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シン・ウルトラマンが楽しみすぎる話

 ついに公開日が2022年の5月13日に決まった、『シン・ウルトラマン』

 あの『シン・ゴジラ』と同じく、脚本は庵野秀明が勤め、今回からは全面的に制作協力を、スタジオ・カラーが担当する。



 僕は『シン・ゴジラ』を映画館で見ることが叶わなかったため、自宅に導入したプロジェクターとスクリーンで鑑賞した。

 個人的には大好きな作品なのだが、何よりも気に入っているのは、ストーリーでも音楽でも俳優でもなく、あの独特な「絶望感」だ。

 ただただ大きな怪獣に街を攻撃されるというのは、それこそ1960年代のウルトラシリーズで何度も見てきたが、あのゴジラから街の人々が逃げ惑うという構図はあまりに衝撃的だった

 深夜の東京の中心部に立つゴジラが、夜空を見上げ、紫色の光線を発する、あのシーンに僕は深く心を打たれたものだ。

 

 そしてそのシリーズが、次にウルトラマンを取り扱うと知った時、僕の心は激しく揺らいだ。「ついにウルトラマンが映画館で、、、」

 現代の神話、エヴァンゲリオンを作り上げた庵野秀明が、「光の騎士」ウルトラマンと現代ニッポンを紐づける。なんて楽しみなんだ。


 僕にとって、ウルトラマンは昔からすごく特別な存在だった。

 僕が幼稚園児くらいだったころは、周りはみんな戦隊ものや仮面ライダーに夢中で、僕はそれに全くついて行けていなかった。それも当然で、僕はそのころからスパイダーマンをこよなく愛していたため、そういう戦隊ヒーローや仮面ライダーのことを「高架下か、自転車置き場で戦っているような奴ら」だと思っていた。(マジで失礼)

 しかし、だからと言ってウルトラマンにハマっていたわけでもなく、やっぱりアメリカ産の軽快でポップなヒーローにハマっていたのだった。


 時は流れ、僕の弟が幼稚園に入るころ、僕は小学校高学年になっていた。周りでは『ピラメキーノ』『クイズ・ヘキサゴンⅡ』などが人気で、僕も人並みには見ていた。

 そんなある日、弟の誕生日になり、母親が弟が欲しがったウルトラマンたちと、それの敵キャラの怪獣シリーズのソフビを買ってきた。

 当然のように弟はウルトラマンの方に食いつき、片時もそれらを離すことはなかったが、一方で怪獣たちの方はほったらかしにされていた

 それを見た僕は、ふとそれらに興味がわき、そのうちの一つを手に取り、ソファに座り、じーっと眺めてみた。

 今でも覚えているが、それは『帰ってきたウルトラマン』に登場した、宇宙大怪獣、ベムスターだった。

http://m78-sukagawa.jp/event_cal/ev_detail.php?eid=sh00120

 この怪獣は、腹部にある五角形の口で、いろいろなものを吸収してしまう。その吸収力は想像を超えていて、ウルトラマンのスペシウム光線すらも吸い込んでしまうような厄介な奴だ。

 そんな知識は一切なかった当時の僕が、ただただぼーっとそのソフビを眺めていると、腹部の口の絶妙な「気持ち悪さ」と、この世の動物に似てはいるが、同時に似ていないといった「不穏なイメージ」が脳裏にこびりついてしまった。

 ネガティブなイメージばかりを羅列したが、僕はこの怪獣のデザインに心底惚れてしまったのだった。

 そのほかにも、弟が持っていた、『ウルトラマンA』に登場した、地獄星人、ヒッポリト星人や、『ウルトラマン』に登場した、磁力怪獣、アントラー、『ウルトラマンタロウ』に登場した、極悪宇宙人、テンペラー星人などにも惚れてしまった。どれもすべてが、気味が悪くて、恐ろしい、同時に少しマヌケな姿が愛おしかったのだ。


 一方でウルトラマンにもしっかりとハマっていった。

 初期のウルトラマンの造形は最高だ。特に初代ウルトラマンと、ウルトラセブン。シンプルではあるが厳かなイメージ。僕はウルトラマンではないけどもしもそうだったら、あの威厳のある表情には委縮してしまうだろう。

http://blog.livedoor.jp/tokusatsu_action/archives/1278602.html
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202008180000321.html

 

 それに加え、僕はウルトラマンたちを神聖なものだと思っている。だってこの広大な宇宙の中で、危険な状態にある星なんて、文字通り星の数ほどあるのにもかかわらず、命を懸けて僕らの地球を守ってくれているのだ。彼らは神であり、救世主であるのだ

 僕の尊敬する、怪獣愛好家のみうらじゅん氏は、「ウルトラマンは弥勒菩薩だ」と言っていたけれど、僕もそう思う。それは見た目だけじゃなくて、その使命もだ。

 Wikiによると、弥勒菩薩は、現在仏であるゴータマ・ブッダの次にブッダ(悟りの最高位)になることを約束された修行僧で、ゴータマの入滅後、56億7千万年後の未来にこの世界に現れて悟りを開き、多くの人々を救済するらしい

 未来永劫、僕らを救ってくれる救世主、、、

 まさにウルトラマンは弥勒菩薩である。



 10歳にもなってウルトラマンにハマった僕は、当然周りと話も合うわけもなく、孤独な十代を過ごしていくのだが、この『シン・ウルトラマン』ブームが来れば、僕のようなロスジェネたちが騒ぎ出すことだろう。

 正直、それが楽しみな部分でもあるのだ。

 あー早く見たいなぁ。

 また明日!

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!