うつ・ADHD・ASDで障害年金基礎2級を受給する事になった話
今日、人生初の障害年金が振り込まれた。その額ざっくり280万。ちょっと今までの人生では縁がなかった金額なのでアプリで口座を見た時「ヒェッ」となるなどした。
障害年金を受給するために動き出したのが1月末で社労士経由で申請をしたのが2月末、受給する事が確定したのが6月中旬。そして実際に振り込まれたのが7月15日。申請してから約5ヶ月程の出来事だった。
あっという間だった、というと聞こえがいいように聞こえるかもしれない。でも多分これ、精神疾患を抱えている各位にはハードルが高い行為だと思う。事務作業とか。事務作業とか。
すくなくとも、わりと精神状態が安定している時じゃないと申請する気にもならない。加えてネットの海に飛び込んでもあんまり参考になる情報も入らない。
備忘録としてもそうだけど、障害年金を検討している誰かの参考になればといいなという感じで、今回は「はじめての社労士選び!」から受給に至るまでの経緯ややった事、思った事などを記載していこうと思う。
前提:私について
現在の通院先で5つめになるメンクリショッピングの猛者。2019年9月に当時はうつ・ADHDのみの診断だったにも関わらず、障害者手帳2級を取得。
現在は在宅フリーランスとしてのんびりと心身に負担がかからない程度に仕事をしているものの、主治医には「今のせりぽよさんは就労不能と僕は見做しているよ」と言われる始末。自殺企図を起こして2019年11/1-12/30まで入院していた。退院後から現在に至るまで一人暮らしを続けている。
精神科・心療内科の初診日は2015年3月24日、この病院は1回しか通院していない。障害の程度を認定する1年6ヶ月後の病院(3つめ)はうつが悪化していけなくなったものの定期的に通っていた。障害認定日の時の診断名はうつとADHD。諸々の事情でこの障害認定日の時の主治医にお会いする事になった時にお礼をしたところ「あの診断書で年金受給できなかったら年金機構がおかしい」と言われる。一体何を書いたの。
現状の診断書は元入院先である現通院先の主治医が記入してくれた。診断名としてはうつ・ADHD・ASDがついている事に加えて、入院中の二ヶ月を見た上での主治医が現状の診断書を書いてくれたのはデカかったのかもしれない。現主治医にも「あれで年金通らない訳がないと僕は思うんだよね」と言われる。私が無自覚なだけでもしかして専門家から見たらわりとヤバいのか自分?と思うなどした。
社労士を選ぶ時に重視したポイント
・完全成果報酬制である事
社労士とひとくくりに言ってもその形態やサービス内容は事務所によって違う。フォロワー各位に障害年金の受給を推奨された私は、確実に年金を受給するために社労士に頼もうと思ったのね。
で、その当時は「お金がないから年金受給したいんだが?!」と言いたくなるくらい金欠状態だった。
なので私は前払い制であったり、仮に受給できなくても支払いが発生したりする社労士を選びたくなかった。正確には選べなかった。
なので受給が確定したら支払いが発生する完全成果報酬制の社労士を選択した。私が選んだ社労士事務所は年金の初振込が終わってから支払いをする完全後払い制だったのでこれはデカかった。
・可能な限り面談しないで済む社労士である事
当時はまだ心身の状態が不安定だったのもあり、出来るだけ対面する機会が少ない方がいいと思っていた。折角面談を組んでもらっても自分の体調が悪くて行けなかったら、その分年金受給が遠のくだけだしね。
幸い私が選んだ社労士は書類のみ郵送でそれ以外は電話かメールでの対応をしてくれたのでありがたかった。
・何処まで支払いが発生するのかが明記されているか
「何にいくら支払いが発生するのか」
「万が一解約したくなった時に解約金は発生するのか」
「諸々の手続きで発生する交通費も負担するのか」
「事務手数料は発生するのか」
「報酬はいつどのようにどんな計算で支払いをするのか」
「診断書代が出せない時とかはどうしたらいいのか」
