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読書感想13「アオハル・ポイント」佐野徹夜

こんにちは、せ→る→です。

今回は佐野徹夜さんの「アオハル・ポイント」の感想を書きたいと思います。

コロナの影響で利用している図書館が臨時休館になってしまい、借りられなくなってしまったので家にある本を再読してみました。

※今回はいつもよりネタバレ多めです。

出版社:KADOKAWA
メディアワークス文庫
著者:佐野徹夜
イラスト:loundraw
(敬称略)

表紙を担当したloundrawさんの絵がすっごく好きです。

<あらすじ>
人にはポイントがある。
ルックス、学力、コミュ力。
あらゆる要素から決まる価値、点数に、
誰もが左右されて生きている。
人の頭上に浮かぶ数字。
そのポイントが俺にはなぜか見えていた。
例えば、春日唯のポイントは42。
かなり低い。空気が読めず、友達もいない。
そんな春日のポイントを上げるために、
俺は彼女と関わることになり――。
青木直人
主人公,54点,成瀬のことが好き
春日唯
42点,曽山のことが好き
成瀬心愛
74点,直人と少女漫画の話題で親しくなる
曽山文隆
78点,成瀬の元カレ

主要な登場人物は上記の4人。

ポイントは平均50。
曽山は登場したキャラの中で一番高いです。
この曽山が、実はいじめっ子で金を巻き上げたりタバコ吸っていたり女たらしなんですよ。(彼らは高校生)

最悪ですね。
表面上ではルックスも完璧で運動神経抜群。
クラスの中心的存在なのに、裏ではそんなことしてるんだ…ってなりました。

そんな曽山の裏の顔を知らず、好きになった春日は直人と一緒に、自分磨き=ポイント上げをします。ポイントを上げるために身なりを整えたり勉強を頑張ったりします。

クソ男のために努力していると思うと読者としてはすごくモヤモヤ。

ポイントの見える直人は、クラスの人たちのポイントをノートに書き出していました。

しかし、そのことが曽山にバレ、教室の黒板に貼られてしまいます。
そのノートには単なるポイントだけではなく、内訳(容姿や学力、性格について)も詳細に書かれている…
ただの悪口が書かれているということです。

そんなノートを全員に知られたら、大体予想はつきますよね。

いじめ。

曽山を筆頭に、直人はクラスのいじめの対象にされてしまいます。カバンも中身もゴミ箱に捨てられていたり、机に悪口が書かれていたり、物をぶつけられたり…
この作品は直人視点で描かれているため直人に感情移入してしまい、すっごくしんどかったです。

作中でもう一つ注目したいのが、「ポイント」について。

僕は自分なりにポイントを
積み上げて生きてきたつもりでした。
でも、そのポイントは、
世間にとっては価値のあるものでも、
僕にとっては何の価値もないものだった。

これは、あとがきの一文です。

やりたいことがあるのに、それを諦めて、やりたくもないことに時間をかけてポイントを上げる。その時間をかけて得たものはほんとに自分にとって意味のあることか。

ずっしりと心に響きました。

直人は、自分のポイントを維持するためポイントの低い人とは関わらないように、ポイントの高い人からは嫌われないように過ごしていました。

自分も同じだ。

と思いました。
私も同じような行動をとっていたのです。

だいぶ前の話になるのですが、クラスメイトの中にいつも一人でいる子(以下、Aとします)がいました。

私は、Aと話しているところを周りの子に見られたら、自分も暗い子、静かな子、話さない子だと思われるかもしれないと思い、Aとはなるべく接しないようにしていました。

直人が春日を見る目と同じ目をしていた。
自分の評価が下がる=損をするような相手とは一緒にいたくなかったのです。

今ではそんな考えはなくなり、Aとも共通の話題で話すようになりました。数少ない仲の良い友達の一人です。

話してみないと、その人の人柄や性格はわからないなと改めて感じました。
周りの人が「あの子って〇〇なんだよ」と噂をしていたとしても、自分が接した時の印象を大事にしたいです。

噂といえば、中学生のころ「アニメオタクなんだって~」みたいな噂を広められたことがあります。
「オタク」というと、当時はあまり良いイメージを持たれていなかったので、とても気まずかったです。とくにアニメのグッズを持っていたわけでもないのに、勝手に噂が広まっていました…笑

「アオハル・ポイント」は、前述したように直人視点で描かれています。表現もわかりやすく非常に読みやすいため、中高生向けに感じました。読書感想文に向いていると思います。

タイトルと表紙が爽やかなので、後半の重い展開少し中途半端に感じる終わり方にギャップがありました。

普段、再読はしませんが、久しぶりに読むととても楽しく面白かったです。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

早く図書館行きたい…
読みたい本たくさんあるのに…

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