真夏の八幡平が美しすぎた
8月11日。山の日だからというわけではなく、3連休で晴天なのがこの日だけだったので、弾丸日帰り八幡平山頂からの温泉ひとりツアーへ。
9:00 盛岡駅から八幡平自然散策バスに乗車。出発寸前にサングラス(度付き)を忘れたことに気づいたけどまあいいや。視力0.3だけど。
途中どこかの道の駅(名前忘れた)でトイレ休憩&お買い物。お昼は山頂のレストハウスでカレー稲庭うどんを食べようかと思っていたけど、ふと自然の中でおにぎりを食べた方がいいような気がしておにぎりを探す。発見。大きめの「きのこごはん」と「ちりめん」のおにぎりを入手。他にも欲が出て、八幡平の農場で採れたとうもろこしと枝豆(夕食用)、暑かったのでくずまき高原牧場のもなかアイスも買った。袋を開けると何とも可愛らしい造形のモナカだった。ヒナギクみたい。ふたくちくらいかじったところで写真撮っておけばよかったと思ったけどもう遅い。ミルキィなアイスとあんこの組み合わせたまらん。
山頂の手前、昨年泊まった「藤七温泉」を通過。泊まった際に露天風呂から車道が見えて、「え?運転してる人から丸見えでは?」と思ったのだけど、改めてバスから露天風呂を見てみると、うん、丸見えだ。すっぽんぽんの人たち、丸見え。道の駅から合流したガイドさんも「今日藤七温泉に泊まられる方、ご覧のとおりここは裸を見られる温泉ですのでお気をつけ下さい」と言っていた。そんなワイルドな宿とは知らず、「ことりっぷ」におしゃれな感じで掲載されてたから選んでしまったが、廊下は斜めっているし、部屋は狭い和室に布団と灯油ストーブだけ(灯油の匂いが苦手でほとんど点けられず。点けても換気しなくてはならず寒い)という質素なもので、「修行か?」と思った。食事は山菜や川魚を使った山の幸バイキングで、とても美味しかったし、あれはあれで良い体験だった。
先月母と伯母が岩手に来た時は「八幡平ハイツ」を選んだのだが、昭和天皇と今の天皇が二代に渡って訪れたくらいの素晴らしい宿で、温泉も食事も最高。その上リーズナブル。しかし思っていた以上に伯母の体力がなかったのと、天気が微妙だったので山頂へ行くのは諦めた。そもそも、八幡平ハイツから山頂までバスで30分以上かかる時点でもうトレッキングのプランは崩壊していたのだが。。
11:00 山頂到着。晴天!!いや〜絶景!!昨年来た時は霧の向こうに隠れていた岩手山が澄んだ空の色に青々と、映えるったら!!
さっそくトレッキング開始。まずは「ドラゴンアイ」で有名な鏡沼に向かう。ドラゴンアイのシーズンは5月頃なので、今の時期の鏡沼はドラゴンアイになる予定のただの沼である。しかし「鏡沼」というだけあって、澄んだ静かな水面に空の濃い青が鏡のように映っていてとても美しい。
少し歩いたところで二つ目の見晴らしポイントに到着。
ここいらでおにぎりターイム!!
