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【保護した子猫が家族になったお話🐈‍⬛】

『思いもよらないこと』
それは想像したり予期したりしていない出来事のこと。
私の人生は比較的”思いもよらないこと”の連続でできている気がするけれど、今回の出来事は本当に予想だにしていませんでした。


10月1日、お店の裏で一匹の子猫に出逢いました。

その日は、初めての大きなPOPUPが終了した次の日で、1ヵ月間やり遂げた達成感と張りつめていた緊張感で一気に疲れが押し寄せ、どうにも重だるい身体に鞭を打ちながら返送作業をしていました。
日曜日ということもあり、有難いことにばたばたとしていたらあっという間にお昼過ぎ。
少し遅めのお昼ご飯を食べてからお店の奥でひと息ついていると、お店の裏あたりから「にゃーにゃー」と猫の鳴く声が聴こえてきます。
普段この辺りで猫の姿をほとんど見かけないので、珍しいなぁ…と思いつつ、暫くすると声が聴こえなくなったのでどこかに行ったのかなと思って、また仕事に戻りました。

お店の裏は少し広めの駐車場になっていて、隣接する建物には学習塾も入っているので、土日は子供たちの声が聞こえてくることがよくあるのですが、この日の夕方頃は、なんだかいつもよりがやがやと騒がしい…窓からのぞいてみると、何人かの子供たちが何かを探しているような様子。
「何してるのかな?」と少しの間見ていましたが、立て続けにお客さまがいらっしゃったので店頭に戻り接客が終わったときには、外はもう暗くなり始めていて、子供たちも帰ったようでした。
10月に入った途端に夜も冷え込むようになってきたので、いつも少しだけ開けているお店の奥の窓を閉めようとしたとき、「にゃー!にゃー!」と最初に聴こえたときよりも大きな鳴き声。というよりも必死に叫んでいるような猫の声がしました。

まだいる…しかも鳴き方からして子猫なんじゃないだろうか…暗くなり気温も下がり始め、なんだか凄く心配になり、スマホのライトを付けて声の主を探しに行くことにしました。
しかしいくら探しても姿が見当たらず、一旦お店に戻ります。すると、また声が聴こえる、探しに行く、いない、戻る、また声が聴こえる、探しに行くを何度も繰り返し、「どこにいるの?」と怖がらせないように声をかけながら探し続けました。
もう諦めようとしたとき、まるで「ここにいるよー!」と教えてくれるように大きな声で鳴いてくれて、その声は私の目の前にある室外機の下から聴こえてきます。
すぐにその室外機の前に寝そべり、明かりを照らすと室外機の一番奥の隅っこに小さな小さな子猫がいました。

右奥のすみっこにいます。
手前に誰かが置いた餌のようなものが…
これを警戒して奥へ行ってしまったのかも。

必死に手を伸ばすけれど届かない…怖がらせてもっと奥に行ってしまったら…とも考えましたが、伸ばした手をできるだけ動かさず、「大丈夫だよ、怖くないよ。出ておいで。」と忍耐強く声をかけ続けました。
すると奥の方で丸まっていた子猫が一度大きく伸びをして、少しづつゆっくりと手の方へ向かってきてくれます。そして手のひらに乗ったかと思ったらトコトコと一生懸命肩まで歩き、ちょこんと座りました。思っていたよりもずっとずっと小さな子猫です。
私は左手で子猫を支えそーっと身体を起こし、持ってきていたタオルでくるみ、ひとまずお店に戻りました。

保護直後。
なんとも可愛い子猫です。


産まれたてというわけではなさそうですが、本当に小さく手のひらサイズでヨチヨチ歩き。とても遠くから自分で歩いてきたりできる大きさではないし、お昼過ぎから鳴いていたので、母猫が近くにいれば来ているはず。
それに最初にお話ししたようにこの辺りは本当に猫の姿をほとんど見かけないのです。
どうやってこの場所に辿り着いたんだろうか。
人を怖がる様子もないから、もしかして捨てられたのかな…とも考えましたが、そんなこと追及しても仕方がないし、とにかく私は、なにかの縁で出逢った、この小さな命を守らなければならないと思いました。

