【「アレ貸して」で伝わる世界】生理用品を高校のトイレで配ったら、女子高生の目が輝いた
女性同士なら、生理の悩み、わかるでしょう?
いいえ、そうでもありません。
私は学生時代、生理がものすごく軽くて、症状が重い人の気持ちをあまり想像できませんでした。
体調が悪くて動けない?
つらくて学校を休む?
え・・・生理って、そこまでじゃないよね・・・。
なんにもわかっていなかったんですね。私が生理の本当のつらさを知ったのは、社会人になって、体調が変わってから、でした。
私は、ようやく他者のつらさを自分ごととして考えられるようになりました。もし体験していなくても「そうだね。つらいよね」と寄り添える人になりたいと思いました。
あのときの気付きが、今の私をつくっています。
若い女性たちの支援に取り組む原動力となっています。
今、そんなふうに思えてならないのです。
私は「生理の貧困問題」の解決や「ジェンダー平等」に取り組む、静岡県浜松市役所の職員です。
シャープさんが独自開発した「生理用ナプキンIoTディスペンサー」を用いて、使用期限までに活用されない可能性がある防災備蓄品の生理用ナプキンを無料で配布する実証実験を行っています。
この取り組みに至るまでの背景や、取り組みの中での出来事を、この場をお借りして書いてみたいと思います。
私が市役所で働き始めて、どれぐらいたった頃でしょうか。前からあった子宮筋腫の症状が重くなり、あんなに軽かったのがウソのように生理がつらく、悩まされるようになりました。
子宮筋腫は良性の腫瘍で、30代頃から増え、40代の女性では4人に1人に見つかる疾患といわれています。症状がない人も半数以上いるそうですが、あいにく私は違いました。
多量の出血で貧血になったときは、階段を上がることさえできず、エレベーターを使うしかありません。
男性職員の中に女性1人の会議では、1時間、2時間と長引いても、「トイレに行きたい」と言い出しにくく、服を汚してしまったこともあります。
生理休暇を申請するようになってからは、「あの人、生理なんだ」と周りに知られるのが、恥ずかしいというより、なんか“イヤ”だなぁと思っていました。
女性職員の中には「生理がひどくて2回倒れたことがあります」という人もいました。
生理の症状は、こんなにも個人差があったんですね・・・。私は、軽い人から重い人になったことで、視界がほんのすこし広がりました。
22年間ブレない浜松市の歩み
今から22年前の2002年、浜松市は「浜松市男女共同参画推進条例」を公布しました。
簡単にまとめると「みんなが性別に関係なく、平等に、自由に生きることをめざしましょう。家庭でも、学校や職場や地域でも、ね?」と言っています。
「すべての人がそれぞれの性を理解することも大切です」。ほんと、そのとおり。同性であっても、私は生理という女性特有の健康問題を、ちゃんと理解していませんでした。
そのためにも「浜松市は、計画を作り、実行します」。宣言したからには、やらねばなりません!
その後、市はさまざまな取り組みを積み重ね、私は市民部 UD・男女共同参画課の管理職になりました。
課名の「UD」はユニバーサルデザインの略で、誰もが暮らしやすいまちや社会をつくろうね、という決意の表明。男女共同参画条例と目指すところは同じです。
3年前の2021年には「はままつの『生理』を学ぶプロジェクト」がスタートしました。
この頃、世界や日本では、コロナ禍による収入減などで生理用品が購入できない「生理の貧困」が問題になっていました。
多くの自治体が防災用に備蓄していたナプキンを無償配布しましたが、私たちは、まず実態を知ろうと考え、市民にアンケート調査を実施。すると、経済面以外の問題も見えてきたのです。
職場等では、生理についての知識や理解が不十分なこと。
外出先で急な生理のトラブルに見舞われた経験のある女性が、予想以上に多かったこと。
そんな市民の声を知り、私たちはすこしずつ変わり始めました。
2年前の2022年には、庁内横断の「ミモザ・プロジェクト」を立ち上げました。
市民に発信するために、まずは市役所の中から!と考えたのです。
メンバーの女性職員22人は年齢も部署もバラバラで、生理に対してもプロジェクトに対しても温度感がバラバラでした。「このプロジェクト、本当に必要なのかな?」と疑問に思う人もいれば、「生理が重いのでいろいろ知りたい!」とモチベーション高めの人もいました。
それでも、チームをつくり、女性がどんなことで困っているのかをプレゼンで発表し、関係課が回答するかたちで意見交換を重ねるうちに、市としての土台ができてきたように思います。
こんなふうにして、庁内の意識もすこしずつ変わり始めました。
シャープじゃなきゃ始まらなかった
2023年からは、シャープさんと「防災備蓄品を有効活用した生理用ナプキンIoTディスペンサー設置実証実験」を始めました。
目的は2つ。
課題はあれこれ。
ところが、職員みんなでどれだけ探しても、条件をクリアする既製品は、当時、世の中にはありませんでした。
でも、管理職の私があきらめたら、ここで終わってしまう・・・。せめてもう一度と調べたら、シャープさんが開発中の家庭用「生理用品IoT収納ケース」を発見!
