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プロジェクトメンバー インタビュー 【UXデザイナー 横山奈央さん】

みなさん、こんにちは。「石神井いとなみの起点」プロジェクトの竹内(デジタル・アド・サービス)です。

石神井いとなみの起点プロジェクトは、2026年春、東京・石神井に新しく生まれる福祉の拠点(設置主体:社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会)をベースに、東京・都市部の抱える課題の多様性と絶対量に向き合いながら「基本となる福祉事業」と「みらい創造型拠点事業」そして、その2つの融合で、誰もがあたりまえのいとなみを続けていくことのできる地域づくりのモデルとなっていくことを目指すプロジェクトです。

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#01:はじめまして「石神井いとなみの起点プロジェクト」です!

プロジェクトメンバーによるフィールドワークやワークショップを経て生まれた、プロジェクトのコンセプトであり、プロジェクトの名前でもある「石神井いとなみの起点」。

#09は、プロジェクトのロゴデザインを手がけた横山奈央さん(デジタル・アド・サービス)へのインタビューをお届けします!ロゴデザインに込めた思いやポイント、デザイナーとして福祉の領域のお仕事に関わるなかで感じていることなどを聞きました。

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横山奈央さん(UXデザイナー/デジタル・アド・サービス)

1. プロジェクトの道のりをたどって思いをくみ取る

竹内:今回は「石神井いとなみの起点プロジェクト」のロゴデザインを手がけた横山さんにお話しをうかがいます。はじめに、横山さんのふだんのお仕事について教えてください。

横山:デジタル・アド・サービスの横山奈央です。肩書はUXデザイナー。ユーザー・エクスペリエンス(User Experience)と書いてUXデザイナーです。主にWEBなどのサービスにユーザーが触れる際の体験を考えて設計・デザインをするということをしています。最近は、オンラインでのワークショップも提供しているので、皆さんが使いやすいオンライン上のツールデザインなども行っています。あとは、もともとグラフィックデザインをしていたこともあり、ロゴももちろんですけど、ポスターなどの紙物のデザインをしたりと、結構幅広くデザインすることが多いです。

竹内:ふだん一緒にお仕事をするなかでも、横山さんは使い手、相手の目線というところをすごく大事にされているなと感じます。

横山:そうですね。そこは大事にしていて、デザインすることも好きなんですけど、人が喜ぶのがいちばんうれしいなって思います。私はその手段としてデザインの力を借りているので、誰かの力になれたらいいなと思いながらデザインをしています。

竹内:石神井いとなみの起点プロジェクトは、昨年(2022年)の8月にスタートしていて、横山さんに入ってもらったのは今年(2023年)の夏くらい。プロジェクトに途中から加わってロゴのデザインをするとなったときに、どんな準備をされていたのかを教えてもらえますか?

横山:「石神井いとなみの起点プロジェクト」という名前に込められた願いとか思いっていうのがきっとあるはずだと思って。私自身が、いかにそれをちゃんと一つひとつ拾い上げて、くみ取れるかっていうのが、いちばん大事だと考えました。

miro(オンラインホワイトボード)にプロジェクトの活動の記録が残されていますので、そこにあるワークショップのレポートから、参加者一人ひとりのワークシートを見たり、コメントを読んだりして、これまでのプロセスを自分なりにしっかりたどって、プロジェクトの名前の背景や込められた思いを少しずつ知っていきました。

石神井いとなみの起点プロジェクトでは
プロジェクトの記録をオンラインホワイトボード「miro」で共有。
メンバーがいつでもプロジェクトをふり返ったり
プロセスをたどったりすることができるようにしています。

横山:意識の面では、途中からの参加でもあっても、ロゴをデザインするという関わり方をきっかけにプロジェクトメンバーの一人になると思ったので、こうなると良いなとか、自分自身も未来への期待感とかも持ちながら入っていきました。

竹内:うれしいです。プロジェクトには、これからもいろいろな人が加わってくれるといいなと思っているんですれど、どうしても参加する時期とかはさまざまになりますが、それでも皆、自分もプロジェクトメンバーだって思えて、その人なりの期待とか願いとかを乗っけられるといいなと思います。

