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[マンガ / Comic] 中年夫婦の会話 / Conversation

(1100文字オマケ付き)
















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私のマンガに毎回登場する夫のダックさん。

彼とは、2003年の夏に出会いました。エイズのため亡くなった知り合いアーティストの追悼会が友人宅で開催された時。

遅くまでみんな飲んでいて、気が付けば、朝方まで飲んでた私。
ダックさんは、なんとなく隣にいて、一緒に話してたような。ブラジル人のエリオ君が作ってくれたポテトサラダをたらふく食べながら。

最初に会ったダックさんの印象。
メガネのせいか、なんかオタクっぽい、そして、着てる服がダボダボすぎてちょっとダサい(笑)
私は赤いタンクトップにジーンズという格好だったかな。

(後で判明しましたが、ダボダボは、スケボースタイルでした。コンピューター「オタク」は当たってました。)

そのつい2ヶ月前に、3年ほど同棲してた元彼のアパートを去り、ひとり暮らしを始めたばかりの私。

ダックさんと私は何を話してたか?
私にとって何も飾らない白い壁がとてつもなく重要なこと、そしてアパートを出るに至った数多くある理由のひとつが、絵やもので壁を埋めようとする元彼の悪趣味、数年耐えてたけど改善されなく我慢ができなくなった、などの話をしたのは覚えてます。

そろそろ自転車乗って家に帰ろうとすると、同じ方向だからと、ダックさんも自転車で私の後を付いてくる。

朝日が出ていてすでに明るい。

彼の家は5分先。私の家は20分先。
ずーとずーと遠いのに、彼の家の前を通り過ぎて、さらに付いてくる。

来なくても大丈夫と言ってるのに、付いてくる。
酔ってるから危ないって。私は酔ってる自覚なかったんですけど。

私のアパートの前に到着。
じゃあ、と即追い払うのも悪い気がして、電話番号は渡しました。

1週間後、私の誕生日パーティー。
私のボロアパートへ、ダックさんも含め友人7~8人を招待。共通の友はけっこう多いのです。

夜中も過ぎ、みんなが帰るのにダックさんはなかなか帰らない。

温かい夏の夜。
結局バルコニーでおしゃべりしてたら夜が明けてしまいました。

そのときに、好きだと告白されたのは覚えてます。

1週間まえ、初めて会った時に一目惚れしたんですって。

え、私に?冗談?(笑)

だて食う虫も好き好き、てヤツですね。そして彼は朝日の中帰って行きました。

元彼から解放され、私はひとりを満喫してた時期。
1950年代くらいからきっと改装されてないだろうボロアパートは少し不便だったけど、チャーミング。ひとりの自由が幸せでした。
壁はもちろん白。
何も飾りません。

ひとりで生きていく決心みたいのもしてたんですけど。
彼氏募集中ではなかったんですけど。

人生、出会い、運命?
どこでどう転がるか、不思議ですね、わかりませんね。

それからずっと一緒。
今年の夏20周年。
長いようで短いような。


(#創作大賞2023 中間選考通過した作品でした)

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