すれちがい座間姐さん

ヴィンテージロードバイクにハマっています。人の手によって作られたもの、古き良きものへの…

すれちがい座間姐さん

ヴィンテージロードバイクにハマっています。人の手によって作られたもの、古き良きものへの思いを記しています。

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最近の記事

ゾーンに入った

暗くて長いトンネルを自転車で走っていた。 ライトの電池は切れ、携帯電話も繋がらない。 頼るのは遠くに見える出口の光。 聞こえるのは自分の息の音。 どこか夢の中に居るようで、でも頭の中はスカーっとした気分。 そのような感覚になった。 後から調べたら、あれは棚場山トンネルという場所らしい。 雨の中、馬鹿みたいにひたすら漕いた仁科峠。 西伊豆スカイラインは生憎の霧。 晴れていれば駿河湾を一望でき、富士山を拝みながらのライドになるはずだった。 比較的アップダウンがある道を、真っ白な

    • 切ない観光地

      5月に静岡県の伊豆半島でエロイカ・ジャパンという 自転車イベントが開催された。 その前日、伊豆長岡温泉に宿泊した。 宿に向かう途中、いい感じの遊技場を見つけた。 あけぼの遊技場からひょっこり顔を覗かせる機関車トーマス。 どうしようもなく切なさを感じる。 その隣のお土産さんも、なんだか懐かしい。 宿の近くには、お寿司屋さん、お蕎麦屋さん、中華屋さんがあった。 久しぶりに美味しいお寿司を食べた後、温泉街をぶらついていたら、 夜の温泉街に明かりがつき始めた。 このあたりには強

      • めぐり逢い

        ピナレロ”パリ”(ケラルライト?)。1997、8年ごろのアルミフレームです。 私で3代目のオーナーとなります。 初代オーナーは1998~2000年までチームドイツテレコムに所属していた “Francesco Frattini選手”。チームから彼に供給されたフレームです。 1998年のツールドフランスでウルリッヒのチームメイトとして走っています。 前オーナーの説明によると、市販車との違いはゼッケンプレートを取り付けるダボがあること、トップチューブが長いこと、溶接がガッチリされ

        • 好きでい続ける=才能

          才能は殺されることがある。 最初は楽しかったはずなのに、 上を目指しているうちに、どんどん深みにはまっていき、 やがて壁にぶつかる時が来て、最後はやらなくなってしまう。 私の主人は7歳からクラシックギターを習い始めた。 大学のサークルではギター・マンドリンクラブに所属し、 社会人になってからも民間の音楽学校で再びギターを習い始めた。 多い時は1日12時間も練習をした。 学校ではセミプロ級と噂されていた。 その時に先生からコンクールに出ないかと言われ、 どんな雰囲気

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        • 自転車
          6本
        • 切ない観光地
          3本

        記事

          グレッグ・レモン Greg LEMOND

          って誰?と思う人は少なくない。 何せ今から約30年以上前の伝説的なヒーローだから。 簡単に話すと、 1983年に世界選手権に優勝。 1986年にはアメリカ人として初めてツール・ド・フランスに優勝するなど 華々しい活躍をした方だ。 下記は、1989年のツール・ド・フランス最終日。 フランス人のローラン・フィニオンとの熾烈な接近戦の記事。 この勝利の10年後、アメリカ人選手のランス・アーム・ストロングが ツール・ド・フランスで優勝した。 そして2022年4月 あのグレッグ

          グレッグ・レモン Greg LEMOND

          デローザの35周年記念 特性ジャージ

          デローザの35周年記念 特性ジャージ

          Deepな世界

          毎年夏になると、職場の人から 「また日に焼けた?」と言われる。 サイクリングが日焼けの理由だ。 どのくらい走るんですか?と聞かれるので 「休日に40~50km乗るくらいです。100km走ってみたいけど・・・」 と答えると、 「それ、車の走行距離じゃねーかw」と引かれる。 以前、私が丸の内で働いていたときの職場には、 ロードバイクがわかる人が4人居た。 毎朝、裏山で練習してから出社してくる弁理士。 趣味で乗ってるくらいのプログラマー。 息子さんがオーストラリアのシマノで働

          チンパンジーの恩返し

          長野県には小学校の給食で「空弁」 つまり空の弁当箱を持参する文化があります。 持参した空のお弁当箱にご飯を盛り、 おかずは給食センターの食器を使います。 食べ残したご飯は家に持ち帰ります。 近年は廃止になったかもしれませんが。 当時私の通っていた小学校には、 全校生徒でお昼にお花見をする行事がありました。 その際、高学年が低学年のお世話をするわけですが、 私の班の小さな男の子が「ワーン」と泣き出しました。 その子のお弁当箱は空っぽ。 おそらくお母さんに上手く伝わらず

