【イベントレポート】Sustainable Food NIGHT #16_20230411
こんにちは! Sustainable Food Asia株式会社(以下SFA)のインターンの富澤です。
2023年6月グランドオープンのSustainable Food Museum(以下:ミュージアム)内で2024年4月11日に開催された「Sustainable Food NIGHT#16サステナブルフードミュージアム トークイベント@虎ノ門」の開催レポートをお送りいたします!
ゲスト紹介: CULTA 野秋氏
今回は、株式会社CULTA(以下、CULTA)の代表、野秋 収平氏をゲストにお招きし、「日本の美味しい農業の未来を救う技術とは?」というテーマでのトークセッションと、CULTAで独自開発されたイチゴの試食会兼交流会が実施されました。
CULTAは、“「未来の適地適作」で、生産者と消費者を幸せにする”ことをミッションに、独自の高速育種(品種改良)技術を用いて、高品質で、高付加価値な農作物の開発・販売を行っているアグリテックスタートアップです。
日本発のグローバル農作物ブランドを生み出し世界中に展開することを目指しています。
イベントの概要
イベント参加者のバックグラウンド
毎回、様々なバックグランドをお持ちの方にご参加しただいております!(ハッシュタグ形式で、属性を記載してみました!)
トークセッション「日本の美味しい農業の未来を救う技術とは?」
農作物の需要と供給の現状
皆さんは、日本のイチゴやメロンが世界中で需要が高まっているということをご存知でしょうか?
CULTA 野秋氏は、農作物の需要と供給の差をもとに、自社の取り組みについてからトークセッションはスタートしました。
このように世界中で、日本の農作物の需要が高まっているのにも関わらず、気候変動により、今まで育ててきた地域では、同じように農作物を育てることができなくなってしまいます。
将来、「作りたいけど、作れない、食べたいけど、食べられない」という状況になってしまうかもしれません。
その需要と供給のギャップという課題を解決するための鍵となるのが、「品種改良」なのです。
品種改良することにより、気候変動にも対応し、今までの地域で同じように農作物を育てることができるようになります。
何がアグリテックなの? ~高速品種改良技術~
そんな品種改良ですが、従来はシャインマスカットができるまで30年、イチゴでは10年と、開発までにとても長い時間がかかってしまいます。
しかし、CULTAは高速品種改良技術に活用することにより、ゲノム編集・遺伝子組み換えを使わず、品種改良を5倍速で行なっています。
この5倍速の高速品種改良技術の背景にあるのが、AI予測と制御環境です。
1つ目のAI予測とは、組み合わせのパターンを従来は人の勘に頼って行われていたところを、AIを活用し、最適な組み合わせを行うことです。
ゲノム情報をデータ化し、AIが解析をすることにより、高確率な意思決定をすることができるようになります。
2つ目の制御環境とは、従来の農業は季節に影響されるため、種を植え、芽が出て育つまでの時間が必要となるため、1年に1度しか品種改良を試行することができませんでした。しかし、季節に依存しない制御環境下では、年に3回品種改良を試行することができ、短い時間で複数回試行することができるようになります。
ここでは上記のように簡単に、高速品種開発技術について説明をしましたが、もっと詳しく知りたい方は、SFA海野とCULTA野秋氏の対談ポッドキャストも配信予定なので、ぜひそちらも合わせてお聞きください!
【Podcast~フードテックゼミ】
実際にCULTAでは、輸出に適した「棚持ち(貯蔵性)」と「甘さ」の両立を目指し、たった2年で開発に成功しました。
「日本の美味しい農業の未来を救う技術とは?」
日本産のフルーツが、マレーシアで高単価で売られていて、需要が高まっているというお話がある一方で、とはいえ、海外で売られている日本産のフルーツの値段が高く、現地では富裕層をターゲットにせざるを得ません。そのため、値段を下げ、現地のミドル層にも届けるためには、輸送コストを下げること、または、その現地で育てられるようにすることが必要です。
「その土地に合った品種を開発することや、その土地に合った育て方を見つけることが難しく、長い時間がかかることを考えると、やはり新しい土地で農業を始めることは難しいのでしょうか?」
そんな質問に対しCULTA野秋氏は、栽培を知っていることで可能になるのではないか、というお話をシェアしてくださいました。やはり、農業には育てる品種の特徴を理解した上で、目を肥やし感覚的な判断をすることが欠かせない。そのためには、新しい土地でその地の農家とタイアップするにしても、栽培についてよく知っていることが必要不可欠だそうです。
一方で、日本と海外の栽培技術を比べると、現状どうしても日本の方が丁寧で質が高く、トップクオリティの品質を海外へ届けるためにも、今は日本で生産したものを輸出する事例が多い、というお話もありました。
私は、果物が大好きなので、気候変動により、将来美味しい日本産の果物が食べられなくなる可能性があることにとても不安を覚えました…!それを解決しようとするCULTAの取り組みに、大いに期待しています。
毎回、ここには書ききれない内容も盛り沢山なので、ぜひイベントの熱量を体感しに直接会場にお越しいただけること楽しみにしております!
試食会出展商品一覧
CULTAで独自開発されたイチゴ
テーブルマーク株式会社のBEYOND FREE「糖質30%オフ お皿がいらない明太クリームうどん /ぶっかけ牛肉うどん 」
池田糖化工業株式会社の関連商品
池田糖化工業株式会社とNomatech株式会社コラボ「PRIMERA(赤米)粉使用のシフォンケーキ」
シーベジタブル社の青のりとトイメディカル社の塩を使ったポテトチップス
畑の管理から製造法までこだわった上質なお茶「TeaRoom」
津南醸造のこだわりの日本酒
試食会兼交流会の様子
後半は1Fのミュージアムスペースにて試食会兼交流会を実施。
今回はドリンクパートナーとして津南醸造株式会社の鈴木 健吾氏 直々に、人気の郷(GO)シリーズから種類豊富な日本酒をお持ち寄りいただきました!CULTA社の採れたていちごに加え、テーブルマーク社「BEYOND FREE」のうどん、池田糖化さんのデザートソースとそれに合わせた赤米粉ブレンドのシフォンケーキ、スコーン、シーベジタブル社の青のりとトイメディカル社の零(しお)を使ったポテトチップス、TeaRoom社のお茶各種をお楽しみいただきながら、前半のトークセッションの熱量冷めやらぬままに、懇親会の時間を皆さんお楽しみいただけている様子でした!
業界の方々が集う秘密基地的な場所として、虎ノ門のミュージアムは、今後も定期的にイベントの開催や各社とのコラボ企画を進めてまいります!
次回イベントのご案内(2024/5/23開催)
次回は、5月23日(木)18:00~20:45にて開催予定です!
「フードロスの可能性を探る〜感動を産む、食べる以外の新たな価値とは?」
「100%食品廃棄物から作る新素材(特許技術)」をコア技術として用いて、廃棄されるものから作る新素材の開発・販売を行なっているfabula 株式会社の町⽥ 紘太氏をゲストに迎えて、トークセッション&試食会を行います!!
お申込みはこちらのPeatixからお願いいたします!
まとめ
Sustainable Food Museumでは定期イベントの実施だけではなく、ワークショップなどのイベント開催、サステなおむすびでのコラボ商品の展開、ショーケースプロダクトの募集等、幅広い展開を予定しております!
ご興味ある方は、ぜひ以下へのご連絡お待ちしております!
Sustainable Food Museum お問い合わせ窓口 showcase@sustainablefoodasia.com