見出し画像

自由ではない「自由研究」から見えてくるもの~「素直さ」偏重の弊害~

けんすけです。

日本人は独創性に欠けるとは、
以前から言われていることですが、
それは学校教育に原因があるのかもしれません。

学校では成績優秀であることが求められ、
成績優秀であるためには、
何より素直である必要があります

素直に先生の言うことを吸収し、
嫌がらずに言われたことを淡々とこなす。

それがよい成績を取る早道です。

なぜ、どうして、と
疑問を持ちすぎると、
「成績を取るため」の勉強に集中できなくなります。

成績はよくとも、疑問を解決する力がつかない、
と言うより、
そもそも疑問を持とうとしない、
そういう子供が増えていきます。

1.自由ではない自由研究

ヤフーニュースで、
面白い記事を読みました。

学校で先生が、
夏休みの自由研究の課題を出しました。

何を研究したいか、
ひとりひとり発表させたところ、

「なぜ戦争って起こるの?」
という壮大なテーマから、

「蝶がひらひら飛ぶ理由」
のような可愛いものまで、
いろいろと出てきました。

もちろん自由研究だから、
テーマは何でもいいはずです。

しかしある生徒が

「なぜ学校は宿題を出すの?」

というテーマを上げたところ、
先生は即座に
「それはダメ」
と却下したそうです。

先生のやり方、
学校の方針に抵触しそうなテーマは、
自由研究として相応しくない
とされたのでしょう。

「自由研究」と言いながら、
子供らしい「素直なテーマ」が求められていたわけです。


学校では知識を教え、
決められた問題に対して、
答えを導くやり方を教えます。

答えは常に先生が持っていて、
生徒はそれに近づく努力を強いられます。

受験勉強では、範囲も解も決まっていて、
いかに多量の解をインプットしているかが問われます。

問題に対する「解」は与えられるもの、
という感覚
は、
このような教育課程で沁みついていくのでしょう。

自分の考えは不要、
という教育では、
独創性は育ちようがありません。


画像1

2.素直な大人

「解のない問題」について考え、
自分の考えを持ち、討論する、
という教育は、
日本ではあまり取り入れられていません。

諸外国に比べでも、
圧倒的に少ないのです。

カリキュラムに沿って教えられたことを、
素直に吸収するよう指導されます。

もちろん知識は必要です。

しかし素直ないい子を偏重する教育では、
独創性や批判精神は育ちません。


結果、いい子が大量生産され、
それがそのまま素直な大人になって、
社会が均質化されていきます。

均質化した社会は、
何かきっかけがあると、
みなが同じ方向を向く、
全体主義的傾向を持ちます。


例えば、最近のコロナ禍でも、
一時期、スーパーの店頭から納豆が消えたことがありました。

これは「納豆がコロナに対し免疫力を高める」
という噂が広まったことが原因だそうです。

素直な大人は、
噂が広まり、みなが同じ行動を始めた時、
無批判にそれに乗っかります。

自分で考え、自分の意見を持つ、
という教育を受けていないのです。


素直な大人は、
「解」は外から与えられるもの、
という教育が沁みついていて、
噂やテレビの情報を無批判に「解」とします。

そもそも近年のコロナ禍にしても、
「大変だ」「自粛しよう」「がんばろう」
という意識が蔓延しているようですが、
これはマスコミの報道を「解」とした結果です。

毎年猛威を振るうインフルエンザは、
年に1千万人が感染し、
1万人が死亡していて、
生涯にわたる重篤な後遺症を引き起こすこともあります。

それでも、
毎年のこととして、
特に話題になることはありません。

それより、感染者も死亡者も
はるかに少ないコロナばかりを何故特別視するのか?

ワクチンがコロナ禍を解決すると言われているが、
通常のインフルエンザは、
ワクチンがあっても多くの死者を出している。

インフルエンザとコロナは、
本当はどちらが怖いのか?

そう考えていくと、
マスコミの報道とはまた別の「解」が見えてきます。


自分なりに考え、
自分なりの「解」を持つことが、
独創性の獲得につながっていきます。


3.解のない問題を解く

解は人から与えられる場合と、
自分で考えなければならない場合があります。

人から学び、受け入れ、
知識や経験を増やしていくことは
当然必要です。

しかし、全ての解は与えられるものと思っていると、
独創的な発想は出てきません。

周りと違うことを恐れず、
自分の考えを持つ。

日本も、こういう「素直でない子供」を育てる教育に、
力を入れていくべき時に来ているではないでしょうか。


↓けんすけのプロフィールです↓ スキなどいただけると励みになります。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?