難しい年頃
昨日、ドラッグストアでの買い物を終えて店を出ると、入れ替わるように中学生くらいの女の子と中年の女性が入っていきました。中学1年生の長女は2人の方をちらっと見たようですが、挨拶などはせず帰路につきました。
「知り合いか?」
この店は中学校の校区内で最も大きいドラッグストアです。友人・知人がいてもおかしくありません。
「たぶん」
ちょうど店を出て違う方向に進みかけたところだったので、確証を持てなかったようです。おそらく先方もそうだったのでしょう。ただ、長女にとっては良いタイミングだったかもしれません。あと数秒我々が遅いか先方が早いかしていたら、正面で顔を合わせることになっていたからです。
「家族といるところはあんまり見られたくないから」
長女が言いました。
「あー、わかるわかる」
30年ほど前の私もそうでした。
「父親も妹も四六時中アホなことばっかり言ってるもんなぁ。そりゃそうやわ」
「そうだよ!」
長女はむっとした様子でした。わかっているなら少しはセーブしてくれ、ということでしょう。しかし、我々はちゃんとセーブしています。彼女がいないところだと、父と妹はもっとアホな話をしているのです。
あるとき次女に「もう3年生やから、土日も1人で風呂入るか?」と聞いたところ、「もうしばらくお父さんと入る」と言われました。理由は「お姉ちゃんのいないところでおバカな話がしたいから」だそうです。我々が風呂で話していることのほとんどが、女子中学生が友人・知人に聞かれたくない(と思われる)内容なのは言うまでもありません。ゆえに、長女の気持ちはよくわかります。
ただし、そんな父親でも歯医者にはついて来てほしいそうで、中学生になってからは「もう1人で行ってきていいよ」と言っているのですが、いつも「ダメ、来て」と返されます。ずいぶん難しい年頃だなぁと、改めて実感しています。
とはいえ、こちらも一緒に難しい顔をする必要はないでしょう。既に彼女は私という人間についてある程度理解していますから、接し方を変えるとすぐ気づくはずで、それが悪影響を及ぼす恐れもあります。こちらは彼女より30年以上長く生きているわけですから、よほどのことがない限り自然体で接してやるのがベストだと思っています。