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転職先選びと副業

転職活動をしていたとき、転職先を選ぶ際の条件として「副業OKであること」を非常に高い優先順位に置いていました。1つの企業だけで働くよりも、複数の環境下に自分を置いたほうが、広範な知見・スキル・複数の視座で仕事に取り組む経験の獲得、人脈の拡大など、多くの面で社会人としての成長に資すると考えていたためです。
結果として、競業など本業に悪影響を与える業務でない限り副業自由の企業に転職することができましたが、実際に副業をやってみて、上述した考えは間違いなく正しかったと確信しました。本業での立場とは全く異なるアプローチをしなければならない業務や、本業ではまず遭遇しないであろうフェーズの業務を受け持つことも多々あり、広く社会を知るという意味において副業は自分の見地を一つの職場でだけ働くよりもはるかに自分を成長させてくれています。「本業だけだったら多分一生身に付かなかっただろうな」と思えるような知識・ノウハウを身に付けるたび、自分が副業ができる職場にいられることを感謝してもしきれない気持ちになります。
今回は、「なぜ転職を制限する企業があるのか・なぜ副業を制限されなければならないのか」という目線から、転職先探しにおける「副業OK」という条件の重要性を考えていきたいと思います。
ちなみにアイキャッチ画像はまたしても友達に開いてもらった内定祝いの写真です。ウニと牛肉の超贅沢コンボです😂。内定祝いをするにあたって「何食べたい?」と聞かれたときには必ず「焼肉」と答えていたので、転職の情報解禁後は1ヶ月間で7〜8回くらい焼肉に連れて行ってもらいました😆

「一律に」副業を禁止する必要性とは

まず、自分は副業を「完全にOKにしろ」という立場では全くありません。先にも触れました、競業を始めとする本業に悪影響の出るような副業は絶対にしてはならないと思いますし、例えば直接的には本業に悪影響を及ぼさなくとも本業のノウハウが流出しかねない副業を禁止したり、使用者側で労基法の遵守(労働時間の管理や割増賃金の支払など)が困難になるために副業に就くことを制限する、といったような正当な理由のある副業の禁止はあって当然だと考えています。
自分が理解に苦しむのは、そのようなちゃんとした理由があるわけでもないのに一律に副業を禁止することです。
上の例でいうならば、労基法の遵守が難しくなるために雇用での副業は禁止、というのは使用者として当たり前でしょう。しかしそれなら、労基法がそもそも適用されない業務委託での副業は禁止される必要がありません。
労働者としてちゃんと本業に服することが難しくなる(雇われて働くことを全うできなくなるおそれがある)といった理由がないのにもかかわらず、ただ「副業は禁止」の一言で全てを済ませる、このような姿勢が正直納得し難いのです。
労働者の仕事以外の時間は労働者が自由に使えるのが大原則であり、それを制限するのであればそれに見合った正当な理由が必要なはずです。
使用者側からしてみれば、例えば「副業先に引き抜かれるかもしれない」というような懸念があるのは分かります。しかし、それは本来拘束する権利のない労働者の私的な時間を拘束する正当な理由として成立するものなのでしょうか。使用者は賃金を支払い労働者に対し業務を指揮命令し、労働者はそれに従って定められた時間、定められた範囲での業務を行う、これが労働であって、使用者は仕事以外の面で労働者を拘束する権利など持ってはおらず、労働者にも仕事以外の生活において使用者からの命令を受ける義務はない、というのが出発点なんです。
とはいえ、労働者に仕事以外の面で好き勝手やられて使用者側の評判や経営に傷が付くことは許されないため、業務に悪影響が出かねない行動は慎んでもらう、といったような修正がなされる必要はあります。仕事に悪影響が出るような行動を仕事以外でもしないということも仕事の一部であるがために、そのような修正が許されるのです。
そのような理由がないのになぜ労働者の私生活に使用者が口を出してくるのかが分かりません。休日にスポーツやってたらいきなり上司が出てきて、さしたる理由もないのに「うちはスポーツ禁止だから!」と言ってきたり、デート中に突然上司が「恋愛はやめろ!」と怒鳴ってきたりしたら(芸能事務所とかでちょくちょく聞く話ですが、それも仕事に悪影響が出かねない、という理由があってのものです)、まずそんな指示を聞く必要はないと思うでしょう。理由のない一律での副業禁止も、それと根本は一緒なのではないかといえるのです。
さらに突っ込んで言えば、そのような理由のない副業の一律禁止を掲げている企業は、労働者を独立した一人格として考えていないのではないか、という不安が自分にはありました(もちろん、副業を一律で禁止している企業が全部そうだと言うつもりは全くありません)。本業をちゃんとこせていないのに副業をやっているなどであればまだしも、仕事をしっかりこなした上で自分の時間に副業をしているような場合にまでなぜ文句を言われる筋合いがあるのか、どんな権利をもって労働条件に「全面的に副業禁止」という項目を入れられなければならないのか、なぜ理由もなく自分の社会人としての成長を阻まれなければならないのか。そういった点で副業一律禁止の企業の姿勢に承服しかねる気持ちが強かったことが、自分が「副業OK」を転職探しで非常に重視していた理由です。

折を見て、自分がどういう企業を目指して転職活動をしていたかをまた書いていこうと思います。

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