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#201 消化性潰瘍診療ガイドラインの改訂
私は、薬剤師のブランクが6年を超えた医療業界の浦島太郎なのですが、2022年の春に薬剤師として自信を持って復帰できる力を身につけるために、薬の勉強を再開しました。
これは、その記録です。
詳細な情報は抜いて、ざっくりと簡単な概要を理解し、よく使われる薬や、ここ数年で発売された新薬の知識を定着させることを目標としています。
マガジンにまとめていますので、詳しくは、そちらもご覧ください。
今回の話は、 整形外科の担当時にNSAIDsをよく使っていたこと、 循環器内科の担当時には毎日のようにアスピリンに触れていたことから興味を持ちました。
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NSAIDsと低用量アスピリン(LDA)の長期服用による薬剤性潰瘍に対し、2020年6月、 診療ガイドラインにてその予防法が明確に示され、PPIの一次予防投与が推奨される形となりました。
さて、潰瘍治療にPPIを用いる場合には、最大8週間という投与期間の制限があるのがちょっと扱いにくいところ。
これまで、整形外科の患者など、強い痛みに対してNSAIDsを長期的に服用するケースに対しては、レバミピド(ムコサル、懐かしい!)の処方にとどまる程度でした。
しかし今回のガイドライン改定ではPPIの一次予防投与が推奨されたことから、NSAIDsの長期投与患者のうち、潰瘍予防薬が併用されていない場合には積極的に疑義照会をするよう、薬剤師も意識せねばなりません。
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うーん、これって、私が働いていた数年前も、整形外科病棟での先生との雑談レベルではよく行われていた処方な気がします。
「先生、この患者さん、ずっとロキソニン飲んでますけど、頓服とかにしないんですか?」
「そうしたいけどね〜、飲まないと不安なんだって。もう少し様子見ながら、まぁ減らす方向では考えたいところです。やっぱり胃薬出した方がいいですよね?」
「そうですねぇ。やっぱりムコスタになりますかね?でも、しょっちゅう胃が痛いらしいですよ。」
「それ、診察の時も言ってた。退院前に内科にコンサルかけて、レセプト上は胃潰瘍疑いってことでひとまずPPI出しておきましょうか。」
「退院後は、無駄に続けて飲まなくても済むように、ご本人にもお話ししておきますね。やっぱりロキソニン減らすのが一番ですよねぇ」
と、まぁこんな感じです。
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反対に、救急の専門医を目指していた先生の中にはNSAIDs反対派もいました。
「一度、救急車で運ばれてきて、鎮痛剤の服用が原因で、ものすごい胃潰瘍の患者さんを担当したことがあってね。整形では、まずは絶対にカロナールを出すって決めてるんだよね。」
でも、カロナール飲んでる患者さんって、「いまいち効かないんですけど。。。」って言ってくることが多かったような気もします(笑)
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今回は日経DIプレミアム、2021年2月号のテーマより抜粋しました。循環器のケースも書かれており、PCIとか、DAPTとか、懐かしいアルファベットもあったのですが、今の私にはお腹いっぱいなので今回のところはひとまずこれにて終了。
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