初めての場所でも怖がる様子もなく
パソコンの上に乗って遊んでいます。


「さて、どうするかね…。」
このとき、私の脳裏に浮かんでいたのはトイプードルのキュル(会長)と柴犬のChimo(社長)のことでした。
ひとまず子猫を家に連れて帰ることを決めたものの、この2匹に受け入れてもらえなければどうにもならない。
しかし、ストレスに感じるようなことにはしたくない。悩みながらも2匹の優しさと愛情の深さを信じることにしました。

家に着くと、玄関までいつものように迎えに来てくれた会長と社長。
「子猫連れて帰るよ」って伝えてたっけ?と言うくらい、何かを察してそわそわしています。テレパシーでしょうか?テレパシーですね。
私の抱えている箱の中を早く見せて!!と飛びついてくる勢いです。
箱を床に置くと、中にいる見たこともないくらい小さきものを、じーっとみつめています。
その眼差しがとても暖かくて、思わず涙がこぼれそうになりました。
会長も社長も少々訳ありで我が家へやってきたので、先住犬たちに暖かく迎えてもらったことを、もしかしたら覚えているのかもしれないですね。
優しく育ってくれて本当に有難う。

初めてのご対面。
会長と社長の優しい眼差しに感動。
動物って凄いなぁ…

日曜日の夜の出来事でしたから、保護してすぐに病院にも連れて行けず、病気などがあるのかどうかもわからない状態だったので、初めての対面は早々に切り上げました。
次の日、朝一で病院に行き先生に診てもらったところ、生後約1ヵ月の男の子で体重は280gしかありませんでした。
大きな病気は今のところなさそうだということでしたが、ノミだらけだったようで処置をしてもらいました。恐らく暫くのあいだ外で過ごしていたのだろうとのことでした。
本格的に寒くなる前に保護してもらって良かったと言われなんだかホッとしました。
会長と社長にもノミ退治のお薬をもらいました。これで安心してご対面ができます。
子猫はこの日初めてご飯も食べてくれてさらに安心。

手のひらにちょこんと乗るサイズ感。

それからこの小さな命を育てながら真剣に考えた結果、この子猫を家族に迎えいれることにしました。
小さな身体で懸命に生きぬいてきた姿は、いつまでもうまく生きられない私に、大切な何かを伝えに来てくれたような気がしたからです。

お店の裏で出逢ったので名前はお店の名前、志庵から一文字取って『庵(いおり)』と名付けました。みんなに愛されてすくすくと育ってくれますように。

昨日で保護してからちょうど3週間だったのですが、体重も増え見た目もなんだか大きくなりました。
やんちゃ盛りで、会長と社長を追いかけまわしては飛びついて、2匹を困惑させております。
時々逆襲に合ってひっくり返ったりしていますが、全然反省していない。こうして優しくときに厳しく育てられて成長していくのでしょう。
毎日が賑やかで幸せなことです。

いたずら大好き。
元気いっぱいです。

もちろん志庵にも新入社員として入社しました。
只今絶賛研修中ですが、どうなることやら。
これからも暖かく見守っていただければ幸いです。

志庵の新体制です。
にんげんが1番働かなくてはなりません。

動物たちと暮らしていると、本当に日々学ぶことばかり。
どんなときでも傍にただ寄り添ってくれるこの子達が、いつかくる最期の日に「幸せだったなぁ」と思ってくれるように、日々を一緒に愉しく過ごすこと。それが私の生き甲斐です。

キュル会長、Chimo社長、そして庵くん。
家族になってくれて有難う。

みんなで幸せに暮らそうね。

追伸。
私は絶対犬派!!3度の飯より犬が好き!!って30年以上言い張ってきましたが、猫も可愛すぎてメロメロです。私は犬も猫もどちらも派!!になりました。どうぞよろしくおねがいいたします。

以前にとても大切なワンコのお話しも書きました。
良かったらまた読んでみてください。
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