この出会いが、後の実証実験へつながりました。
他の自治体さんからは、こんな質問をよく受けます。
「どうやってシャープとつながったの?」
電話です。ドキドキしながら電話しました。コネもなく、飛び込み営業的な、正面突破でいきました。
先日、改めてシャープさんに、なぜ引き受けてくれたのかお聞きしました。
「私たちシャープが開発していた『生理用品IoT収納ケース』は家庭向けのプロダクトで、法人・公共団体向けにつくる予定はありませんでした。他社さんで素晴らしい製品もありましたので、私たちは、そこはソッとしておこうと。笑
しかしお話を聞くと、公共施設には強いニーズがあり、浜松市さんは『誰にでも提供したい!』という熱量をお持ちでした。その想いに感銘を受け、『これはやるべきだ』と一気に社内の方向性が変わったんです。
ですから『生理用ナプキンIoTディスペンサー』の生みの親は、浜松市さんです!」
私たちの気迫?がシャープさんの心を動かしたようです。あの時、あきらめないでよかったなぁと思います。
おかげさまで、実証実験ではさまざまな施設にディスペンサーを設置することができました。
現在は、あいホールから移設したディスペンサーを
・浜松こども館
に置いています。
ディスペンサーは、女性用トイレの個室に設置。
狭いトイレを除いて、1つの個室に昼用ナプキンと夜用ナプキンのディスペンサーを2台並べています。
男性職員から「公共施設や学校は、夜は閉まっているのに、なぜ夜用も入れるの?」と質問がありました。経血量が多い人は、サイズが大きな夜用が必要になるからです。防災備蓄品として夜用も準備していますので、その活用も兼ねています。
ナプキンの補充は女性職員で分担。近くの浜松市立高校へ補充品を運ぶ役目は、同校の卒業生でもある女性職員たちが担当しました。「大好きな母校なので、行くのが、ちょっとうれしいんです」と、段ボールを乗せた台車をゴロゴロ押して届けていました。
課のみんなが性別に関係なく、お互いの性を理解して助け合う様子は、ちょっとうれしい光景です。
実証実験の詳しいいきさつは、シャープ視点で書かれたnoteをご覧ください。
実証実験中の残念なこと
残念なこともありました。
ナプキンは、1枚取り出してその場で使ってもらう想定だったんですが、扉の隙間から数枚を一気に取り出して持ち去る人がいたのです。
生理用品が本当に必要な時に、必要としている人に届いてほしい。
そんな願いをこめた取り組みです。
これからの未来を担う若い女性のために、
生理用品をトイレットペーパーと同じように使える環境をつくりたい。
そんな想いで始めた取り組みです。
嘆いていても状況は変わりません。
壁には「1枚ずつの取り出し」をお願いする案内を貼ったり、運用上の工夫を試行錯誤しました。
シャープさんからも対策をご提案いただきました。
会社のラボで、若い男性技術者が、何枚取り出せるかチャレンジしてくれたそうです。その結果、ナプキンは真ん中が分厚いけれど、端っこは薄いので、そこを狙ったらイケると判明。
対策として、真ん中だけ指が入るアダプターを開発し、取り出し口に追加で付けてくれました。
こんなふうに、いつも、ちょっとした問題でも真正面から取り組んでくださる様子が伺えて、「シャープさんって熱いよね」と課のみんなで感心しています。
アダプターは、設置して1〜2週間で効果があるとわかり、今はほとんどのディスペンサーに取り付けています。
しかも、まだ改善を続け、形が変わる予定だとか。楽しみです!
