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僕たちは、もっと高く飛べるのかもしれない 既婚バイの覚え書き

10代の僕が夢見ていたこと、いわゆる「バケットリスト」の一部。
海外旅行に行くこと。
都心の高級マンションで、一人暮らしをすること。
好きな人と両想いになること。
働いて自分で稼いだお金を、誰にも文句言わせずに、趣味の読書や音楽に注ぎ込むこと。

これらの夢は、「ほぼ」全て叶えられたものの(一人暮らしはしましたが、都心の高級マンションに住んだことは一度もありません苦笑)、その中に、好きになった人と結婚することや、バイセクシャルである自分を認めること、ましてやそれを周囲にカミングアウトすること(←今ここ)は含まれていませんでした。
これを実現できたのは、当時の自分が予想もしていなかった、「嬉しい誤算」。

思えば、10年前、いや、5年前の自分を思い返してみても、現在の状況なんて1ミリも予測できていなかったでしょう。
もちろんその間、メンタル疾患を発症し、休職を余儀なくされるという、あまり「嬉しくない誤算」もあったのですが、奥さんや友人、家族に自分のセクシャリティを打ち明けることができるなんて、考えてもいなかった。
もしもタイムスリップして、当時の僕にそれを教えてあげても、きっと耳を貸すことすらしないはずです苦笑

noteを始めて3ヶ月が経過しましたが、その間の自分に起きた変化を思い返すと、驚きを覚えます。たった数ヶ月でこれだけ状況が一変するのだから、未来なんて本当に誰にも分からないもんだよなぁ、と。
また最近は、「言霊」って本当にあるのかもしれないと思うようになりました。何故なら、この場に書いたことがかなりの確率で現実になっているから。
投稿した記事が、期せずして「無意識のバケットリスト」になっているのです。

10代の頃の自分が考えもしなかった地点に、今僕は立っています。
その場所が望んだものかどうかは別にしても、夢見たこと以上のものが現実になっていることは確か。
そう考えると、僕たちはみんな、思っている以上に高く飛ぶことができるのかもしれません。無自覚な抑圧や、「どうせ自分なんて」という重たい「鎧」を脱ぎ捨てることさえできれば(自戒を込めて)、もっと自由に生きることができるのかも。

現在の僕が夢見ていること、よりレベルアップした「バケットリスト」の一部を挙げてみます。
完成したサグラダファミリアを見ること。
「LGBTQ+」の仲間を増やすこと(リアルでも、SNS上でも)。
セクシャリティをテーマにしたZINEを作ること。
そして、メンタル疾患に打ち克つこと。

このうちのどれか一つでも叶えられたら満足ですが、こうして書くことでなるべく多くを叶えたいという下心があることも確か笑
重要なのは、自分の直感を信じることと、チャンスとタイミングを逃さないよう、常にアンテナを張っておくことでしょうか。
そして、自分自身の気持ちに正直であること。

意志と偶然が重なったとき、人は思いも寄らないところまで跳躍することができるのかもしれない。
今の僕は、再び激しい抑うつの波に溺れそうになっていますが苦笑、以下に引用する文章のような奇跡的な瞬間が、これから先の人生により多く訪れることを、心から願っている次第です。

本能が彼に命令する、「飛べ!」と。その瞬間、自分が飛べることを知る。

『歌わないキビタキ 山庭の自然誌』梨木香歩、2023年、毎日新聞出版

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