2. 起点がこんなふうになるといいなという願いを込めて

竹内:ロゴデザインのテーマとかポイント、横山さんがこだわったところなどを聞いていきたいと思います。

横山:テーマですが、石神井という街でいろいろな人が「いとなむ」様子とか、「起点」という場であるということを抽象的なイラストにし、ロゴとして表現しました。

イラストについて少しずつ説明をしますと。まず、石神井の「石」のなかには、皆が輝ける場だよっていうのを表現しようと思ってスポットライトみたいなかたちのイラストを入れました。あと、石神井の「井」のところ。右上、左下にちょっと矢印っぽいのがあるんですけど、この起点という場に、いろいろな方向、方面から多様な人々が集まってくる様子、また、そうなるといいなという願いを込めています。

竹内:起点の「起」のところにもかわいらしいモチーフが入っていますね。

横山:これは、手と手を取りあう様子で、受け入れる、受け入れられる、多様性といったことを表現しようと思いました。それから、起点の「点」のところ。ここには、街でのいとなみのなかで起こる対話とか交流といったことを吹き出しのモチーフで象徴しています。といった感じで、石神井の起点ってこんな場所だよ、こういうふうになるといいなっていうことを詰め込んで、ロゴの世界観をつくり込んでいきました。

ロゴに組み込まれているイラスト

竹内:文字も一つひとつデザインしているんですよね?

横山:そうですね。少しクセのある文字ですが、イラストとの組み合わせも考えつつ、丸みを帯びた形状にしたりと、一つひとつ作字しています。カラーリングといった点では、多様性とかいろいろな人が訪れるっていうキーワードもあったので、芯のある紺色をベースに、温かみのあるピンクとか水色を使っています。

竹内:ロゴというと、いわゆるシンボルのマークみたいなのがあって、それに文字を組み合わせたものも多いですよね。今回のこのロゴは、文字自体がロゴになっていて面白いなと思うのですが、そういうふうにしてみようと思った意図とかはありましたか?

横山:提案したなかには、ロゴマークとロゴタイプ(文字)がくっついたいわゆるザ・ロゴみたいのものもあって、それも良いなと思いつつ、こういったかたちでロゴタイプとモチーフとかが組み合わさるものが、一般的なロゴとはまたちょっと違う見え方になって、このプロジェクトのもつワクワク感や型にはまらないような感じに合うかなと思ってデザインしました。

竹内:ロゴ的にもプチチャレンジがあったのですね。こちらのロゴをプロジェクトメンバーに提案したときのお話しなんですけど「モチーフの表現に魅力を感じる」とか「起点の地となる石神井の魅力が感じられる」といった感想がありました。そして、複数ご提案するなかで、最終的にこれってなったポイントとして「いろいろなメンバーによるプロジェクトの積み重ねが表現できるものだと感じられる」ということでした。

横山:それを聞いて、いちばんはシンプルに何よりもうれしいなと思いました。プロジェクトメンバーの皆さんがこれまで歩んできた道のり、背景をくみ取って表現したいと思っていたので、そうした感想はうれしく、ほっとしましたね。

竹内:ロゴができてから、このnoteをはじめ、すでにデザインの展開がはじまっていますね。

横山:そうですね。デザインをしている時点で、イラストを入れたりしていたので、それを使ったパターンみたいなものもつくれるなとか、いろいろな展開も見据えられるロゴなのかなっていうのは、つくりながら楽しみだなと思っていたところだったんです。今後もいろいろなところで表現をして、プロジェクトの世界観みたいなものをつくっていければと思います。

noteの記事のカテゴリーに応じてカバー画像のデザインを展開

3. デザインを通じて、誰かに気づいてもらう第一歩になれる

竹内:ちょっと話題が変わるのですが、横山さんは、この石神井いとなみの起点プロジェクトだけでなく「こまった課?」でも、継続的に一緒に活動しています。こうした福祉に関するお仕事に携わって、活動をするなかで、デザインとかデザイナーが、福祉の領域、多様な人たちが暮らしやすい社会づくりとかに、こんなふうに関われる、できるといいなと感じていることがあれば教えてください。

▶︎ こまった課? とは?

