#325 出雲大社ってどんなところ?
近年では「縁結び」や「結婚式場」として知られている出雲大社。
令和3年度はコロナ禍にもかかわらず年間500万人が訪れたという。
そもそも出雲大社とは、どのような神社なのだろうか。
出雲大社は、「いづもたいしゃ」と読むことが多いが、正式名称は「いづもおおやしろ」である。
出雲大社に祀られているのは、大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)。
古事記によると、大国主大神は、出雲に大国をつくった。
その国は葦原中国(あしはらのなかつくに)とよばれ、葦が生い茂り、稲穂が実る豊かな国だったされている。
実際に、内海が広がっていた出雲には良港が多く、海路を通じた交易によって発展していったと考えられている。
そんな出雲に大社がつくられるきっかけになったのが、神話で伝えられている「国譲り」である。
地上世界で豊かな国をつくっていた大国主大神に対し、天上界の天照大御神(アマテラスオオミカミ)が地上世界を譲るように命じる。
それぞれの側の神が力比べをして天照大御神側が勝利。
地上世界は天照大御神に譲渡されることになる。
国主大神は、地上世界を天照大御神に譲渡す代わりに、目に見えない世界を司ることを任された。
目に見えない世界の「結び」の力で人々を幸福に導くと言うのが「縁結び」の由来である。
さらに、国譲りの際に、大国主大神は「千木が高天原まで届くような高い御殿を建ててほしい」と、自分の住む宮殿をつくるように求めた。
これが出雲大社の創建だと言われている。
当時の建物は残っていないが、発掘された大きな柱の跡などから、木造建築としては極めて異例の48mもの高さの本殿があったとされている。
これは、現代の地上18階建ての建物に相当する。
そんな出雲大社には、毎年旧暦の10月に全国の神様が集うと言われている。
理由については諸説あるが、全国の八百万の神が出雲大社に集まって地元を不在にするため、10月は「神無月」とされている。
逆に、出雲には神が集まるため、「神在月(かみありづき)」と呼ばれている。
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【参考】