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【ヴェノム公開記念】これ以上『スパイダーマン3』の悪口を言うヤツは、俺が全員ぶっ飛ばす。

 ついに来月公開される、待望のスパイダーマンの新作『ノー・ウェイ・ホーム』

 この映画が公開されることが、どれだけすごいか、、、

 あまり世間に伝わっていないと思う。

 例えるなら、いいとも最終回みたいな感じだ。往年のスーパースターたちが一つの画面に大集合し、大暴れするみたいなイメージ

 2002年から2007年にかけて公開された、『スパイダーマン』シリーズ、2012年から2014年にかけて公開された、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ、そして2017年から公開している、新『スパイダーマン』シリーズ。これらに登場したヴィラン(敵キャラ)たちが一斉に登場し、スパイダーマンをボッコボコにしに来るというのが、どうやらこの映画の本筋らしい。非常に楽しみだ。

 何を隠そう、僕はスパイダーマンを見て育ってきたと言っても過言ではない。2002年からの『スパイダーマン』シリーズをこよなく愛し、2007年公開の『スパイダーマン3』は、7歳の時になんとAmazonで買った子供用スパイダーマンスーツを着て見に行ったぐらいだ


 それほどこの旧シリーズを愛している僕にとって、受け入れがたい通説が、映画・アメコミマニアの間に蔓延っている。それは、

 『スパイダーマン3』(2007)駄作問題だ。

 これには様々な理由がある。いろんなアンチの方々の意見を挙げれば挙げるほど本当にキリがない。

 そこで、この記事ではいくつかの否定的意見を挙げ、それらに対して、僕の熱い思いと、少し弱めの意見を持って答えていきたいと思う。

 この映画を見ている前提で話をするので、みんな絶対に見てくれよな!


1.MJ(メリー・ジェーン)最低すぎ問題


 これは常日頃言われている問題だ。

 MJとはご存じの通り、スパイダーマン=ピーターの初恋の相手であり、現在進行形の恋人(『3』時点)である。

 なぜ彼女が最低だと言われているのかと言うと、男をコロコロ変えてしまうからだ。シリーズの最初ではいじめっ子のフラッシュと付き合っていて、次にピーターの親友で御曹司のハリーと付き合う。次にハリーと別れた後は、ピーターの上司の息子の付き合い、婚約までする始末。その後、ピーターがスパイダーマンだと判明して以後は、そのフィアンセとの婚姻を結婚式当日に破棄して、ピーターと付き合う。その後しばらくはうまくいくものの、ピーターと倦怠期になると、ハリーとまた再燃。そんで結局、ピーターに戻るみたいな最後である。

 こんな感じで、MJはかなり浮気性かつ飽き性なのだ。

 だから男をコロコロ変えて、自由奔放に生きている。そんな誠実さのカケラもないような人間性が嫌われているのだ。


 ここで僕の意見を言おう。

 別にいいではないか!!!

 たしかにもし自分の恋人がこんな感じだったら、確実に気が狂ってしまうし、まず初恋の相手と本気で付き合おうとしてるピーターがあまりにも童貞すぎるというのもあるが、これは映画なのだから

 これでもしMJが、交際相手にとことん忠実だったら?

 ピーターは、彼女と付き合えるチャンスはあっただろうか?

 その答えは、NOだ。もしも誠実だったら、結婚式当日に婚姻破棄なんてしないもんね


  あと思うのは、MJはもちろん、自分のことをずっと想ってくれていたピーターのことが愛おしくなって付き合ったというのもあると思うが、やっぱりピーターの持つ「スパイダーマン・ブランド」に気を取られたというのも正直あるとは思う

 ピーターは泣く子も黙るスパイダーマンなので、当然正体を明かせば、どんな人でも態度がころっと変わってしまうのはわかる。

 それを前提にしたうえで、彼女が婚約していた男性に話を移そう。ここで衝撃の事実を告げるが、MJが婚約していた相手は、実は宇宙飛行士なのだ

 ではスパイダーマンと宇宙飛行士を、職業という面で比較してみよう。まず、収入は間違いなく宇宙飛行士に軍配が上がる。スパイダーマンなんて正体を明かせない前提だから金稼ぎにはならないし、そもそも誰にも頼まれずに全身タイツで街中を飛び回っているのだ

