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変化に飛び込んでいく

「新しいことに挑戦するのは、とても勇気がいる。」

28歳、地元を離れた

若い頃から地元を離れたことのある人にとって見れば笑っちゃうことかもしれないが、28歳にして初めて、生まれ育った関東を離れた。

結婚という、一般的には幸せな目的のためではあるけれど、それでも関東で築いた人の縁を全て置き去りにして、九州という全く知らない土地に住むのはなかなか勇気のいることだった。夫の親戚と、たまたま福岡に配属されている唯一の友人を除いては、誰もこの街に知り合いがいない。この街の誰も私のことを知らない。心細いような、気楽なような不思議な感覚だった。

最初こそホームシックで泣いたりしたものの、夫の親戚に良くしていただいて、友人と一緒にゴスペルサークルに加入してみて、フリーランスを始めてまず最初に参加したセミナーで起業コンサルの方とご縁があって、取引先の方々と仕事を通して知り合って…

こんな具合で、少しずつこの街に知り合いが増えてきた。知り合った人たちには本当に良くしていただいていて、人の優しさを感じる。大学までの友人のように、気心知れた関係を作るというのはなかなか難しいけれど。この土地にも縁をたくさん作れるように、馴染めるように頑張りたい。それに、九州方面に用事のある友人がついでに会いにきてくれることもちょいちょいあって嬉しい。また親しい人たちに会えるその日まで、こちらで家庭と仕事の地盤を作ることに専念しようと思える。


新しいことを始めるということ

結婚をして姓を変え、住処を言葉も違う遠い土地に変え、仕事も人付き合いも変え…この4ヶ月間で一気に変化が起こったけれど、私としてはただ目の前のことを一つ一つやってきただけだった。むしろ起業する決断も遅くなってしまったし、のんびりしてしまった自分に若干失望していた。が、そんな私を見て元上司(デザインの師匠)が「新しいこと始めるのパワーいるじゃん!!しかも土地勘無いところでやってるし、素直にすげーとおもいます。自分も負けないように頑張るよ」って言葉をかけてくれて、その時に初めて「ああ、新しいことを始めるのってパワーがいるんだな。この4ヶ月はのんびりしてしまっていた気がしたけど、私はパワーを使っていたんだなぁ」と気づくことができた。

新しいことを始めるというのは、なかなかエネルギーのいることなんだ。

今までやってきた勝手知ったることを続けるのは、とても楽だ。歳を重ねるほど積み上げてきたものに自信もついてくるし、それだけを繰り返していけば大きく間違うということは無いのかもしれない。それに、人は恒常性維持機能という「変化に対抗する性質」を持っているらしい。

でも、人によってはどうしても「変わらざるを得ない時」がある。学生の頃は進学とか就職とか、変化のタイミングがみんな大抵一緒だった。ところが働くようになると、タイミングは全くバラバラになる。結婚を決める?転職する?子どもを産む?家を建てる?海外に赴任する?起業する?…もう自分と一緒のタイミングで変化してくれる人なんてほとんどいないのだ。自分で決断しなければいけない。

こちらでお世話になっている取引先の経営者さんが、「転職や起業経験のある人の直感、判断力はビジネスに活きてくる」という趣旨のことを話されていた。もちろんビジネスに限らず、ここは挑戦してみるタイミングだとか、このままでいるのは良くないから環境を変えようとかいう決断を何度か重ねると、直感と判断力が磨かれる気がする。こうした、大事なタイミングで変化に向かって舵を切って飛び込んでいけるか?という「決断力」は、たしかにいつか役に立つ時が来るのかも知れない。

歳を重ねるほど、変化を恐れずに生きたい

余談だが。私が新たなチャレンジを、変化を恐れないで進もうと思えるようになったのはチャットモンチーの影響が大きい。チャットモンチーはメンバーの脱退があって窮地に立たされ、今後どうするか…という時に「変化していくこと」を選んだ。今までと同じじゃ意味がないのだと。具体的にはメンバーを加えずに二人体制で一枚アルバムを出したのだが、脱退の経緯を知ってからこのアルバム「変身」を聴くと、心に迫るものがある。「絶対に新しい体制でやっていくぞ」というものすごい気概、それでも「見放されるのが怖い」「これで正しかったのだろうか」という大きな不安と戸惑い。こうした二人の気持ちがぐわんぐわん溢れてきて、涙を禁じ得なかった。ちょうど結婚して引っ越しするタイミングでこのアルバムを聴いて、どれだけ心の支えになったかわからない。さらにチャットモンチーでやりたいことはやりきったからと、また新しいことに飛び込んでいくために、彼女たちは「完結」という変化を選んだ。常に良い方向を信じて、変化の決断をしていく彼女たちはとてもかっこいい。それなのに、芯にある大事なものや魅力が変わらないのもまたかっこいい。

私も、幾つになっても変化を恐れず新しい自分になっていきたいなと思う。以下は、私が新しくチャレンジしたリストだ。このリストをこの先も充実させていけるようにしたいと思う。

【新しくチャレンジしたことリスト】
23歳:就職
24歳:初めての転職、一眼レフカメラ
25歳:転職(未経験からデザイナーへの挑戦)
26歳:グループ写真展への参加
27歳:より良い環境を求めて転職、グループ写真展の主催
28歳:結婚、九州へ引っ越し、フィルムカメラ
29歳:フリーランスに挑戦、ゴスペル(※現時点)

あとやりたいことは、今のところギターとバンド活動だろうか。笑われちゃうかもしれないけれど。でもいくつになってもワクワクする方向に向かって、迷いながらも変化していきたい。変化を楽しめるくらいになってみたいな。



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