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人は幸せになる権利を放棄しちゃいけない。 たとえそれが、死の間際だとしても。

ひたいのしわが無くなるとき

志村けんさんの死は、思えば結構ショックな事で、否が応でも一つの時代が終わって、次への時代へ向かう事を認識させられる。

彼は2016年に肺炎を患っていたそうで、身体が大分弱っていたのかも知れない。

僕も2019年2月に突然肺炎になって、レントゲンで撮ったら両肺が真っ白になるほど悪かった。その時の大変なことを思うと、彼も大変だったろうとご冥福を祈らないではいられない。
 
「いってきます」
それが、生きている時に聞く最後の声になるかもしれない。
 
今日の幸せが、明日も続くとは限らない。
 
何気ない日々の中で感じる幸せに、ありがたいと感謝して、人と出会えた事に感謝する。
 
小さな幸せに、素直に「幸せ」を感じられるようになりたい。
 
誰でも「幸せ」を感じる権利がある。
何があっても、どんな時でも、人は、「幸せ」を感じられる。
 
それが、死ぬ間際でも、死んだ後でも、「幸せ」を感じる権利を放棄してはならない。 

 
そんな事を思って、末期ガンで昏睡状態、今まさに危篤の方の横で瞑想をした事があった。

目の前で横たわっている人とはその時が初対面で、話をした事もなかったけど、古い友人のようにこころの中で語りかけた。
言葉でのコミュニケーションではなく、彼女の意識に話かけた。

そして一緒に、こころの重荷を整理していく。

死の間際で何を抱えて苦しんでいるというのだろう。
あなたはもう、死んでいくんですよ。抱えているものを手放して、幸せに旅立っても良いんですよ。
さあ、僕と一緒に、旅立つための準備をしましょう。
僕の手を取って、怖がらないでついてきてください。

そんなふうに横で瞑想をしていると、
その方はいつの間にか落ち着いてきて、寝息が大きくなって、
 
苦しそうに息をしていたのが、
スヤスヤと安らかになって、
 
ひたいのシワが無くなって、
幸せそうな寝顔になっていった。
 
そばにいた家族のみんなも幸せそうになって
彼女と深い繋がりを感じたようだった。

「死ぬ時は、家族に看取られて家で死にたい」

膵臓癌を患って余命いくばかりも無いと言われて、それでもその後2年という間を生き延びた彼女は、その日に病院から家へ帰ってきた。
かかりつけの二人のお医者さんが、「もう今夜には亡くなるだろう」と言っていた。
そしてその後に僕が訪れた。

安らかに眠っている彼女の姿を見て、
「もう大丈夫。数日間は生きていますから、その間にお別れの言葉を伝えてあげてください」と言って、その家を後にした。

それから彼女は驚いたことに1週間ほど生きていた。

「家族のみんなが普段どうりの生活をしていて、家に帰って一番最初に寝ている母に話して報告していたんです。
何かあるたびに母に話しかけていました。
母は、昏睡状態で言葉を話す事は出来なかったけど、本当にこころは繋がっていたと感じました」と、娘さんは言ってくれた。

当たり前の事だけど、人は誰でも死んでいく。
普段の生活の中で、家族が仕事に行って、学校へ行って、何気無い生活の一場面の中で、家族の一人が、家を出て新しいアパートに引っ越しするように自然に旅立っていく。

今は、そんな自然な事が感じられない世の中になっていて、死ぬという事が生活から切り離されてしまっている。
そして生まれるという事も、生活から離れていて、健康で元気で仕事をする状態が当たり前だと思わさせられている。
一旦病気になったり、障害や妊娠で働けない状態になってしまうと、世の中の歯車の中から落ちこぼれてしまうように感じたりする。

生まれる前や死んだ後といった見えない世界というのは、本当は見させてもらえてない世界で、目の前にあるのに見ようとしてないだけなのかもしれない。

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幸せに死んでいくということ

「もう死んで良いんですよね」
「もう無理しなくて良いんですよ。あなたの頑張っている姿を見て、家族の皆んなはとても励まされましたよ。
もう大丈夫だから、あなたの都合が良い時にいつでも旅立ってください」
数日後に訪ねた時、彼女の体力は限界になっていて、苦しそうだった。

そして彼女は、その数日後に旅立った。死に顔はとても幸せそうだったと聞いた。

「死ぬ直前に、カッと目を開いたんです。
そしてその時の顔が、今まで見た事もない女子高生みたいで幸せそうだったんです」
娘さんは、人は幸せに死ねるんだと、そして見えない世界を信じられるようになったと言ってくれた。

それから、死が生活の一部として感じられた彼女の家族は、何かあるたびに仏壇に手を合わせて彼女に報告するようになった。

「生きていた時より話をして報告するようになりました。母はもう死んで身体はないんだけど、今でも彼女を身近に感じるんです。たましいで繋がっていると感じます」と、幸せそうに話をしてくれた。

そんなふうに、亡くなっていく全ての人たちが、こころの重荷を手放して、幸せに旅立っていければと思う。
愛する人が死んでも、残された人たちはお互いにたましいで繋がって、幸せになれるんだと伝えたい。


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