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【読生感想文】 くちびるに歌を 【中田永一】

最後の1行が、すんばらしぃ笑

先に映画から入っちゃったモンで、
結構アレコレ設定が変わっているとはいえ、
話の大筋は既に理解していたし、
重要な部分については映画でもさほど改変されずに残っている。

だからまぁ、そこまでの感動は来ないだろうなと思ってました笑

最後の1行にヤラレタ笑


本書の構成としては、1〜4章とエピローグ。
ページ数は300強。

既にガッキー主演の映画を観てしまっているとしても、
エピローグを読むために一読をオススメします笑
(映画の脚本も尺足りなかっただろうにめっちゃ良く出来てたなー)

個人的に五島列島にはちょいと縁があるモンで、
海や空、山に港町に学校風景と、
情景描写は容易にリアルに想像できちゃうんですが、
ここで過ごす中学生達にストーリーとして絡めてくるテーマがすごいのよね。

 ・母親との死別、父親の蒸発
 ・ヤングケアラー
 ・リベンジポルノ

中学生のキャラクター達を通して、
なんて重たい問題の列挙よ笑

青春時代の悩みなんざ、
色恋と友情と、漠然とした将来への不安ってなもんやろ?笑
という幸せすぎる思い込みをぶっ壊してくるし、
これが本当にリアルなんやと思わされるよね。

悩める者同士が合唱部という束の間の活動と通して交わりながら、
ぶつかりながらも理解し合い支え合い協力していく。

人生のほんのひとときだとわかりつつも、
この時間が永遠に続いて欲しいと願ってしまう。

これぞリアルな青春って感じ。

主人公達が所属する合唱部がコンクールに参加する際の、
課題曲としてアンジェラ・アキさんの楽曲、
「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」
が登場するわけなんやけど、
これの使い方が秀逸やなー。

顧問からの課題として、
提出しなくて良いから本当に手紙を書けと。
書くことで自分の本音や覚悟と向き合う。
この課題がなければストーリーが始まらないといっても良い笑

大人になるまでの貴重の時間に、
こんな課題を与えてもらえること自体が幸福なのだろうなと。
過去や未来に捉われながらも、
今を生きることを学べたと、
そう思えるような経験を得たんだろうなと。


映画の方もめっちゃええよ笑

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