半年間で約17,000枚のナプキン
実証実験は、2023年10月1日から2024年3月31日までの半年間でひと区切り。その後も継続していますが、この半年間に4施設で利用された合計枚数は・・・
17,468枚でした!
そのうち昼用は14,136枚、夜用は3,332枚です。
正直、想像以上の数でした。
防災備蓄品から配布に回す生理用ナプキンは、毎年約70,000枚あります。
余裕しゃくしゃくに見えますが、学校の保健室などにも提供しているので、ディスペンサーの分が足りなくなるかもしれません。もちろん、足りなくなったら終わりではなく、調整しながら続けていく予定です。
◆アンケートの声
市民の声を聞くインターネットアンケートも行いました。否定的なご意見もあると覚悟していましたが・・・肯定的なご意見がほとんどで、課のみんなでアンケートのコメントを何度も読み返しました!
◆喜び奮い立つ市役所職員
市役所の職員からも、さまざまな意見が寄せられました。
利用者でもある女性職員は、「防災備蓄品を有効活用して、なおかつ、これまであまり取り組んでこなかった生理に目をつけてくれたところが、すごくありがたい」と言ってくれました。
UD・男女共同参画課の男性職員は、肯定的な意見を喜びながらも、「まだディスペンサーの存在を知らない男性が結構多いと思うんです。これから周知が進めば、反対意見が出るかもしれません。100人いたら、100人が賛成する事業はありませんから。それでも進めていかなくては」と言います。
もし反対する人が出てきても、事業の必要性を根気強く伝えていければ、と思っています。
なぜ、私たちがそう思えるのか。
それは、実証実験をしたことで「必要とする人が、こんなにもいるんだ」と、ニーズが目に見えたからです。その事実が「もっと!もっと!」と私たちを焚きつけ、前へ前へと駆り立ててくれるからです。
高校の女子トイレにディスペンサーを置く
浜松市立高校にディスペンサーを設置したのは、ちょっとしたご縁がきっかけです。
浜松市立高校の放送部は、2023年、生理のつらさを男子高校生の視点から描いた映像作品「生理は、僕にはないけれど」を制作しました。
その頃、浜松市でディスペンサーの事業をすることを記者発表したので、そのニュースを見てくれたのでしょうか。作品をつくるために、私たち市民部 UD・男女共同参画課に「インタビューしたい」と声をかけてくれたのです。
主演の男子高校生Tさんから「ディスペンサーがどういうものか、映像の中で紹介したい」と言われたとき、私は心の中でガッツポーズをしていました。
待っていました!
ついに高校生にも理解の輪が広がりました!
完成した作品は、2023年度「第70回NHK杯全国高校放送コンテスト」テレビドキュメント部門で、456作品中の上位10作品に選ばれ、「優良」を受賞しました!
また、実証実験のすこし前に行った市の座談会に、放送部の皆さんをお招きし、私たちとシャープさんと輪になって意見を交わしました。
そこで初めてディスペンサーの実物を見た女子高校生たちの目ときたら!
キラキラに輝いていました!