発達障害などの「目に見えない障がいを“ちょっと知ってる”状態にすること」をめざして、 社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会とデジタル・アド・サービスを中心とした共同チームで企画・開発・制作した、障害を楽しく知るカードゲームです。

横山:こまった課?の活動では、一般の学生さんや福祉系の大学の学生さんに研修プログラムの提供をする機会があります。直接、研修に立ち会って、学生さんと接して「すごく良かったです」とか「興味を持ちましたとか」といったことを耳にすることも多く、この領域に興味とか関心を持ってくれる方がすごく多いなっていうのを肌で実感しています。

▶︎ こまった課?を活用した研修の様子をご紹介しています!

横山:それまでは結構、福祉の領域は、私はデザイナーだからちょっと専門外かなっていうふうに思ってしまうこともあったんですけど、こまった課?の活動とか、今回のようなロゴデザインを通じて、誰かに気づいてもらう、知ってもらうきっかけ、第一歩になれるのかなと。そういう可能性があるなっていうのを感じてきたので、力になれるようなデザインを提供して、東京都手をつなぐ育成会さんをはじめ、福祉の領域にもデザインで貢献できることは、私にとってもすごく本望です。

竹内:石神井いとなみの起点プロジェクトのロゴも、こまった課?の研修プログラムも、その対象とどういう出会い方ができるのか、良い出会いをつくれるというのは、すごくデザインの力が働くところなのかなと思います。

石神井いとなみの起点プロジェクトのカードも名刺入れから出して、お見せすると「おっなになに!」「かわいい!」ってすぐに反応をして興味を持ってもらえて、そこからのコミュニケーションもはじめやすいですね。名刺サイズの小さな世界ですけど、そこでも良い出会いがつくれているというのを感じています。

横山:うれしいですね。わぁ!みたいな反応とか、興味持ってくれてるなというのを見て、感じられるのはとてもうれしい瞬間です。

4. いろいろな人がポジティブに関わり続けられることがプロジェクトの原動力になる

竹内:これからについてですが、この石神井いとなみの起点プロジェクトで、こんなことができたらいいなと思っていることはありますか?

横山:まず一つは、拠点ができるのは少し先にはなりますが、石神井の街を訪れて、そこでのいとなみの様子、暮らしの様子を自分の目で見たいなと思います。(横山さんは、都外在住でフルリモートでお仕事をしています)あとは、プロジェクトの世界観をつくる、広めるということでは力になれると思うのでそういうこともしていきたいですね。

竹内:今は、プロジェクトのことを伝えるのは、主にこのnote、ウェブ上でやっているんですけれども、何かリアルなつながりとか、関係性をつくれるようなことも考えていきたいです。

あとは、いま私たちが前向きに、期待感を持ちながらプロジェクトに参画できているように、福祉の領域は遠いかな、フィールドが違うかなと思っている人が、面白そうかな、関わってみたいかなとかって思える、踏み出せるような出会いや機会をつくっていけるといいなと思っています。

横山:体験のデザインですね、私の好きな領域です。私自身、プロジェクトに参画したときから、ロゴをつくったあとの今も、すごくポジティブな気持ちが続いています。

竹内:それはうれしいです。プロジェクトに関わってる人の気持ちがポジティブなのが持続してるって本当に大事なことだなと思います。

横山:とても良い取り組みだと思うものに、私もメンバーの一員として関われること、力になれるのかなと感じられることが、ワクワク感、楽しみにつながっています。いろいろな人たちが、ポジティブに関わり続けられることがプロジェクトが続いていく原動力になると思います。

✍️ 次の記事では、未来のシーンを絵と言葉で表現したシリーズ「2050年 東京のいとなみ」をお伝えする予定です!*****************************************************************************
🌱 このnoteでは、こんなコンテンツを展開していきます!
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・VISION:中⻑期の視点でのプロジェクトの考えや思いを伝える
・TEAM:インタビューや対談で、プロジェクトの⼈を伝える
・ACTION:プロジェクトでのリアルな活動を伝える
・FIELD:⽯神井のまちとそのいとなみを紹介する
・LAB. :学術機関や企業との共同研究からの学びをシェアする
・STORY:ここで生まれるいとなみを想像し、言葉や絵で表現する
・MEETING:プロジェクトを通じて出会い、つどい、つながる
・PICK UP:思考や対話の起点となる視点を共有する

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