見出し画像

つくる楽しさ

つくるということには4つの楽しさがあるように思います。

1. つくること自体の楽しさ
2. できあがる楽しさ
3. 誰かに見せる楽しさ
4. 誰かの役に立つ楽しさ

デザイナーでもエンジニアでも、子どもの頃からつくることが大好きで、今の仕事をしているという人は多いのではないでしょうか?一方でつくるということを仕事にしていると、ときに心が折れて投げ出したくなることがあります。思い描いていたものが形にならなかったり、誰かの横やりでつくったものが壊されたり。

そんなときは、この4つを思い出すことで、再び前に進むエネルギーが沸いてくるかもしれません。

1. つくること自体の楽しさ

長男がまだ3歳の頃、朝起きてすぐにこうつぶやきました。

今日は何作ろっかなー

子どもって何かを作るのが大好きですよね。暇さえあれば、割り箸や折り紙、そこら辺にあるもので、なんでも作ります。特に目的もなく作りはじめます。その姿はとても楽しんでいるように見えます。大人になると、目的もなく何かをつくる機会は減っていきます。それは仕事のためであったり、誰かのためであったり、何かしらのきっかけが存在するものです。

子ども達を見ていると、本来つくるということは本能的に楽しいものなのだろうなと感じるのです。つくること自体が楽しい。大人も落書きであったり、特に目的のないものでも、何かをつくることに集中していると心が落ち着くものです。

2. できあがる楽しさ

つくっていたものができあがる、形になるという喜び、達成感です。特につくるのに時間がかかったり、困難だったりするとこの喜びは大きくなります。子ども達はこの瞬間を「できたーっ!」と言って喜びを表現します。この「できたーっ!」という言葉は、自信につながるとてもポジティブな言葉です。そして「できたーっ!」がたくさん積み重なるとそれは成長につながります。

大人になるとこの瞬間の喜びを表現する機会は減っていくように思います。できて当たり前だし、よほどの困難でないと喜ばない。でもこの瞬間をもっと私たちは味わうべきなのかもしれません。特にチームで動くときはお互いできたものを認め合い、喜び合うことで、成長につながっていくのではないでしょうか。

3. 誰かに見せる楽しさ

画像1

子ども達は、もくもくと何かをつくっては必ず最後にこう言います。

ママ、パパ、見て、見て!

そう言ってこちらの反応を楽しんでいる様子です。できあがったものを誰かに見せる瞬間はとてもワクワクするものです。とりわけ「驚きや感動」を相手に与えることができた時には、とても興奮します。スティーブ・ジョブズが「One more thing」と言ってプロダクトをポケットから取り出したり、モーターショーでコンセプトカーがアンベールされる瞬間、作り手も、受け手も最高潮を迎えます。

この瞬間は、楽しいと同時に怖いものです。ネガティブに受け取られたらどうしようかと不安もあります。でもそういったネガティブな部分も含めて、私たちは誰かの反応を見ずにはいられないのです。

4. 誰かの役に立つ楽しさ

これは子ども時代にはなかなか味わうことができない、大人の楽しみです。つくったものが誰かの役に立つ、社会の役に立つ、そして誰かが喜んでくれる。その喜びに触れたとき、すべての苦労はなかったかのようにとても幸せな気持ちになります。

この4つめの楽しさを追求できるかどうかは、ものをつくるプロフェッショナルとしてとても大切なことです。特にデザインという仕事においては、常に中心には人がいて、人のために何かをつくるので、この視点は欠かせません。

まとめ

4つの「つくる楽しさ」について触れました。もちろんすべての瞬間を大切にしたいのですが、とりわけ一つ目の「つくること自体の楽しさ」は大人になると忘れがちなものです。制作の困難と向き合っているとき、この気持ちに立ち戻ることで、私たちはクリエイティビティを取り戻せるように感じます。

子どもの頃のように「つくるを楽しむ」その気持ちを常に持ち続けていたいものです。

1. つくること自体の楽しさ
2. できあがる楽しさ
3. 誰かに見せる楽しさ
4. 誰かの役に立つ楽しさ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?