見出し画像

【陸前高田とオンラインで繋がる1週間。コロナ禍をポジティブに!大学生12名の挑戦。】菅野睦子さん

こんにちは。NPO法人SET noteライターの角田です。

今回は、NPO法人SETのメイン事業部のひとつである「Change Maker Study Program」(以下CMSP:大学生が陸前高田市や葛巻町の人と向き合い、地域のためになることを本気で考え、一週間で実行まで行う、地域おこし実践プログラム)から、学生代表として菅野睦子さんにお話を伺います!仲間と共に駆け抜けた半年間の想いに注目!

★プロフィール
菅野睦子かんのちかこさん(ちかちゃん)
2000年生まれ。神奈川県出身。青山学院大学 在籍。高校生の頃に民泊で広田町を訪れ、SETを知る。大学入学と同時にSETで活動を開始。
2021年度夏期実施CMSP 海チーム(広田町&小友町)のリーダー。今期はオンラインでプログラムを実施。海チームは、スタッフ7名+参加者5名の合計12名。

角田
本日はお話を聴けることを楽しみにしていました。早速、よろしくお願いします!まずはCMSPを知らない方に向けて、簡単に内容を教えてください。

菅野
CMSPとは、陸前高田市と葛巻町を舞台に、町の方と向き合い、地域のためになることを本気で考え、アクションを行う大学生向けプログラムです。
これまでは陸前高田市の広田町が活動拠点だったのですが、今期からは広田ひろた町&小友おとも町・矢作やはぎ町・葛巻くずまきに事業を拡大しました。さらに今期はコロナ禍だったこともあり、すべてオンラインで実施しています。

図2

陸前高田市、葛巻町の位置関係です。
岩手県ホームページより引用・★マーク追記作成しております。

<広田町以外の新しい地域でプログラムがスタート>

角田
なるほど、新しい取り組みだったんですね。具体的にはどのようなプログラム内容になりましたか?

菅野
小友町では、関わらせて頂いた町の方の、「小友町を地域外の人にも知ってほしい」という想いから、みんなで小友町情報冊子を作りました。町の方から聞いた情報をもとに、町の魅力や課題、町の方からのメッセージなどを書いています。まだ小友町を知らない方に見ていただくことで、こういう町があるんだ、行ってみたい!と将来に活かされるといいなという想いも込めています。


成果物の一部をお借りしました。みなさまもご覧ください!

スライド9

スライド10

スライド7

スライド3

スライド8

角田
いいですね。成果物もオンラインならではの変化を感じます!(PDFの状態で見せていただきました)小友町の方は元々知り合いだったのでしょうか?

菅野
広田町に移住しているメンバーが町歩きをして仲良くなった方や、元々知り合いで既にSETと繋がりがあった方です。あとは、小友町に伝承館があるのでそちらで語り部をされていた方などですね。そういう方々と、今回繋がりができました。

角田
そうなんですね!はじめての地域をオンラインで、となるとかなりチャレンジ要素が大きそうですが、一週間のプログラムを終えてみて率直な感想を聞きたいです。

菅野
今期は町への訪問が難しかったため、オンラインでも町のためになれるのかということを何度も問い続けていました。インターネットを通じて町の方と対話を何度も行うことで、私たちなりの「町のため」というものを模索していきました。プログラム実施後、町の方から「今後も町のためになることを一緒にしていきたい」という言葉をいただきました。この言葉から、オンラインでも町のためになれるのだと実感しました!
またオンラインだからこそ参加できた人がいるという点も良かったことです。今回私のチームには北海道在住の子もいるので、そういう意味だと、いろんな人が陸前高田に関わるきっかけになりました。

角田
極端かもしれませんが日本全国から参加できたということですね。すばらしい!
最初の頃は、対策をしっかりと取ることができれば実際に町に行ける可能性があると思って準備をしていたんですよね。

菅野
そうなんです。ですが、感染拡大の収束が見込めないこともあり、対面ではプログラムをしないという決断をしました。ミーティング等も全部オンラインで行いました。

角田
会えないことの寂しさやもどかしさ、意見の食い違いもあったでしょうね。
アクションというところをすごく聞いてみたいと思ったのですが、どんなことでしょうか。

<その町の為、その人の為になるアクションをする>


菅野
広田町をメインに活動するチームは、【地域外との交流をすることで、やりたいを持続可能にし、やりたいをできたに変えられている状態】を目標にしていました。広田町はSETが10年間関わってきたこともあり、この一年間学生が来ないことが悲しいと言っている方が多かったことと、コロナで色々と行動が制限されていて、そこに対してネガティブになっている方がいらっしゃいました。そのため、今までやっていた地域外との交流を今期も実施したいね、となって。また、その場限りの交流ではなく、町の方がやりたいと思っていることを持続可能にすることで町がポジティブになれたらいいなと思いました。実際に広田町チームでは、オンラインで町の方の誕生日のお祝いをしました。あとは小学校の先生との繋がりから、小学生との間接的なつながりが生まれました。

角田
お!そうなんですね!お誕生日のお祝いも素敵ですし、学校の先生と繋がりが生まれているのはすごいですね。今後が気になります。

こちらはチームメンバーの心境変化のまとめだそうです!素敵。
「実際に町に行ってみたい」という言葉からは、オンライン上であっても密度の濃い時間を過ごせたことが伝わってきます。

