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考察パーマン

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「パーマンは世界一のラブストーリーである」を、じっくり検証していくマガジンです。
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#パーマン

パーマンになってできること『お花見騒動』/Fキャラお花見騒動③

パーマンになってできること『お花見騒動』/Fキャラお花見騒動③

お花見大好き藤子Fキャラにスポットを当てた作品を取り上げる「Fキャラお花見騒動」シリーズ第三弾。今回は「パーマン」から一本ご紹介。

「パーマン」×「お花見」エピソードと言えば、『ギャド連花見』が真っ先に思い浮かぶところだが、この作品は一度取り上げているので、こちらをご参照してください。

今回は「てんとう虫コミックス」には収録されていない少しマイナーな作品を掘り出してみたい。

なお、ここまで「

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悪者パーマンはパー子のスカートを破る『パーマンが悪者になった!!』/魔土災炎博士の珍発明⑤

悪者パーマンはパー子のスカートを破る『パーマンが悪者になった!!』/魔土災炎博士の珍発明⑤

パーマンが世の中に登場したことで、生活が一変した人たちがいる。それは、窃盗・強盗・かっぱらいなどで生業を立てる、世の悪者たちである。

「パーマン」世界では、悪者たちは全悪連(全日本悪者連盟)という互助組織に所属しているのだが、職が奪われ仲間たちが次々と捕まっていく中で、パーマンを強烈に憎んでいるのである。

全悪連の理事長であるドン石川は、そうした組合員の気持ちを汲んで、何かとパーマン打倒の策を

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魔土博士のリベンジ達成か?『パーマン生きうめ作戦』/魔土災炎博士の珍発明④

魔土博士のリベンジ達成か?『パーマン生きうめ作戦』/魔土災炎博士の珍発明④

何を隠そう(というか全く隠してはいないが)、僕の一番のお気に入りの藤子F作品は「パーマン」である。

好きな理由はいくつもあるのだが、その一つに日常とSFの微妙な匙加減にある。

藤子作品は日常をベースとしながらも、そこにSF(すこし・ふしぎ)要素を加えることで、日常の喜怒哀楽が強調されるということをやっている。言い換えれば、単なる日常ものではないが、SF設定があるからといって、日常で感じる喜怒哀

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旧→新 7大設定変更とは?『パーマンはいそがしい』/「新パーマン」の幕開け①

旧→新 7大設定変更とは?『パーマンはいそがしい』/「新パーマン」の幕開け①

藤子作品で最も好きな作品を挙げるとしたら、僕は「パーマン」と即答する。大げさではなく、最も影響を受けたマンガと言い換えてもいい。子供の頃から、大人になってからも、何度も何度もマンガを読み、アニメを見てきた。

パーマンの魅力は一口では語り切れないが、一つには「スパイダーマン」でも主題とされている点が挙げられる。すなわち、大いなる力には大いなる責任が伴うというアレである。

他にも仲間との友情、強力

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松茸泥棒VS.パーマン『マツタケ山に全員集合』/マツタケへの異常な愛情①

松茸泥棒VS.パーマン『マツタケ山に全員集合』/マツタケへの異常な愛情①

松茸<マツタケ>

特有な芳香を持つキノコで、赤松<アカマツ>の根本などに生えるが、とても見つけにくく希少性が高い。高額で取引されており、国産では最低一本売りで3000円くらいの値がつく。

庶民が気軽に食べることのできない高級食材であるが、その一方で、松茸は香りが強すぎてそれほど美味しいものではない、などと言われたりもする。

ただ、それも松茸に手が届かない一般市民の負け惜しみのようにも聞こえ、

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『2号の正体がばれた』ので、別の動物に変換!?/ブービーだって大変よ②

『2号の正体がばれた』ので、別の動物に変換!?/ブービーだって大変よ②

「旧パーマン」から約15年の時を経て復活した「新パーマン」。この間、時代も作者の考えも変化をしていることを踏まえて、いくつかの大きな設定変更が加えられた。

この話題については一度記事にしているので、気になる方はこちらのご一読をオススメします。

パーマン2号こと、ブービーに関しては、住んでいる場所が動物園から一般家庭になるという重要な変更が発生している。

変更理由は明らかではないが、年がら年中

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パーマンは宝探しを諦めない。『宝物見つけた』/藤子Fの宝探し⑦

パーマンは宝探しを諦めない。『宝物見つけた』/藤子Fの宝探し⑦

1968年4月。大政奉還が行われ、徳川将軍家の拠点江戸城は「無血開城」された。資金難であった新政権が入城したが、彼らが期待していたような財産が見つからず、幕府が一足先にどこかへと隠匿したのではないかと思われた。