「これを置いてくれるんですか!?」
「ただの箱じゃなくて、ハイテクだー!」
「昼用と夜用、両方ある!」
こんなにも喜んでくれるほど、学校生活を送る10代にとって生理は大きな問題で、生理用ナプキンがトイレに行けばいつでも手に入る環境が待ち望まれていたと知りました。
一人の女子高校生は「私、生理が軽くて、生理がきても全然気付かないんです。トイレに行って初めて『ヤバ!』ってなる。だからディスペンサーが設置されることがすごくありがたい」と言ってくれました。
生理は、症状が重い人に目がいきがちですが、軽い人にも違う悩みがあります。ましてや思春期は生理の周期が不安定。トイレにディスペンサーがあることが、安心材料の一つになるんですね。
男子高校生Tさんは「生理の知識が増え、身近な問題として捉えることができるようになりました」と話してくれました。
生理に対して真っすぐに取り組み、そこで得た気付きを語るTさんを見ていると、女性・男性に関わらず、知識をつけることが大事なんだと、私たちも、もう一度、気付かされました。
◆そして学生時代を思い出す
高校生と話すうちに、私や女性職員たちは、自分が学生時代、生理とどんなふうに付き合ってきたかを思い出しました。
トイレに行くときは、生理用品の入ったポーチをハンカチで隠して、制服のポケットに入れてたなぁ。量が多いときは、何度も交換しなくちゃいけないから、生理用品をポーチにいっぱい入れて、休み時間のたびにトイレに行って・・・。それでも、生理用品が足りなくなっちゃったときは「アレ貸して」と友達にジェスチャーすれば伝わったり・・・、そうやって悩む仲間はたくさんいたんですね。
生理で水泳を休むときは、体育教官室に言いに行かなくちゃいけなくて、ちょっとイヤだったな。生理で学校や授業を長く休むと、補講やレポートになり、それもイヤでした。
最近では、文科省が2025年度の大学入試前に「生理痛での欠席日数があっても不利益にならないように配慮しましょう」と大学に通知を出しました。時代は着実に進んでいるんですね。
テスト勉強をしているときや試験当日に、生理痛があると最悪でした。今は、高校入試や大学入試の日と生理痛が重なったら、追試を受けられる措置もあるようです。
私たちが高校生だった昔と今を比べると、良くなったことも、あいかわらずのこともあります。その「あいかわらず」をすこしでも前に進めたい。
浜松市立高校に、実証実験へのご協力をお願いしに行ったときも、私の中には、そんな想いが渦巻いていました。
プレゼンの相手は、校長先生、男性です。
校長先生!ご存じだと思いますが
若い人は生理周期が不安定で、急に生理用品が必要になることが多いんです。
ディスペンサーを学校に置けば、男子学生の意識が高まることも期待できます。
最終的にはジェンダー平等の学びにつながると考えています!
校長先生は「置きましょう」と快く引き受けてくださいました。
後日、放送部の高校生たちから聞いた話ですが、学校で実証実験をすると説明を受けたとき、女子のみんなが「うそでしょ?夢みたい!」と喜んでくれたそうです。
高校の実証実験では、女子トイレの6個室に、それぞれ昼夜用2台のディスペンサーを置きました。
半年間の利用枚数は3,025枚。
土日祝日や冬休みを除く平日が約110日だとすると、1日・1個室で約4.5枚。
限られた個室数、限られた休み時間で、毎日これだけの生理用ナプキンが必要とされたことがわかりました。
他にも、わかったことがあります。
ロック時間が長すぎた!
ナプキンを取り出して扉が閉まった後、少しの時間、ロックを扉にかけて複数枚の持ち出しをさりげなく制限する設定にしていたのですが、高校の場合、そのロック時間は長すぎました。
休み時間になると、トイレには列をなして女子が並び、入れ代わり立ち代わり個室に次々と入っていきます。前の人がナプキンを取ると、扉が再び開くまでの時間が長く、次に入った人が使うことをあきらめてしまうのです。
この問題はシャープさんと相談し、高校は制限時間なしにアップデート。設置場所に合わせて設定を変更するようにしました。
高校生のアンケートから見えた希望の光
高校の学校保健委員会では独自にアンケートも取ってくれました。
全校生徒1,099人のうち、回答者は
男子 427人
女子 602人
回収率は93%以上。素晴らしいです。
その中から、私たちが注目したところを挙げてみます。
上記3つのアンケートで目を見張ったのは、男子の「そう思う」数字が女子を上回っている点でした。
女子が「つらいんだよ」と言わなくても、デリケートな話をしたくなくても、男子が「理解したい」と思ってくれていたら、それはハッピーな結果です。
浜松市立高校は、放送部の男子高校生Tさん主演の受賞経験もあるので、生理についての男子の関心が高いのかもしれません。
次に、この取り組みを通じた変化を聞いてみました。
結果は・・・「とても変化があった」「やや変化があった」が約半数!