などが明朗である社労士は選んだ方がいいと思う。当然といえば当然なんだけれども。
いろいろな社労士のウェブサイトを見た感じ、大抵何処も普通の年金請求だったら2ヶ月分の年金10%分、遡及請求の場合には全体の支給額10%という形だった。私が選んだ社労士に関しては「遡及が通れば全体の支給額10%+診断書代など」という価格設定。
社労士に頼む前に把握しておくとスムーズな項目
・年金番号
これは年金に関するはがきとかに書かれているので、私みたいに年金手帳が消滅した類の民でも把握する事はできる。これが分からないと、社労士側も年金事務所に今まで未払いがないかの確認が出来なかったり申請ができなかったりするから、出来れば社労士に頼む前に把握しておきたい。社労士に連絡してから把握するでも可だけど、スムーズに事を運びたいなら先に把握がおすすめ。私の場合には基礎年金番号になる。
・今までの通院歴
障害年金を申請するには今までの通院歴全てを把握する必要がある。面倒だしドクターショッピングをしてた私みたいな人はちょっとめんどくさい。
最低でも把握しておいてほしいのが
・人生初の精神科・心療内科にかかった日付と病院名
・そこから1年半経過した時に通っていた病院名
・現在の通院先の3つ
それら以外に通っていた通院先や通院期間を控えておくと良いと思う。個人的にはどの病院にいつからいつまで通ったかを把握してから連絡すると更に事がスムーズに運ぶ。具体的には以下の画像のような感じに把握しておくといいかな。
上記で今までに通った病院名や期間を控えておくとよいと記載したのは、病歴・就労状況等申立書で全部記載する必要があるから。控えておくとよいと思うというか、控えておいてくれ。(20207/16追記)
全体的な申請の流れ
1.社労士にアポを取る(1月末)
2.社労士と業務委託契約書を締結する(2月頭くらい?)
3.初診日認定書や診断書を確保(2月中)
4.病歴・就労状況等申立書を社労士が代筆(2月中)
5.社労士が代理で年金事務所に申請(2月末)
6.年金事務所から審査の結果が届く(6月上旬~中旬)
→審査が通ったらこの辺りで年金証書が届いた。
7.年金の初振込(7/15)
8.社労士への報酬支払い(7/15から3日以内)
こんな感じで申請までの流れは進んだ。4に関しては社労士から聞き取りをされるので、それらの質問に答えていく形で代筆をしてもらった。
可能であれば病歴・就労状況等申立書の代筆をしてもらう際のヒアリングで話しておくべき事リストみたいなものを適当に作っておくといい。
社労士がやってくれた事
・年金未払いがないかの確認
・障害認定日当時の病院に診断書依頼、診断書受け取り、診断書代支払い(年金受給後の支払いでまとめて支払い)
・通院先への診断書依頼、診断書代支払い(手持ち金がなかったので変わりに支払って貰った)
・病歴・就労状況等申立書の代筆、そのためのヒアリング
・その他必要書類の代筆
・年金事務所への申請、その後の状態確認(現状の審査はどんな感じですか、幾ら支給される事になりましたか等)
私がやった事
・途中までは自分で障害年金を申請する予定だったので初診日認定書を自力で確保
・病歴・就労状況等申立書の代筆を行ってもらうために、自分の幼少期エピソードを母に聞きメモをしておく。また直近4年間の手帳を読み漁り酷かった時の自分がどんな状態だったのかを把握した。
・障害認定日あたりの日記を漁り「当時私はこんな感じだったで!」という参考資料を作成して社労士にぶん投げる(良い子は真似しない方がいい)
・実際に障害年金を受給している各位から見せてもらった資料を参考に病歴・就労状況等申立書のメモを作成する
・支給される振込口座の用意
・業務委託契約書の同意
・年金証書の受け取り
・社労士への報酬支払い
社労士が言っていた事シリーズ
・(1人暮らしを続けてると聞いて)1人で生活できているとみなされてしまうと審査に落とされやすいので、身内や友人が来てくれているという風に診断書は書いてもらいましょう(実際に友人各位が家に来てくれている)