 次に安全面。これに関してはどちらも危険な仕事だ。どちらも命の保証はない。しかし、勤務時間で見た場合、宇宙飛行士は数か月帰ってこないが、スパイダーマンは基本的に毎日帰ってくる。汗&血だらけで。どうせ「これ洗濯しといて」とか言って、スーツを洗濯機に放り込んでシャワーも浴びずに寝てしまうだろう。


 こう考えると、どう考えてもピーターに勝ち目はない。しかし、幸運なことに、周りの男が残念だったということもある

 元婚約相手はさておき、御曹司のハリーは、父親に頭が上がらない&極度のファザコン&話し方がねっとりしてて気持ち悪い(持論)し、フラッシュは脳が筋肉でできてるタイプの人間だ


 こういう風に考えると、MJは最低なわけではないとわかるだろう。

 たしかに浮気性&飽き性なのは、人によっては最低だが、別に映画だから許してやろうぜ?という話。そしてどう考えても、恋人がスパイダーマンというステータスには抗えないという話。そして最後に、ピーターの恋のライバルがほとんど全員ダメダメだったという話。

 いろいろ総合してもやっぱりMJは最低ではないと思うのだ。


 一方で、MJを性格ではなく、「あまりパッとしない」という理由で、ルックスの面で責める者もいる

 それは、、、

 いいんだよ!!!(激怒)



2.敵キャラ多すぎ&犯罪動機意味不明問題


 これもけっこう深刻な問題だ。

 敵キャラは全部で3人。父親の復讐を誓う、ニュー・ゴブリン(正体はハリー)と、病気の娘のために犯罪行為を行い続ける、サンドマン、そして謎の生命体によって体を侵食されて誕生した、ヴェノムだ。

 こいつらが(全員同時ではないが)、スパイダーマンに襲い掛かる。

 敵キャラが多い分、戦闘シーンも多くて盛り上がるのでは?と思うかもしれないが、現実はそう甘くなかった。

 ファンの間では、これらのキャラクターたちの行動の動機が不自然という意見が続出した。さらには、この映画の監督であるサム・ライミ自らが、「上層部からの圧力によって、子供たちに人気のヴェノムを出演させざるを得なかった」という事実を発表し、「『スパイダーマン3』は失敗だった。」とまで言ってしまった。


 これを聞いて僕は、「本当にそうか?」と思うのだ。

 ではキャラクターたちを一人一人解剖していこう。


1.ニュー・ゴブリン



 まずは、ニュー・ゴブリン。彼の正体は、ピーターの友人のハリーで、父親のノーマン・オズボーンがスパイダーマンによって殺されたと誤解し(実際は不慮の事故で自死した)、彼を殺そうとしてくる。

 ハリーとスパイダーマンの確執は、前作の『2』から続いている問題だし、『3』で扱うのは当然だった

 しかし、ファンたちが気に食わないのは、ハリーの行動がすべて彼の勘違いだということにある。彼は父親を「殺された」と思い込んでいるのだ。

 だから早めに真実を知れば、スパイダーマンと対立することもなかっただろう、という意見だ。

 ハリーは『3』の序盤で記憶を失くしていて、ピーターがスパイダーマンであるという事実を忘れていた。その後、記憶を取り戻して以降は、再度ピーターと対立するものの、彼にボッコボコにされた挙句、顔面に大やけどを負う。しかし、最終決戦ではヴェノムとサンドマンにボッコボコにされているピーターを助けに来るといった始末だ。

 そして彼の父親が自死したという事実を知るのは、彼が顔面に大やけどを負った直後だ。


 ここまでの展開はある程度予測されるものだ。

 まず、子供も見るような映画で、勘違いをしたままハリーが死んでいくとは思えない

 ではハリーに用意されて展開はあと2つだけ。実際の映画でも使われたように、最終対決でスパイダーマンに加勢するという展開。そしてもう一つが、最後までスパイダーマンと敵対し、ヴェノムやサンドマンと共闘するが、最後には3人ともスパイダーマンにボッコボコにされて、瀕死になったところで、自分が勘違いしていたことを何らかの方法で知り、和解して死んでいくor生き永らえる、みたいな展開だ。

 この二つではどう考えても、実際の映画でも使われた前者の方がいい。だってヒーロー同士の共闘の方が胸アツだし、一度に戦う敵が多すぎると面倒だからだ。

 それに序盤で彼の勘違いが解決されてしまっては意味がない。じゃあなんだ?序盤にピーターと和解でもして、二人でパブでビールでも飲んでみろってのか?あん???


