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ドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』は、あの時のあの感動がリアルに蘇ってきました

先日テレビで放送された、ドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』を観ました。2023年日本中を熱狂させ、WBC世界一奪還を成し遂げた「侍ジャパン」の完全密着ドキュメンタリーでしたが、これは映画館の大きなスクリーンで観るべきだったと後悔しました。

結果は分かっているはずなのに、手に汗握る大興奮のあの感動がまさにリアルに蘇ってきました。

栗山監督とコーチ・スタッフの方たちとの数回に渡る会議の様子は非常に緊迫感があり、選手たちが選出されていく様は胃が痛くなる思いを何度も積み重ねた結果だったということがよく分かりました。

特にメジャーリーガーたちに関しては日本サイドの思惑通りに進むかどうかも分からない状況で、栗山監督が海外視察を行ったりしながらあの最強メンバーがよくぞ集結してくれた!という感じでした。

大活躍だった吉田選手はレッドソックスへの移籍が決まり、もしかしたら参加してもらえないかもしれないと栗山監督があきらめかけた時もあったようです。

それでも吉田選手本人が「世界一を目指して戦いたい」と自ら強い意志を持ってくれていたことが「侍ジャパン」への参加につながり、一つ一つの過程がすべてあの結果へと不思議な力で導かれていたのかもしれないと感じました。

負傷離脱した鈴木誠也選手のユニフォームがベンチに置かれていたり、腰の張りで途中離脱することになってしまった栗林選手と一緒に写真を撮ろうとダルビッシュ選手がすぐにチームメイトに呼びかけたり、徐々に徐々に一つのチームになっていく様子を見ているだけで胸が熱くなりました。

メジャーリーガーとしては異例の宮崎キャンプから参加していたダルビッシュ選手の存在が、「侍ジャパン」のチーム作りには本当に必要不可欠だったということも伝わってきました。自らの経験や知識を若い投手たちに惜しげもなく伝えていくその姿は、潔くてただひと言、本当にクールでカッコよかった!

佐々木選手がダルビッシュ選手から受けたアドバイスを吸収して、どんどん短期間で成長していく姿もまた感動的でした。まだダルビッシュ選手も現役を継続することができると思いますが、次の世代へのバトンタッチという意味合いもそこには確かにあった気がしました。

大谷選手の参加でチームの士気が爆上りし、その存在感はもうなんと言っていいのやら…。ただそこにいるだけでチームの雰囲気がガラッと変化し、選手たちは大谷選手と同じチームで戦えることへの喜びに満ち溢れていましたね。

そんな大谷選手も一試合目のピッチング前はかなり緊張している表情で、スーパースターもやっぱり人間なんだとしみじみ感じました。でも試合中他の選手たちを大声で称え、励まし、鼓舞し…チームの一員として盛り上げようとしている大谷選手の姿は清々しく惚れ直しました(笑)。人間が人間に惚れるというのはまさにこのことだと思います。試合そのものを純粋に楽しんでいるというのも、大谷選手らしかったなーと。

日本ではまだ無名だったヌートバー選手が参加することになり、本人は最初喜びと不安が半々だったと思います。言葉の壁もある中、チームメイトたちが”たっちゃんTシャツ”を着て迎え入れてくれた時のあの笑顔、最高でした。ペッパーミル・パフォーマンスを初めて披露した時、ヌートバー選手が「侍ジャパン」の一員で良かったと誰もが感じたことを懐かしく思い出しました。

それにしても、準決勝のメキシコ戦は今回改めて観てもよく勝てたなーという試合でしたね。佐々木選手が3ランを打たれて、ベンチ裏で涙している姿は頭をなでてあげたいほど憔悴しきっていました。でもこの経験も、佐々木選手がこれからますます大きく飛躍していくために必要な一つの糧となったと思います。

7回の吉田選手の同点3ランで追いついたものの、山本選手、湯浅選手の失点で2点差に。8回、山川選手の犠牲フライで1点差。9回裏の大谷選手のあの二塁打はやっぱり大きなきっかけでしたね。ヘルメットを脱ぎ捨てて、二塁で「俺に続け!」と言わんばかりに煽る姿はシビれました。その後の吉田選手のファーボール。まさに機は熟した…。

この大会通して本調子ではなかった村上選手。栗山監督が「将来の日本を間違いなく背負って立つ選手」と調子が悪くても使い続けたその想いに応えるかのような起死回生の一打!大谷選手と代走・周東選手二人が生還しての劇的な逆転サヨナラ勝ち!このシーンは何度観ても興奮してきます。

そして決勝戦。「憧れるのはやめましょう」の試合前の大谷選手のあの名言が、映画の中でも印象的に使われていました。ただメキシコ戦があまりにも凄い試合だったので、アメリカ戦は最後の最後、あの大谷選手VSトラウト選手の戦いがやっぱり一番の見せ場でしたよね。

1点差。一発あれば同点。二刀流ならではの泥のついたユニフォームで力投する大谷選手と、普段は同僚のトラウト選手。お互いに国を背負っての戦いを息をのんで見守りました。トラウト選手のバットが空を切っての三振。あの瞬間グラブと帽子を放り投げた大谷選手の喜びを爆発させた姿が目に焼きついて離れません。今年何十回観たと思いますが、何度観てもいい(笑)!

試合も、その裏側もいろいろ知ることのできたドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』。この映像は永久保存版にして、時折観返したいと思っています。自分が落ち込んでいる時、きっと力をくれると思うので。

次回は2026年のWBC。かなり気が早いですが(笑)、次はまたどんな選手たちが躍動してくれるのか非常に楽しみになりました!改めて感動をありがとうございました!!


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