・診断書の依頼と大きく言っても、審査におけるNGワードはあるからそれらを抜いた言葉で診断書を作成してもらいましょう。
・(2019/12/30で退院したと聞いて)退院してしまっていると先生によっては症状が軽くなっているから、まだ年金申請しないで様子見ようって言ってくる人もいるからそこは先生に確認しておいてください。
・障害認定日の時の診断書の場合、たいしてカルテが残っていないという事が多いからお願いの仕方にも一癖あるんですよね。
・現在の主治医には「就労が困難」という点を明確に記載してもらいましょう。体調や精神の悪いところを訴えて早めに診断書を依頼する方針で。仕事が出来てしまっているというのはマイナスポイントになってしまっている。仕事も復帰できるか自信がない、まったく仕事ができていないという診断書じゃないと審査に通るのが厳しくなる。
・心身で安定しない事はどんどん主治医に言っていかないとカルテに書いて貰えない。カルテに書いていない事は評価されないからそこはしっかり話してください。将来の不安を考えて年金を受給したいという旨も伝えましょう。
・(障害認定日の時のメモを見て)これを書いてもらえるのは凄くありがたいんだけれども、これはそのまませりぽよさんが病院に提出したら「元気じゃんこの人」扱いされてしまうから社労士経由でよかった。
・(精神的に安定しないんだろうけどという前提の上で)こんなに元気な障害年金申請のクライアント、僕はじめてだよ…。今まで同じようなうつ・発達障害の組み合わせの方はいっぱいいたけど、もしかしたら今までで一番スムーズに進んでるかもしれない。
一通り終わって思った事
事務作業が苦手な各位は社労士に頼むのが賢明だな、と思った。社労士がやってくれた事は自分でやろうと思えばできなくはないけど、如何せん要領がつかめないのと手際が悪い。それを考えたら社労士に支給額の10%を払う事になってもより確実に支給を受けられる方を選択した方が賢明だ。
1月~5月は私が生活を立て直すために奮闘していたのもあって心身に余裕がなかったので、頼んで正解だった。多分頼んでなければ途中で疲れて挫折してた可能性があり得る。私の依頼した社労士は受給できなかったら診断書代も含めて一切支払わなくてよいという契約だったから、安心して依頼できたのもでかい。
年金が入ったおかげでうつ最盛期に作ったクレジットカードの借金と滞納していた昨年度分の市県民税と国民健康保険料も支払えた。奨学金と緊急小口資金はまだ残っているけれども、これらは諸々の猶予があるから特段今早急に返済をしなくてもよい。見てくれこのTwitter。
なんだろう、諸々の支払いが終わって肩の重荷が取れた感じがする。これから2ヶ月に1回13万が支払われるようになるという事実もあり、これで多少は精神に無理やり負荷をかけなくても生活ができるようになった。
もちろん仕事はできる限りするけれども、それでも3徹余裕です!モンスター美味しい!!みたいなクレイジームーブをしてまで稼ごうとしなくてもいいんだなと思うと安心する。
私は無意識に自分にプレッシャーをかけやすいので、これで多少は自分にプレッシャーをかけずにゆっくり確実に仕事に復帰できるといいなぁと思う。
私に障害年金を申請しなよと言ってくれたTwitterフォロワー各位には感謝しかない、本当にありがとう。持つべきものはTwitter。中には自分が申請した時の書類を参考に見せてくれたり、本を貸してくれたりする人もいた。本当にありがたい。
私も誰かが障害年金に関して悩んでいたり困っていたりしたら助言くらいは出来たらいいなぁ、と思っている。勿論専門家じゃないから100%の回答はできないけれども、それでよければ気軽に相談してくださいませ。
2023.08追記
もし社労士を紹介して欲しいという方が居ましたらTwitterよりDM頂ければ紹介します……!
サポートしていただくと、私が喜びます。喜ぶと頑張ろうかなーと思う機運があります。