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剪画作品紹介

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剪画作品をご紹介します。
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2024年6月の記事一覧

王冠

王冠

岡田 桂子 作 254×120mm
“Crowns” by Keiko Okada

 古来から多くの財宝は金で作られてきました。王冠、宝剣、宝箱…。権力を手にした者は、黄金で装飾物や身の周りの実用品を作って、飾ったり活用したりします。そんな中から岡田さんは王冠と宝剣を描きました。
 それぞれを金の和紙で切り出した後、赤や青い宝石を散りばめます。そしてその後に様々な背景の紙の上に配置してみたので

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黄金の傷跡

黄金の傷跡

カルチノワ ミロスラヴァ 作 212×330mm
“Golden Scar of a Healed Wound” by Miroslava Karchinova

 最近金継ぎに注目が集まっていますが、この技術は日本国内だけではなく、海外でも広く知られているようです。欠けた陶器を漆と金によって修復し、その傷までを美しいものとして愛でる美意識は日本独特のものかも知れません。
 この金継ぎを描いたの

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黄金の卵

黄金の卵

吉川 結夢 作 240×175mm
“Golden Eggs” by Yuu Yoahikawa

 もう1つ、鳥を描いた作品をご紹介。…と言っても鳥が金色なのではなく、ガチョウが生む金色の卵を描いた作品です。イソップの物語で毎日金の卵を産むガチョウを、もっと多くの金を得ようと殺してしまう…というお話をご存知の方も多いでしょう。吉川さんはそのガチョウと金の卵を軽快なタッチで描いています。
 さら

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豊穣の孔雀

豊穣の孔雀

ヴラホワ イヴァイラ 作 286×202mm
“Peacock of Abundance” by Ivayla Vlahova

 「金色」をテーマにした作品展では魚だけではなく鳥の作品も出展されました。そのうちの1点がこの「豊穣の孔雀」です。孔雀の羽は光沢があって金色を帯びて見えますし、その美しさと威厳ある姿から豊穣、豊かさを象徴するものでもあるのでしょう。
 その孔雀を写実的ではなく、独特の

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アイコンタクト

アイコンタクト

まるぽ 作 150×210mm
“Eye Contact” by Marupo

 魚を真正面から眺めることはあまりないかもしれませんが…真正面からこちらを見つめる瞳。バッチリと目が合ってしまいます。
 魚の種類がわからなかったのでまるぽさんに聞いてみたら、「コンゴウフク」だとのこと。コンゴウフグは目とおしりのところに1対の棘があり、これらが「金剛杵」に似ていることからこの名前が付いたそうです

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ともだち

ともだち

トドロワ プロレチナ 288×202mm
“Friends” by Proletina Todorova

 鯱鉾は体の一部だけが魚ですが、金色の魚…と言えば、やはり鯉を思い出す方が多いでしょう。高価な錦鯉は、いやま世界中で人気が高く、日本にもたくさんの業者が買い付けに来ているそうです。この作品もブルガリアの作家さんによって制作されました。
 黒い紙を切り抜いて下から赤や金色の紙を入れて彩色して

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