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【Netflix, Amazon Prime】なぜか周りで見てる人が少ない、超おすすめ配信海外ドラマを紹介するぞ。

 ドラマはサブスクで見るのが当たり前になったこの世界では、もう数えきれないほどの配信ドラマが毎日のように公開されている。

特にNetflixとAmazon Primeはすごい

 自分たちでドラマを作ってしまって、ヒット作をバンバン飛ばしている。

 有名どころでいうと、ネトフリだと『ストレンジャー・シングス』とか『セックス・エデュケーション』とか『アンブレラ・アカデミー』とかね。あと最近では『イカゲーム』とかもすごいよね。アマゾンプライムだったら『ボーイズ』とか『モダンラブ』とかね。

 でもこれらのドラマはやっぱり有名だからここで紹介する意味はまるでないし、なんなら紹介しつくされているから僕がしなくたっていい。


 そこで今回は、割と知名度はあるけど、自分の周りではそれほど知れ渡ってはいない隠れた名作ドラマをいくつか紹介していこうと思う。


1.ピュア(原題:PURE)

 Amazon Primeで配信されている、BBC制作のイギリス発ドラマ。

 のっけからアマゾンオリジナルじゃなくて申し訳ないんだけど、、、

 このドラマ、面白いというよりはすごく興味深い作品である


 このドラマの主人公、マーニーは強迫性障害を抱える女性。見た目や行動だけでは、違和感ないように見えるけど、彼女の頭の中はエロティックなことでいっぱいなのである。

 親族の結婚式に行っても、家族を含めた出席者全員が裸に見えたり、出会う人の裸を無意識的に想像してしまったりする

 その無意識的な行動、っていうのを映像で描くのがすごく上手かったし、違和感もなくてすごいと思ったな。

 僕はこのドラマを通じて強迫性障害について知ることができたし、見ることにすごく意義を感じるドラマだったと思うな。

 このドラマの中で一番好きなシーンは、第2話のマーニーが図書館の本で自分が強迫性障害だと知るシーン。自分は頭がおかしいんじゃないか?と思い込んできたマーニーが、自分のこの現状に名前が付けられたことに対してすごく喜んでいたのが印象的だった。やっぱりどうしようもない現状で不安だし、説明できないんだけど、ただ「名前」がつくだけで、それを人に話せるし、自分に言い聞かせることもできるし、それを解決する糸口を見つけることもできる。その喜びを切り取ったすごく素敵なシーンだと思うよ


 あと、自分の性的趣向に悩むっていう描写もよかった。主人公のマーニーが、恋愛対象じゃない性別(マーニーの場合は女性)にまで、そういった妄想ばっかりするもんだから、自分はレズビアンなんじゃないか?と思い込んで、知り合った女性と行きずりの関係になりそうになりながらも、やっぱり自分は違うな、って思いとどまるところとか、すごくリアルだったな。

 近年のLGBTQ+に関する権利の拡大、知識の浸透、受容が広がってるこの状況だと、「もしかして自分も同性愛者なんじゃないか?」って思う人も増えているんだろう。自分はそう思ったことはないけど、確実にそういう人は増えたはずだ。

 この前、リアルの友人が「性別ってグラデーションみたいなもんだよね」って言っていたのを思い出す。性別はこれといって確定されたものじゃなくて、十人十色あるんだろうと思う。

 あと舞台であるロンドンが都会ってのもいいね。都会独特の冷たさっていうかさ、人同士がお互い無干渉で、目立つ奴は叩かれるか指をさされて笑われる。そんな都会こそが、マーニーを深く傷つけていた大きな要因の一つだったのかもしれないね。だって舞台が田舎だったらこんな物語は成立しないと思うもの。



2.ラブ(原題:LOVE)


 次はNetflixオリジナルのドラマ。

 題名の通り、ラブストーリーである。僕は正直ラブストーリーは別にどうでもいいと思っていたし、ラブを主軸に置いた映画とかドラマはそこまで楽しんで観てはいなかった。

でもこのドラマはなぜか一味違うんだよね

 主人公のガスは、映画の撮影スタジオで、子役に勉強を教えるという割と特殊な職業についている30代の男性。彼は繊細でドラマチック、ユーモアはあるようでない。不器用で感情的、でも人にはできるだけ優しくしたいような人物である。

 そしてもう一人の主人公のミッキーは、ラジオ局で働く30代の女性。皮肉屋でテキトー。さらにはアルコール&恋愛&セックス依存症の三重苦。嘘はつくし、反省はしないし、口は悪いし、すぐに怒る。でもそんな自分が嫌で、自分に正直になれずに大好きな人を意図せずに傷つけてしまう、そんな人物。

この二人が恋をするのだ。うまくいくと思うかい?

 うまくいかなさそうな二人がなんとか関係を保っていくのが、フィクションのラブストーリーの醍醐味ではあると思うんだけど、この二人、本当にうまくいかない。

 体感でいうと、3話に1回はガチで怒鳴りあうし、2話に1回は「ほんと愛してる、ほんとに」とか言っている。こんな愛すべき二人のグダグダ恋愛模様を描いた作品、愛するしかないだろう!