          チンパンジーの恩返し

          編集時代

          某大手出版社。 本社から少し離れたビルの一室にコミック部門はあった。 薄暗くて静かな作業スペース。 部屋に居るのはベテランの中年男女。 集中して漫画の吹き出しのチェックをしていると、 お局が電話をとった。 「水木先生…」 電話の相手は生前の水木しげるさんだ。 当時、私は大学をかろうじて卒業したものの 就職はせずにアルバイト生活をしていた。 悪友と飲み歩いていた新宿のゴールデン街で 漫画編集のフリーランスの人たちと知り合い、 その縁で漫画雑誌の校正のアルバイトを始め

          神保町古書店街

          神保町古書店の歴史は学生から始まった。 上級生は使い終えた教科書を売り 下級生はそれを買う。 今でいうマニアやオタクたちが専門書を買い、 喫茶店に飛び込み、 脇目もふらずに時をわすれ 読みふける。 その喫茶店は思索の邪魔をしない静かな音が流れているであろう。 コーヒー1杯で何時間も居座れる、 そういう場所であろう。 腹を空かせた学生の懐に優しい 飲食店や喫茶店が立ち並ぶようになった。 これが今の神保町の質感を作り上げた礎。 私にはそう見える。 私はあまり本を読まな

          地球は丸くない

          私は宇宙から惑星を眺めていた。 水色の海に大陸があり 緑の植物が生い茂っていて 地球に似ていた。 その惑星にはドーナツのような穴があり、 海の水は穴に向かって流れていく。 私もそのまま穴に吸い込まれいった。 私は穴をくぐり抜け、また外側に出た。 そこで、目が覚めた。 なーんだ夢か・・・ それにしても まるで遊園地のアトラクションのようだった。 このドーナツ状の形をトーラスと呼ぶ。 地球の磁場(地磁気)はどうやらトーラス形らしい。 私の夢は地球の磁場の形を象徴的に見た

          劣等生の美学

          劣等生だからおもしろい。 国家資格を持っていても、実務能力がない人がいる。 きっと子どもの頃からテスト勉強が得意で 世間一般では優等生と呼ばれてきたのだろう。 ゴルフでいうと 他人のスイングの批評はできるが、自分はヘタクソ、というタイプ。 「どうしたらスコアが良くなりますか」などと直ぐ先生に聞く人だ。 私は勉強が苦手だった。 中学生のとき知能テストで空間認識力だけは飛び抜けていたが、 他の能力はからっきしだ。 だが数学は好きだった。 特に幾何学的パターン

          人体の動き

          人体の動きを描く場合、 動画見たり、型を調べたり、 いろいろ調べている。空手は流派もやたらある。 下記の「猫足立ち」という形も 重心の位置を理解しないと 描けない。 きっと空手をやる人ならわかるんだろうけど。 わかって描くのと、 わからないで描くのでは 仕上がりが違ってくる。 結局、何枚も描いて訓練しないと 腕は上がらないんだよな。

          空手

          今まで見た事無かったけど 女子空手形カッコ良かったな。 ちょっとやってみたいな。 あんなふうに叫んでみたい。

          考え方

          神奈川に引っ越した。 25年間住んでいた東京から神奈川に。 私は2年前に横浜に転職したし、 主人はフリーランスだし、 東京に住む必要が なくなったからだ。 部屋の窓から見える景色は変わった。 田園風景。 蛙や蝉の鳴き声。 夏休みに 都会に住んでいる子供が おじいちゃんおばあちゃんの家に 遊びに来るような そんな場所だ。 自転車で20kmくらい走れば 山と海に行ける。 通勤は1時間ちょいかかるので、  遠くて大変だと思われがちだが、 始発なのでそうでもない。 しかも

          現状維持

          最近、このままでいい。 そう思うようになった。 疲れたら無理をしないで休む。 自分で出来ない事は人に頼む。 これが 社会的な変化なのか、 個人的な年齢の変化なのか わからないけれど。 朝から満員電車に乗り、押し潰され、 タイムカードを押すためだけに 会社に通い続けた。 耐えることは成長だと思った。 収入は苦しみの対価だと思っていた。 それは本当なのか。 本当に本当に本当なのか?