だろうみたいなあきらめ感が増えていると思う。でもそれは単に自分が年取ったから、しかたのないことだと片付けていたかな」
「世も世だしね、出るな騒ぐな飲むなら家で大人しゅうしとけと。話したいなら小声で話し話題を選べ、さらに大人数であつまるなと」
「ここだけの話ってことで、後に引きずらない協定発動します。正直自分は希望がないどころか絶望してるかもしれない。よくわからない筋の通ってない煮え切らないルールばかりが先行してほんと息苦しい。生きるってなんだろう?人生ってなんだろう?とか考えること多くなって、答えはわからないままで」
「おなもみウツかな」
「おなもみウツだったら自分では鬱にひっつかれてるの気がつかないんだから、取ってくださいよー」
「きゃー」
「キャーじゃないですよ。からかうのやめてください」
「ハイじゃれるのやめて、ちゃんと会話はキャッチボールにしてー」
「絶望って大事なターニングポイントになると思う。わたしも実際これがウツかなって思う時期があって、その時正しく絶望しようと自分に言い聞かせてた。今生きている、この時代、この世界の実状を冷静に見ると、なんだこりゃ?ってなったの。既得権益最優先で、いまだけ俺だけ金だけ構造がスマートで賢い生き方みたいに礼賛されて、そのひずみで精神病んだ人がむしゃくしゃして人を刺したの煽って事故っただの、SNSは罵詈雑言飛び交って、いじめ祭りみたいなことも起きる。でも実状を冷静に見ることと、自分がやさぐれて自暴自棄になることは別物で、そのふたつをくっつけちゃいけないなって」
「その実状ってやつ整理しましょうよ。絶望的実状を反吐がでるほど出して出し切って、それから希望をもたらす実状も。世界にはこのふたつがあるわけだし」
「そうだね、光と影、ふたつでひとつをどっちかだけみたいにするからおかしくなる。マップをつくろう」

こうして未来に希望はあるのか?という問いに対して、絶望マップと希望マップを作りこみし、結果わたしたちは希望は「ある」という結論にいたりました。

絶望的実状と、希望的実状を整理すると、そのふたつはちゃんと拮抗してて、どちらかが圧倒的に優位というわけではなかったからです。
情報を整理して正しく絶望する、そのうえで未来に起こりうるワクワクするイメージを言葉にすることができれば、希望と絶望、このふたつの世界を足場にして、ふたつの世界のうえで生きることができるかもしれない。
世界から絶望的実状がすぐに消えることはないけれども、それと同じ熱量の希望があることもわかった。だから工夫しよう、バランスをとろう。今のところそれが、わたしたちにできる精いっぱいで、でも未来への道が閉ざされたわけじゃない。

だからいざというときに、自分の命を守る智慧をもとう。それは災害やパンデミックに備えることにとどまらず、絶望に足をからめとられて溺れないよう精神を自立させよう。誰かのせい、世の中のせいにしてあきらめるのはやめよう。いつでも独立して自分から発光できるぐらいの生命力をもてるように。

それを後続にバトンタッチすることも考えていく。生命力の炎を持続可能に、サスティナブルなシステムを考えていく。自然界をお手本に、理にかなった、合理的な生命循環システムになろう。人の肉体は地球の一部なのだから。
未来人はきっと宇宙規模の共感力を持つことだろう。地球だけじゃなく、月と太陽、そしてこの太陽系の惑星との関係性なくしては、自分たちの生きる地球は存在しえないのだから。
人類が宇宙に飛び出していくにつれ、火星や金星、月や太陽とのつながりを思い出し、全体を俯瞰してみる鷹の眼と、人間社会のこまごまとした気配を察知して、最善を尽くせる鵜の目をもって、新しいグループ、新しいネットワークが形成されていくだろう。そのとき人類は肉体だけが自分ではなく、意識体や生命エネルギーも自分であることを思い出し、コントロールできるようになって、クオリアがさらに洗練され、シンプルで、透明性のある情報の同列化ができるようになり、歪や目詰まりが解消されて、持続可能な理想的社会の壮大な夢を、ともに生きることができるのではないだろうか。
新しい世界、新しいフェイズに入ることは、これまで見たこともない異質なものの取り込みも必要になる。だから浄化力と、清浄さを保てるようなShieldは必須になるだろう。

​「わくわくする未来を想像できるだろうか?」

正直いって、無理かもしれないと考えていたわたしは、希望があると結論できたことに自分でも驚いていました。その理想的な未来が到来するのはいつのことかわかりませんし、自分が生きている間にその未来を経験できるとは思っていません。でも、未来に生きるクリエイティブな地球人を想像できたってことは、残りの人生のなかで、ご縁のあった若い人たちに遺せるものがあり、さらに未来の地球人につなぐバトンを創造する一輪になれるということです。そのことに気がついた瞬間、生きるということの動機がはっきりして、俄然元気が出てきました。

わたしたちが、未来につなぐ希望的イメージから導き出した色はシルバー。
銀色に輝くもの。
すでにローズマリーを中心に成分を考案していたことも相まって、銀灰色に輝くローズマリーの、葉の裏面がロゴカラーになりました。

(つづく)

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