 だからハリーの行動(特に映画序盤の)がすべて彼の勘違いによるものであるのは特に問題ないし、なにより記憶喪失という展開によって、それ以外のヴィランの描写に時間を割けたのはグッジョブだと思うぞ



2.サンドマン


 彼はピーターの叔父の、ベンおじさんを殺した張本人とされていて、ピーターは本気で殺すマンと化し、彼を追い詰めていく。

 彼の犯罪行為の動機はほとんどすべて、貧乏かつ病気の娘のためだ。しかし、ファンにとってはそれが弱い、と言う。

 うーん、本当に弱いだろうか?

 それに、彼の犯罪動機はおそらく娘のためだけでもないと思うのだ。彼はベンおじさんを殺した張本人ではあるが、それは銃が暴発したからだった。それを知らないピーターは彼をガチで殺しに来る

 そのため、「だーかーらー!!違うんだってば!!!」状態のサンドマンが、本気で殺しに来るピーターのことを恨まないわけがないのだ。

 つまり、サンドマンの行動動機はすべて娘のためではないと思うし、ハリー同様に、ピーターも勘違いしていたのだ



3.ヴェノム


 現在、全国の映画館で公開している『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』にも登場する、ヴェノム。(このヴェノムは『3』に登場するものとは別物扱いだ。)

 このヴェノムというキャラ、先述のように、上からの圧力によって登場したため、あまり評判がよくない。

 というのも、原作ではめちゃくちゃ強いのに映画版では10分足らずで殺されることが不満らしい

 いやいや、MJを誘拐して、ハリーのこと殺したんだから十分仕事したと思うぞ?俺からしたら、サンドマンの方が問題だわ。あいつこそ最終対決で何してた?

 そんでヴェノムの動機というのは、ヴェノムの中身=エディ・ブロックが、もともと自己顕示欲が強いのにも関わらず、格下だと思ってたピーターに仕事も恋人も取られ、逆上するというものだ。

 僕としてはそれで十分だと思う。だって、そもそもヴェノムの基であるシンビオートが人間の負の感情を増幅させる生命体だし、ちょっとの動機で人殺ししたとしても違和感ないんじゃないかと思うよ



 どうだろうか。

 僕からしたら、みな割と正統な理由があるし、みんな魅力あるキャラクターだと思うのだ。だからみんな彼らを嫌いにならないでほしい。


3.ピーターのノリが所々ウザい問題


 これに関しては、一言言わせてください。




 全くその通りだと思います!!!(土下座)


 あのノリは、どう頑張っても擁護できないぐらいウザいです。

 慣れないのに急に女たらしになるし、前髪とか下ろし始めるし、街中でターンとかしちゃうし、会社でイキリ倒すし、その割にはダサいし。


 これは本当に弁明のしようがないほど意味が分からないし、超キモいシーンだと思います。はい、こればっかりはピーターを救えなかった。ごめんよ。



 どうだったでしょうか。

 『スパイダーマン3』、それほどひどくないだろ問題。

 みんなが責めまくるほどにはひどくないとは思うけど、さすがにひどいシーンはたくさんあるよ。まず、ハリーがヴェノムに刺された後に、鉄の棒が上から大量に落ちてくるシーンで、一本もハリーに当たらないのはあまりにも不自然だし、原作では超重要キャラのグウェンが謎の使われ方してるし、MJが歌ってるクラブでピーターが躍るシーンはみんながそんなに盛り上がるほどすごいことしてないし。


 ツッコミどころはたくさんあるけども、僕はこの映画が好き。

 『アメイジング・スパイダーマン』シリーズよりも、新スパイダーマンシリーズよりも、こっちが好き。

 こっちは、『アメイジング』のときみたいに科学技術もないし、新スパイダーマンみたいに超強い後援者がいるわけでもない。誰よりもダサいし、報われないし、金もない。でもその中でもひたむきに頑張るピーターが好きだし、そのダサさがやっぱり好きなのである。

 まぁ、『3』のダンスシーンはマジでゴミだけどね?


 また明日!

小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!