#376 デトロイトはなぜ衰退したのか?
アメリカの自動車産業の中心都市デトロイトは2013年に財政破綻した。
都市を支えていた自動車産業の衰退が原因だ。
デトロイトは、アメリカを代表する自動車企業ゼネラルモーターズ(GM)が本社を構える自動車産業の中心地だ。
自動車産業衰退の原因は多岐にわたるが、主な原因は2つ。
①世界的な日本車の台頭
1970代頃から、品質の高い日本車の人気が世界的に高まった。
当時は円安の影響もあり、アメリカでは日本車が飛ぶように売れた。
いわゆる「日米貿易摩擦」である。
自動車産業の衰退によって職を失った労働者たちの怒りは日本車へと向かい、アメリカでは「日本車を壊す」という日本人にとってはセンセーショナルな抗議運動が起こった。
②工場の海外移転
アメリカの自動車産業衰退のもう一つの原因が、自動車工場の海外移転である。
主な移転先は、NAFTAに加盟して自由貿易が可能だったカナダとメキシコだ。
デトロイトからほど近い場所にカナダにトロントという大都市がある。
NAFTA結成当時の1990年代、アメリカとカナダの賃金格差は大きく、賃金が安く労働者が集まりやすいトロントへは多くの自動車工場が移転した。
近年では、カナダよりも賃金が安いメキシコへもアメリカの工業の進出が進んでおり、メキシコ北部の都市モンテレイはメキシコ最大の自動車工業都市となっている。
カナダとメキシコは自動車の輸出量が世界TOP10に入るなど、自動車産業のさかんな国となっている。
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【参考】
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