そこから始まる「徳川埋蔵金」探し。幕府最後の金庫番(勘定奉行)だった小栗忠順が上野の国に隠れていたことから、噂が広まり、赤城山に徳川埋蔵金が埋められているという説が有力となっていく。

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千面相の変装グッズ再び・・!『パーマン大ピンチ』/怪人千面相関連作③

長らく続けてきた「怪人千面相」についての記事はようやく今回で最終回。「新パーマン」での登場話3本と、「パーマン」以外の藤子作品に「怪人五十面相」として登場している作品2本を紹介した。

せっかくなので、全てここにリンクを貼っておくので、もし未読あれば飛んでみて下さい・・。

本稿では再び「パーマン」に戻ってくるのだが、今回は『ひったくり犯にワナをかけろ』(84年1月)の続編的作品となる。ただし、「

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美術品を心から愛する男『千面相とペカソ』/新パーマンVS怪人千面相②

美術品を心から愛する男『千面相とペカソ』/新パーマンVS怪人千面相②

パーマン最大のライバル怪人(怪盗)千面相。名前の通り変装の名人で、わざわざ犯行予告を出して美術品を盗み出そうとするプライドの高い男である。

パーマンたちは「旧パーマン」の頃から幾度も挑戦を受けて、そのたびに何とか負かしてきた。特に「新パーマン」の初登場となる『怪人千面相と黄金像』では、パーやんとの出し抜き合戦が見応えのあるものだった。

その記事はこちら・・。

本作では、千面相がリベンジとばか

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パーやんの実家の秘仏とは?『怪人千面相と黄金像』/新パーマンVS怪人千面相①

パーやんの実家の秘仏とは?『怪人千面相と黄金像』/新パーマンVS怪人千面相①

「パーマン」では、準レギュラーとなるライバルが存在する。それが魔土災炎博士、全悪連(理事長)、そして怪人千面相である。

その中でも怪人千面相は、1960年代の旧パーマンから1980年代の新パーマンまで登場する人気キャラクターで、変装と脱獄の名人ということで、パーマン仲間は幾度も苦労させられてきた

「旧パーマン」における怪人千面相登場回については、既に記事化しているので、是非ともこちらをご覧下さ

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税金は まずは所得の 把握から『パーマンは重税を取る』/税金は嫌いだ!①

税金は まずは所得の 把握から『パーマンは重税を取る』/税金は嫌いだ!①

国の借金が増えている。返すアテがあるなら問題ないのだが、今後日本は急速に人口を減らしていくので、普通にしていては税収が上がっていく見込みはない。返済能力は乏しくなっていくと考えるのは普通だろう。

それでも毎年のように、国家予算が増えていき、その部分だけ見るとまるでもの凄く成長している国のように思えるけど、実体はまるで違う。もはや日本経済は停滞が当たり前の通常運転となってしまっている。

そんな国

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パーマンだって時空を超える!『タイムマシン』/タイムマシンで大騒ぎ⑨

パーマンだって時空を超える!『タイムマシン』/タイムマシンで大騒ぎ⑨

1970年代以降の藤子先生は、「ドラえもん」と「SF短編」の二足の草鞋を履いている感覚だったとされる。

国民的な漫画・キャラクターに成長した「ドラえもん」は、未来の世界からタイムマシンに乗ってやってきたロボットという設定から、必然的にタイムトラベルについての作品が多い。

SF短編においても、SFの基本である「時間」をテーマにした作品が多く、タイムマシンそのものが登場するお話も多数存在する。

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子供たちの身近な恐怖・カツアゲ『こづかいどろぼう』/町のカツアゲくん①

子供たちの身近な恐怖・カツアゲ『こづかいどろぼう』/町のカツアゲくん①

僕の少年時代は、「校内暴力」が蔓延るなど、学校が凄く荒れた時期であった。しかも田舎の、それほど柄の良くない地域に住んでいたこともあり、いわゆる不良たちが目一杯幅を利かせていのである。

今では信じられないかもしれないが、不良な学校の先輩だったり、他校の生徒だったりと町で鉢合わせとなると、お金をせびられたものだった。いわゆるカツアゲ(喝上げ)である。

今の時代がどうなっているか分からないが、少なく

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なぜ人間だけ威張っているのか! パーマン『動物解放区』/動物たちの反乱①

なぜ人間だけ威張っているのか! パーマン『動物解放区』/動物たちの反乱①

「猿の惑星」という映画がある。幾度かリメイクされているので、ほぼ全年代の方が知っているタイトルだとは思うが、第一作を劇場で見た世代にとっては、オールタイムベスト級の衝撃を受けたという人も少なくない。

「猿の惑星」一作目は、1968年4月に全世界公開された。衝撃的なラストという看板を引っ提げて登場したSFアクション大作で、映画を見慣れていた人でもラストでは度肝を抜かれたとされる。

この文章を読ん

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