【基礎から学べる】 家族がストーマになったら、どんなところに気を付けたらいい? 在宅ケアの方法や症状について
こんにちは!
さて今回は、ストーマについてお話していきます。
ストーマとは
一般的にストーマというと、腸や尿管の一部を体外に出して、そこから便や尿を排泄できるように作られた出口の事を言います。
見た目としては、下腹部に梅干しが張り付いているような状態を想像していただけると分かりやすいと思います。
そこから便や尿が出てくるため、ストーマを覆うようにパウチと呼ばれる袋を貼り付けて、排せつ物が直接外に出ないように一時的に貯めておき、トイレでパウチの中身を捨てます。このパウチは数日おきに新しいものに交換します。
ストーマを作る理由には様々な疾患や原因がありますが、今回はストーマの在宅ケアの方法についてお話していきます。
ストーマから出てくる排せつ物ってどんな感じ?
ストーマを作る位置にもよりますが、直腸に近いストーマは一般的な便とほぼ変わりません。小腸に近いほど水っぽい下痢状の便になっていきます。ご自身・ご家族のストーマから出る排せつ物がどんな状態が正常なのか、ストーマを作成した病院で確認しておくようにしましょう。
また、ストーマには肛門にある括約筋という、便を我慢するための筋肉がないため、ガスや排便は自然に排泄されてきます。ガスがたまりすぎると、パウチが破裂する原因になりますので、パウチにガスがたまってきたらトイレに行ってガス抜きをするようにしましょう。
在宅でのストーマケア
基本的には、ストーマがあっても今まで通りの生活を送ることができます。
食事についても制限はありません。(他に糖尿病や高血圧などの疾患があり、食事制限が必要な場合には、医師の指示に従いましょう)
ストーマを作った後は、消化をよくするためにもなるべくよく噛んで食べるようにしましょう。特にナッツ類や消化しにくいものは、よく噛むようにしましょう。
食べ物によっては、ガスが多くなったり、便がゆるくなったりしますので、ご自宅で色々なものを食べてみて、どんなものを食べるとどんな便になるのか観察してみると、外出先での食事選びの助けになると思います。
ストーマの装具交換については、ストーマ外来というストーマ専門の外来があります。そこで自分に合ったストーマの種類や装具のつけ方を一緒に考え、指導してくれますので、ストーマ外来を定期的に受診するようにしてくください。
ストーマを作成した病院にストーマ外来があることが多いですが、ない場合は退院後の通院先としてストーマ外来のある病院を紹介してもらいましょう。
装具交換の方法については、ストーマ外来で指導された内容に沿って行うようにしてください。
ストーマは位置や皮膚の状態など個人差がとても大きいため、装具の選び方や交換のポイントについても個人によって大きく異なるためです。
また、日常生活でストーマについて困っていることがあれば、ストーマ外来のスタッフに遠慮なく相談してください。
服装はどうしたらいい?
ストーマがある場合、ストーマの真上にベルトやウエストのゴムが当たらないように注意しましょう。
それ以外は、服装については特にストーマがあるからと言って変える必要はありません。
また、ストーマを作る際に、ベルトの位置などを確認してそこを避けてストーマを作ることが多いため、今までと同じ服装を楽しむことができます。
お風呂って入れるの?
ストーマがあっても入浴することができます。
ストーマ周囲の皮膚を清潔にするためにも入浴は大切です。公衆浴場など、不特定多数の人がいるお風呂の場合は、パウチをつけた状態で入浴するようにしましょう。
仕事や運動、外出に制限はあるの?
ストーマを作ったことで日常生活で制限が出ることはほとんどありません。
仕事や学校に復帰することも可能です。
便秘の予防のためにも適度な散歩はおすすめですし、運動用の小さめのパウチもあるため、運動の邪魔になりにくい装具を試してみるのもおすすめです。
定期的にパウチから便を出す必要があるため、外出先のトイレの場所を確認しておくと安心して外出することができます。
また、万が一パウチが外れてしまった場合に備えて、予備のパウチも持っていくと安心です。
ご自宅でストーマがある状態で過ごしていく中で、食後排便があるタイミングやガス抜きのタイミングが掴めてくると思います。それを踏まえて仕事や外出先での食事を取るタイミングやトイレで排せつ物を処理するタイミングを考えておくようにしましょう。
ストーマが何か変!
医療機関を受診する目安
・ストーマ脱出
ストーマが通常の位置よりも飛び出してしまうことを言います。そのままにしておくとストーマを傷つけてしまうおそれがあるので、病院を受診しましょう。
・ストーマ陥没
ストーマが通常の位置よりも陥没(へこむ)している状態のことを言います。ストーマと周囲皮膚の間に高低差がないため、面板と皮膚の間に排せつ物が入り込んでしまい、装具が外れやすくなったり、皮膚トラブルの原因になります。ストーマの装具などの変更が必要な場合があるので、ストーマ外来を受診して相談しましょう。
・ストーマ旁ヘルニア
お腹の中で、ストーマの周囲にヘルニアが起こっている状態のことを言います。見た目としてはストーマ周囲のお腹が膨らむ・腹痛があるなどの症状があります。お腹が膨らむため、普段の装具が貼りづらくなるため、皮膚トラブルをおこしやすくなります。ヘルニアの度合によっても対処方法が変わるため、まずはストーマ外来を受診し相談しましょう。
その他にも、普段とストーマの色が違う、便の状態が違うなど、いつもと何か違うなと違和感を感じる場合は遠慮せずストーマ外来や医療機関を受診してください。
介護保険でストーマを交換できる?
ご自身やご家族でストーマを交換することが難しい場合、介護保険の申請を行います。訪問看護を利用することで、訪問看護師がストーマケア・装具交換を行います。
ストーマの装具交換は医療行為になるため、本人・家族、または医療資格保持者以外は行えません。
そのためヘルパーに装具交換はお願いすることができないため、訪問介護ではなく訪問看護を利用する必要があります。ストーマを交換することが技術的に大変なのか、日常生活のお世話と合わせてストーマの交換までするのが体力的に大変なのか、など大変な理由についても個人差があるため、どんなケアプランが最適なのかケアマネージャーとよく相談してみましょう。
ー
介護の相談や老人ホームを紹介して欲しい方などはこちらのLINEから相談を受け付けていますのでお気軽にご相談ください。(福祉や介護についての質問はなんでもOK)
●シニアnet介護
LINE→ https://lin.ee/aaCVx2b
●シニアnet介護(老人ホーム検索サイト)
https://seniorkaigo.com/
●当社のアプリ記事
https://www.atpress.ne.jp/news/313424
●介護施設をお探しの方は電話で相談受付中
(全国対応)
08098023747
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?