畠山みき子さん

菅野
今後も小学生との交流を続けていきたいですね。
小友町では、交流の価値が広がることにも力を入れたいと考えています。今回、プログラムを実施することが初めてだったこともあり、「なぜあなた達は(小友町に)来ているの?」という言葉をかけられたことがありました。

角田
なるほど。…もしかして、それは定番の質問でしょうか。自分の町に遠い場所から訪ねてくる学生さんがいるとしたら、すごく気になる部分だと思います。

<なぜこの町に来ているか>


菅野
そうなんです。まずはこういう地域外の学生がこの町に関わっているんだ、ということを知っていただけるといいなと。外からの視点を活かし、世代や生まれや、育ちも関係なく、交流が広がるといいなと思っています。そして今回やったことが小友町情報冊子。こういう冊子を通して、地域外の方にも知ってもらったり、その地域の中の方々でこれを読んでいただき、また新たな関係が生まれたりするといいなという想いでやっています。

★インタビューメモ【関係人口】
なぜ離れた町に関わろうとしているの?CMSPのみんなが共感している考え方はこちら。

【引用】

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。

地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。



角田

よそ者の意識ですか。確かにオンラインではなおさら感じやすいでしょうね。どのように乗り越えていきますか?

菅野
まずは、なぜ私たちがこの町に来ているのかを伝えることが大事だと思います。SETの紹介や自分たちのことから知ってもらうというのは、オンラインでも大事にしていました。

角田
当たり前のことかもしれませんが、たしかに自己紹介はすごく大事ですよね。出身地の話で盛り上がったり。
あとは、【町のために】という言葉が良く出てくると思うのですが、現在のちかちゃんにとっては、どのような意味がありますか?込めた想いなどを教えてください。

<「町のために」に込めた想い>


菅野
私は、町のためにと考えると結構(範囲が)大きく難しく考えてしまうので、町の方のためにというのをまず考えています。その町の方は、どういう町になってほしいと思っているのか、どういうことがひとりじゃ超えられない壁なのかとか。そういうことを一緒にひも解いていって、最終的に形にしていくことが町のために繋がっていくのかなと思います

スライド12

角田
そのひとりにフォーカスする、ということですよね。
ひとりの気持ちが町をつくっていく。どこの地域でも一緒ですね。

<オンラインだからこそ>


菅野
オンラインでよかったなと思うことのひとつには、実際に町に行きたいと言ってくれる学生が多かったことがあります。町の方も早く会いたいねと言ってくれて。気持ちはすごく強まるし、オンラインであっても町に関われていること自体が、町のためになっていると思います。町の方や参加してくれた学生のみんなにとっても、ちょっとでも自分が町のためになりたいっていう想いがうまれていたんだなと思って。それが行きたいと思えるようになっているということは、すごく良かったなと思います。

スライド11

角田
町の方のためにという気持ちをベースに、私たちにもすごく学びがあるというか、考えることがありますよね。あとはオンラインでここまでできることにも驚きます。次回もまたこの3チームで実施予定ですか?

菅野
(拠点は)この町で引き続きやっていく予定です。来期はどのようなことを大事にプログラムを実施するか、など協議中です。

角田
学生だからこその動きと、その人の気持ちに寄り添った素敵なアクションになりそうで、わくわくしますね!最後に、ちかちゃんにとってのSETとは何かを教えてください。

菅野
私にとってSETとは、「やりたいをできたに変えられる場所」だと思います。SETはコロナという大きな障害があってもみんなで力を合わせてみんなの声を聞きながら前に進んでいく団体です。自分がSETにいて、仲間から勇気づけられることがたくさんあります。目指したい理想に向かって今を楽しみながら行動し続ける、というのは、仲間への安心感があるからこそだと思います。

角田
うんうん、大事だと思います。たくさんの仲間に囲まれて一生懸命進んできているということが伝わります!CMSPに参加してみたい人はどちらから連絡したら良いでしょう?

菅野
情報としては、ホームページ、Twitter、Instagramがあります。ホームページが分かりやすいでしょうか。「参加したい」のボタンからお問合せフォームに進むことができます。この半年でリニューアルしたのでぜひ見てください!

★ホームページ
http://1week.set-change-maker-program.com/
★Twitter
https://twitter.com/changemakerp
★Instagram
https://www.instagram.com/cmsp_2011/?hl=ja

角田
ちかちゃん、本当にありがとうございました。お疲れ様でした!

▶ライターあとがき
プログラム直後の新鮮な気持ちを聴くことができました。スタッフのみなさん、参加してくださったみなさん、関わってくださった町のみなさん、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした!私も頑張ろうという気持ちになりました(^^) 次回もお楽しみに。またお会いしましょう!

★ライター:角田
北海道育ちだけど寒がり。年中お鍋を作っているが、凍えながら食べるアイスも好き。3人兄弟の真ん中。社会人1年目。
CMSPをきっかけに2019年よりSETに関わりはじめる。SETに関わる全ての声をお届けするために、関東でnoteを更新中。

画像10

▶SETの仲間を求めています!
SETでは、月500円から寄付できるマンスリーサポーターの制度を開始しました!
今後も日本の未来にGoodなChangeを生み出す仲間を増やしていきたいと思います!
ご興味のある方は以下のリンクをご覧ください。
https://congrant.com/project/setforjapan/3201



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?