 まぁ、正直ここまでだと「何が一味違うんだ?」と思う人もいるとは思うけど、このドラマが面白いのは実は恋愛の側面ではない。個人的に思う、このドラマの一番面白いポイントは、

だらしない大人しか出てこないところなのだ。

 まずガスはすぐにキレるし、めちゃくちゃか弱い。ちょっとしたことですぐに萎えるし、病む。次にミッキーは、さっき言ったように依存症3コンボだし、嘘つくし、すぐキレるし(ガスと一緒じゃん!)、すぐひねくれて拗ねる。

 他にもミッキーのルームメイトのバーティーは、クズな彼氏に文句を言えないし、バーティーの彼氏のランディーは、ニートでクズ(2回目)だし、ガスの上司のスーザンは、ガスにあたり強いと思ったら、ガスが家まで送ると「一発、ヤッてく?」とか聞いてくるし、ミッキーの仕事仲間でラジオパーソナリティーのドクターグレッグは、ミッキーの弱みを握ってすごいしつこいし、人の悪口しか言わないし、もう全員最悪だ


 こんな人ばっかりがいながらも、お互いに怒らせ怒られ、そして許し許され、そして愛し愛されるという関係にいる彼らの生活はすごく憧れる。

 そんなあまりに不完全な彼ら(人間みなそうだし、そういう人の物語のほうが面白いに決まっている)が、持ちつ持たれつの関係で、ともに成長していく姿がこのドラマの醍醐味なのである。

 ミッキーやガス以外のキャラクターも全員魅力的で、彼らの成長もこの物語の見どころである。お気に入りのキャラがいればもっと楽しめると思う!

 あと、恋愛に関係ない部分が多いってのもいいね。シーズン2の4話目の『幻覚キノコ』の回なんか特に最高だもん。ネタバレしたくないから言わないけど、ぜひぜひ見てほしい。

 ドラマの舞台がロサンゼルスっていうのもいいね。ロケーションと生活環境が最高だもん。もちろん生活自体は都会的なんだけど、ガスの住んでるアパートみたいな近所づきあいもあって、みたいな。こういう生活に一番憧れるな~~



3.アトランタ(原題:Atlanta)


 このドラマはFXっていうアメリカのテレビ局が制作しているもので、Netflixでも配信されている。

 今回の記事で一番推したいのはこれである。見ない理由がわからない。お願いだから見て!!!(懇願)


 この話、タイトル通り、アメリカのジョージア州にある、アトランタという街が舞台になっている。

 ここでアトランタという街について簡単にまとめてみると、場所はアメリカの南東部にあるジョージア州の北部にある、当州で最も栄えている地域である。人口は2019年時点では、50万人ちょいほど。そして何よりも言及したいのは、この街は全住民のうちアフリカ系アメリカ人(以下、黒人)の割合が、アメリカで2番目に大きいということである。その割合なんと、2019年時点で51%だった。つまり、人口の半分が黒人なのである

(アトランタに関する情報のソースはこちらこちら


 このことから察するように、この『アトランタ』というドラマも、とある黒人男性たちを取り巻く物語である。

 主人公は3人。「ペーパーボーイ」という名義でラッパー活動をはじめた男、アルフレッド、彼のマネージャーを務める男、アーン、そしてその友達兼お手伝い担当の男、ダリアス

 この3人が様々な事件に巻き込まれていくというのが物語の大まかな流れだ。それぞれの話が基本的には独立しているため、登場人物たちの成長には主軸が置かれない。ではなにがあるかというと、まぁこれがこのドラマの面白いところなのだけれど、オフビートな笑いである


 時にはシニカルに、時にはブラックに、そして時にはドン引きさせるような笑いがところどころに敷き詰められていて、「これって笑えるんだよね、、、?」と自分についつい問いたくなるような、シュールなシーンで満載なのである。

 キャラクター描写も今考えたらむちゃくちゃだ。例えば、アルフレッドはどんどんとラッパーとして有名になっていくんだけど、別にラップをしているシーンはないし、アーンは何があっても笑わないのになんか面白いし、ダリアスなんか何もしていないのに面白い


この不思議で新感覚な笑いはなんなんだ?と思ったが、このドラマのブレインたちを知ってそれに納得した。

 監督・制作を一部務めているのは、ヒロ・ムライ、そしてアーン役を務めつつ、自身で何話か監督・脚本を手掛けているのは、ドナルド・グローヴァーなのだ。

 この二人、2019年にグラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞その他もろもろを受賞した、”This Is America”のコンビである。

 この曲を作詞作曲歌唱したのが、Childish Gambino名義で活躍しているドナルド・グローヴァーで、この曲の衝撃的なミュージック・ビデオを制作したのがヒロ・ムライなのだ。


 この曲、そしてミュージック・ビデオのテーマ性、そして笑っていいのかわからないようなギリギリのユーモアというのは、この曲から十分にわかるだろう。


 『アトランタ』にも黒人にまつわる問題に関するシーンは数多くみられる。ドナルド・グローヴァーとヒロ・ムライは、そのような諸問題にシニカルな視点で挑む、ファイターなのである


 最後に余談なんだけれど、このドラマは今はNetflixでシーズン2まで公開されていて、それで僕が最もおすすめしたい回は、シーズン2の4、5、6話目だ。4話目がアーンが、5話目がアルフレッドが、そして6話目がダリウスが主役という珍しい3連作なのだが、これらすべての回がマジで素晴らしい。今までのオフビートでブラックユーモアが効いた回とは違って、もちろんそういう要素もあるんだけど、そこにホラーの要素が加わるのだ

 これがまたただのホラーなんじゃないんだよね。ただビックリするとか、ただおどろおどろしいとかじゃなくて、雰囲気そのものが怖いし、あとに続くゾッとする怖さというかね。人って意味が分からないものにこんなに恐怖心を覚えるんだって思ったよ。ぜひ見てください。



 さー、今回はおすすめの配信海外ドラマを紹介してきたわけだけど、どうだったでしょうか。興味持ってくれたらすごいうれしいです!!

 まだまだ見たことのないドラマはいっぱいあるわけで、面白いのに知られてないものもたくさんあると思うからそういうのを発掘できたらいいな、と思います!

 また明日!

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!