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ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』は笑って泣けて感動できる名作になりそうな予感がします!

タイトルからイメージした内容とはまったく違う、今クール一番の”棚ぼたドラマ”かもしれないのがドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』です。

このドラマの主人公は、世間の古い常識・偏見で凝り固まったひとりの中年男・沖田誠(51)。
家族からは「堅物」と嫌われ、デリカシーのないその言動は会社の部下からも敬遠されている。
だが、彼は彼なりに自分の信じる道を突き進んできた。それが「たった一つの正解」だと信じて―――

ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』ホームページより

主人公・沖田誠を演じる原田泰造の演技は、いつもいわゆるプロの俳優さんとは違うアプローチをしているような気がするのに、なぜかその役にピッタリとハマる特異な才能があると感じます。あの”顔”そのものがすでに強力な武器なんでしょうね。

今回の役も”昭和のおやじ”感丸出しながら、自分のこれまでの常識や固定観念、基本的な考え方を令和版に”アップデート”しなければならない…。時に悲壮感漂う中年男性を巧みに演じていると思います。

「多様性の時代」という言葉をつい便利に使ってしまいがちですが、本当の意味でそれを受け入れるのが難しい人もいるのは否めない事実かと思われます。生きてきた、育ってきたバックグラウンドも多大に影響する部分があると思うので…。

当たり前に自分の中にあった常識をくつがえすのって、決して簡単なことではないと思うんですよね。その点、誠の勇気にはあっぱれ!です。

誠は会社では女性がお茶を入れるべき!男性がメンズブラをしているなんて考えられない!仕事でトラブルがあれば休日返上して会社にかけつけるべき!と、まさにハラハラハ・オンパレードの昭和的上司。デリカシーのない言葉を悪気なく浴びせかけます。そりゃ部下から煙たがられるわけです。

家庭でも、かわいいモノ好きの息子にきわどい内容のマンガを描いている娘、推し活に夢中な妻…「家族が趣味」と言うくらい家族のことを愛しているにもかかわらず「堅物」と嫌われている姿は、ただひと言かわいそう…。

その高校生の息子・翔が引きこもってしまい、家に遊びにきた友人・大地がゲイだと分かった誠はその事実を認められずに思わず拒絶してしまいます。「僕は…お父さんみたいな人には絶対なりたくない!」 愛する息子に自分を全否定された誠は落ち込みます。

そんな誠に大地が「友だちになりませんか?」と声をかけます。初めて若いゲイの友だちができた誠は、ここから自らを”アップデート”するために奮闘していくわけです。

理解ができないと相手と距離を置いたままにするのか、理解するために相手の懐に飛び込もうとするのか…後者の道を選んだ誠の姿には感動すら覚えます。純粋に自らを変えていこうと突き進む誠が、心から愛おしく感じられます。

第2話では、娘・萌のために誠が踏ん張ります。BLの二次創作に勤しむ”腐女子”の萌は、国内最大級の同人誌イベント・コミックカーニバルへの参加を決めていました。イベント当日熱を出してしまい、誠が萌の代わりにイベントを手伝うことに…。大地も手伝ってくれました。

コスプレ女子にセーラー服姿のおじさんetc…。これまでの誠の人生には存在しなかったメンツと対峙し、あっけにとられながらも萌のために尽力した誠。自分が知らなかった世界に一歩踏み込んだことで、萌に対する理解も少しは深まったようでした。萌もいつも文句ばかり言っているのに「お父さん、今日はありがとう…」と。家族との距離も少しずつ縮まっていきそうな予感がしました。

その後大地が男性と抱き合う姿を目撃してしまった誠。友だちになった大地のことは信頼しているけれど、ありのままの大地を受け入れるにはまだまだ時間がかかりそうですね。

「いまどきの若いもんは…」ではないですが、自分たちの「古い価値観」が今の時代に合っていないことも増えてきているのかもしれません。これまでまかり通ってきた「古い常識」が崩壊しつつあるようにも感じています。

これからの時代を生きるために”アップデート”すべきところはしていった方が、人生楽しく生きていけるような気もしています。

ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』は、笑って泣けて感動できる名作になりそうな予感がします!!


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