絶景を前に食す握り飯の美味さよ。最高だね。
大した時間もかからず、一番標高の高いポイントに到着。
なんかもう、天空に浮かんだ島みたい。
トンボがすごい飛び交っている。
一番高いところに行ったらあとは下るだけ。下りもとても緩やか。一番大きな沼(というかもはや湖)が見えるポイントでまた一休み。沼の近くは涼しくてちょうど良い風が吹いている。気持ちいい。いつも会社ではクーラーでガンガンに冷やされ、「スーパーの鮮魚じゃねえ」と思っている私にはこういう自然の風こそが身体を癒してくれる。
ここからは徐々に「山」というより「湿地帯」に入っていく。
ネット情報では湿地帯にはこの時期、尾瀬のように「ニッコウキスゲ」の黄色い花が群生しているという画像を見たのだが、沼のそばにちょろっと咲いていただけで、行けども行けども群生地は見当たらなかった。残念。。
お目当ての花は見れなかったとしても、果てしなく広い湿地帯はまるでアイスランドかイギリスの湖水地方のよう(どっちも行ったことないけど)。ジョン・キーツの詩を思い出す。あの頃の英国の詩人たちは詩のインスピレーションを得るためにこういう標高の高い湖水地方を旅したとかなんとか。(ちなみにジョン・キーツを知ったきっかけは「ブライト・スター」という映画で激推しのベン・ウィショー がキーツを演じてたからです)
時々足を止めて可憐な高原植物たちをまるでヘムレンさんのようにまじまじと観察したりした。
さっきからトレッキングとか言ってるが、実際はハイキング、というかもはやピクニック?というくらい歩きやすいコースで、ワンピース姿のご婦人や赤ちゃんをエルゴで抱っこしながら歩いてる人もいるくらい初心者向け。のはずなのだが…
なぜだか気づくと険しい道に入ってしまい、狭くて岩がゴロゴロしていて非常に歩きにくい。去年こんなところ通ったっけ?と思いつつもひたすら進む。天邪鬼というか、アウトローというか、昔からなんか人と違うことをしてみたくなってしまう性質の私。ここに至るまでに何箇所か案内の看板を見たのに、なぜか「まだレストハウスに戻る方に行きたくない」とか、「他の人たちと違う道選んでみたい」とか思ってしまい、好奇心の赴くままずんずか足元の悪い道を歩いていってしまったところ、なんと山頂から2.6km下った車道に出てしまった。
1人で来てて良かった。家族を連れてきてたら非難轟々になるとこだったわ…
しかし山頂に荷物預けちゃってるし、次のバスで温泉に移動したいけど今から歩いて戻ったら間に合うかどうか微妙…。
よし、もうこれしかない!
ということで、人生初のヒッチハイクというやつをやってみた。ガチで。
120%の笑顔で手を振り、外国の映画かなんかで見るように親指を立ててみたところ、優しそうなおじさまが停まってくれた。
「どうしました?」
「なんかトレッキングコース外れて変なところに出ちゃって、、山頂のレストハウスまで乗せて頂けませんか?」
「今助手席片付けるのでちょっとお待ち下さい」
なんて良い人なんだ。ほんと、すみません…。
乗せてくれたのはなんと九州の方で、長いお休みが取れたので東北を旅してるんだとか。
この辺りに詳しいわけでもないのに得体の知れないアラフォー女を拾ってくれてスーパー感謝である。
ていうか39にもなって何をやってるんだか、私は…
(※今回たまたま良い方に乗せて頂きましたが、必ずそうなるとは限らないので気をつけましょう)
山頂に降ろしてもらい、丁重にお礼を言いながら深々と頭を下げ、「良い旅を!東北を楽しんで下さい!」と150%の笑顔で手を振ってわかれた。一期一会ってやつだな〜
バスの時間までまだ少し余裕があるので展望台からもう一度岩手山を眺めていると、斜面に何か黒い蠢く物を発見。
よーく見てるとその黒い物体は3つに分裂した!?と思ったら、どうやらそれらは熊の親子でお母さん熊と2匹の子熊たちだった。
水芭蕉を食べているらしい熊の親子たちをほのぼのした気持ちで観察してたけど、これがすぐ目の前に現れたらシャレにならんな。
次回来る時は以前新潟で買った熊避けの鈴を持ってこよう。
15:00バスで下山。
15:30松川荘口下車。これがちょっと誤算だった。ひとつ前の松川温泉で降りれば温泉宿は目の前だったのに、松川荘口から温泉まで少し歩かなくてはならない。
盛岡へ帰る終バスは16:20。貴重な温泉を楽しむ時間をちょっぴりロスしてしまった。
とはいえ、やはり温泉は良い。
硫黄の匂いきつめで疲れに効きそう。バスの時間を意識してソワソワしちゃったけど30分くらいはゆっくりできた。
16:20松川荘口発。もうちょっと遅い便があっても良くね?
18時過ぎに盛岡バスセンター到着。せっかくバスセンター来たし、長時間バスで座って身体がこわばった気がするので最後にカナンスパ(バスセンター3階にある温浴施設)の炭酸風呂とサウナで整う。どんだけ整いたいのか…
帰宅してもまだ20時前。ひゃっほう!
道の駅で買った枝豆を茹で、とうもろこしをレンチンして食す。味が濃くて美味であった。
行き当たりばったりの日帰り旅行でこれだけ楽しんだら上出来じゃない?
次の日も幸せな余韻に浸って、良い時間を過ごせた。
天気が良い日を狙ってまた行こう♪
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