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好むもの記

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好きなものの記録。基本雑記です。
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#読書の秋2022

日記:国会図書館で赤染晶子『じゃむパンの日』を読む

日記:国会図書館で赤染晶子『じゃむパンの日』を読む

国会図書館へ行くと、なぜか国会図書館で読もうとした本ではなく国会図書館へ持って行った本(空き時間に読む用)の読書がはかどるので、その感想を書きたくなります。今回は赤染晶子『じゃむパンの日』(palmbooks, 2022.)。

国会図書館へ行き、マンガを読む人の集いを見かける今日も今日とて国会図書館に行った。前回同様、鹿の毛玉について調べるためだ。

前回は目新しくて、いちいちきょろきょろしてい

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津村記久子『苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?』

津村記久子『苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?』

私は毎日日記をつけていて、「前日こねたパン生地が発酵してあまりにもふくらみ、タッパーの蓋を自力でこじ開けているのを発見した」などしょうもないことをせっせと書いては、それでも夜寝る前に「これもあれも書けていない」と思いつつ眠りに落ちています。頑張って日記を書いても、全部を記録できないなら意味がないのでは? そもそも誰にも読まれないし……

などとつらつら考えている中で、津村記久子『苦手から始める作文

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『私の生活改善運動』 / ウズベキスタンのクッションカバー

『私の生活改善運動』 / ウズベキスタンのクッションカバー

「生活の先輩」に出会えるエッセイ昔からエッセイが好きでした。例えば向田邦子や米原万里、C・W・ニコル。小学生の頃、中学受験向けの塾に通うのは苦痛でしたが、国語の教科だけは必ず小説か随筆の抜粋を読むことができる楽しい時間で(問題の出来はともかく)、彼ら三人にもその時出会っています。当時は冒険や自立した都市での生活、海外へのあこがれなどがないまぜとなって貪るように読んでいました。

大人になって、曲が

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