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世界的工科大学やグローバル企業が牽引するスイスの研究開発

スイスは、デジタルシングルマーケット確立に向けてデータの流通を進めることや、人工知能(AI)による産業構造変化に対応できるよう、人材育成と制度整備、公衆との対話を重視しており、AI研究・活用の政策的方向性はEUとよく似ている。EUのAI戦略作成にもメンバーとして参加している。

出典:日本貿易振興機構(JETRO)
世界的工科大学やグローバル企業が牽引するスイスの研究開発
スイスのAIに関する研究開発・起業動向(2020年3月27日)

スイスのAI研究開発体制

スイスでは、国(連邦)立大学である連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)とローザンヌ校(EPFL)の2つが人材輩出やスタートアップ創出の観点から抜きん出た存在ではあるものの、州立大学のチューリッヒ大学、ジュネーブ大学、バーゼル大学などもAI研究を行っている。産業とのパートナーシップについては、実践的な教育に重点を置く各地の応用工科大学(HES)や人工知能社会学研究機関(IDIAP)(バレー州)、IDSIA研究機関(スイスAIラボ)(ティチーノ州)が積極的に行っている。

産業化に向けたエコシステム

バレー州は情報通信やライフサイエンス、エネルギー環境分野でインキュベーター、アクセラレーター、イノベーションを行う財団法人アークを2004年に設立し、同地の主要な研究機関との産学連携施設(イノベーションパーク)を設置してきた。AIについてはIDIAPの敷地内にイデアーク(IdeArk)、植物研究についてはフィトアーク(PhytoArk)〔デレ・モレ財団が設立した植物研究を行うメディプラント(バレー州)との共同研究 を念頭、2013年〕、バイオなどの分野はバイオアーク(BioArk)(2015年モンテーに設立)がそれぞれ設立された。

スイスの産業界の動向

2つの有力な連邦工科大学(ETHとEPFL)からのコンピュータサイエンス人材確保を狙って、IBM、グーグル、フェイスブック、アマゾン、マジックリープといった企業が研究所をスイス国内に置くようになっており、画像処理、自然言語理解(セマンティックスなど)、翻訳など横断的な技術分野でのAI研究も盛んだ。

スイス・ビジネス・ハブ・ジャパン Swiss Business Hub Japan
https://www.s-ge.com/ja/sbh

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