見出し画像

Deepな世界

毎年夏になると、職場の人から
「また日に焼けた?」と言われる。
サイクリングが日焼けの理由だ。

どのくらい走るんですか?と聞かれるので
「休日に40~50km乗るくらいです。100km走ってみたいけど・・・」
と答えると、
「それ、車の走行距離じゃねーかw」と引かれる。


以前、私が丸の内で働いていたときの職場には、
ロードバイクがわかる人が4人居た。

毎朝、裏山で練習してから出社してくる弁理士。
趣味で乗ってるくらいのプログラマー。
息子さんがオーストラリアのシマノで働いているという事務の女性。
スポーツは一切やっていないがツール・ド・フランスは観るという事務の女性。

珍しくツールを観るという女性が居たので、よく一緒にランチに行った。
彼女はヘリコプターから撮影されたフランスの景色を観て、旅行をしている気分になるという。

「何で日本人ってツール見ないのかしら」
よくそう言っていた。


都内に住んでいた時は、
自由が丘のビアンキカフェで、ツールを放映していたので
ワイン片手に観戦していた。

客は私と夫だけの日もあった。
帰り際に「今日もこんな感じです」と店員が苦笑していた。

ところがその翌年、若い世代の人たちで店は埋まっていた。

弱虫ペダルのブーム到来だ。

いつもと違う客層でなんだか居づらくなって、
やがて行かなくなった。

自由が丘には、六文銭というディープな喫茶店があって、
そこのマスターがスポーツ全般をテレビで観戦する人で、
J-SPOTSで観るといいよと勧められた。
それ以来10数年・・・ツール・ド・フランスはJ-SPOTSで見る様になった。


まず観るべきは、何と言ってもツール・ド・フランス。
そのあとは三大グランツールの残り2つ
ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャ。

これらのレースを3年見続ければ面白さがわかってくる。
ここで脱落しなければ、禁断のクラシックレースの世界が待っている。

選手の移籍やスポンサーの入れ替わり、
ルールも難しい。
チーム競技でありながら脚光を浴びるのは個人。
5時間のレースのうち、途中経過をちらっとみただけでは
普通の人には何が起こっているのかわからない。
スター選手の顔と名前を覚え、
毎年変わるチーム名を覚え、
前年、前々年の優勝選手の名前やライバルとの戦いのストーリー、
コースレイアウトや勝負所のステージ、名選手の脚質。。。

 これらがわかれば、
少しずつレースが観れるようになり、面白くなって来る。
いづれ選手間、監督たちの心理的かけひきも見抜けるようになってくる。
ここまでくると、もう自転車レースの世界にどっぷりとはまっていることだろう。


 

 

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?