本当にありがとう。この取り組みが、少しでも生理に対する気付きにつながっているとうれしいです。
他の自治体さんからの反響
励みになる反響もありました。
実証実験のリリース後、浜松市とシャープさんのもとには、北は北海道から南は沖縄県まで日本全国から問い合わせが寄せられました。
防災備蓄品を配布したい自治体や男女共同参画センター。福利厚生を手厚くしたい企業。入学者を増やしたい大学。静岡県外から市議会の視察も来られました。
静岡県の男女共同参画研修では、出席した男性職員が周りから質問攻めにあいました。
「うちも防災備蓄品の使い道に悩んでいて、学校だけでは消化しきれず困っているんです!」「シャープとどんな形で協働しているんですか?」
他の市町からの関心は非常に高く、職員は「担当部署の一人として、こんなにうれしいことはなかった」と振り返ります。
浜松市は、これまでさまざまな施策を打ってきましたが、実証実験についての反響は圧倒的なものでした。
実証実験は、シャープさんの助けを借りて実現した浜松市独自の取り組みですが、浜松市だけでなく、日本の社会全体に広げていきたい取り組みです。
浜松市の情報が、私たちの想いが、誰かに「届いている」。それはなによりの喜びでした。
道のりは長くても、志を同じくする仲間は確実に増えています!
若年女性に選んでもらえる"まち"に
管理職の私としては、浜松市民のために施策を打ち続けることも重要です。
浜松市は、静岡県で最も人口が多いまちですが、人は減り続け、若い女性が都心へ流出する問題をかかえています。
生理用ナプキンIoTディスペンサーは、未来を担う女性を応援する施策です。
浜松市の女性が、生理ナプキンがなくて困ったとき、「公共施設のトイレに行けば、ある」と当たり前に思える環境をつくれたら、これほどすてきな未来はありません。
もちろん困っている男性にもサポートを届けたい。
そんなジェンダー平等を目指す浜松市を、若い人たちが好きになってくれたら、「市に残って働きたい」「住み続けたい」と思う人もきっと増えるはずです。
学生向けの就職合同説明会に、女性職員がディスペンサーを持っていき、「UD・男女共同参画課では、こういうモノをつくって、ジェンダー平等に取り組んでいます」とお話ししたことがありました。
説明し終えた職員のもとに、一人の女子大学生が近づき、「私も浜松市立高校の出身です。素晴らしい取り組みですよね!私がいたときもディスペンサーがほしかったです」と絶賛してくれたそうです。学生からすると、いきいきと話す女性職員も、キラキラ輝いて見えたのでしょう。
庁内の人事説明会でも、UD・男女共同参画課に興味を示してくれる若い職員が続出。男性からも女性からも「実は、この課に行きたいんです」という声が聞こえるようになりました。
学生や職員など、未来を担う若者に「私たちの取り組みが響いているんだ」とうれしくなります。
社会に出ると、見えないガラスの壁や天井にぶつかるかもしれません。実際、女性の管理職は、男性に比べて少ないのが現状です。私自身も若い頃は同性の生理に対して偏った見方をしていたぐらいですから、今は自分がバイアスに遭遇してモヤモヤッとすることが時々あります。
だからこそ、特に若い女性たちには、性別に関係なく平等に、自由に生きてほしいのです。
そんな社会をつくって、若い人たちに渡してあげたいのです。
私は
一人の女性として
一人の行政職員として
そして浜松市の一市民として
私の仲間や
市民の皆さん、
若い人たちと手をつないで
この浜松市から
日本に向けて、未来に向けて
楽しくて
時にはくやしくて
それでもやっぱり面白い種をまき、花を育て、
ふわふわとした綿毛が遠くまで飛んでいくように、
みんなが生きやすい社会を広げていきたいと思うのです。
私には、生まれたばかりの孫がいます。女の子です。周りの友人より早くおばあちゃんになっちゃったけれど、この子がとても愛おしい。
彼女が成長したとき、彼女が生きやすい社会であってほしい。
その頃には、生理用品が、トイレットペーパーと同じように、当たり前にトイレに置かれている世の中になっていてほしい。
孫が大きくなるまでに間に合うでしょうか。
急げ、急げ。
もうすぐ寝返りしそうな彼女に、私も負けてはいられません。
ディスペンサー導入のご検討や、プロジェクトにご興味を持たれた方は、
ぜひお気軽にシャープ株式会社までお問い合わせください
・SHARP Blog
浜松市立高校の放送部員と浜松市職員、シャープ社員の3者による生理に関する座談会の様子も掲載しています。
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