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禅語の紹介 「一得一失」 〜 捨てることはクリエイティブな行為だ

施無畏庵のほていです。


本日は禅語の紹介です。「一得一失」という禅語を紹介します。個人的に一番好きな禅語かも知れません。いつか誰かに書いてもらって、掛け軸に表装して床の間に飾りたい。


「一得一失」です。いっとくいっしつ、と読みます。

私の好きな博多人形師に中村信喬さんという方がいらっしゃって(その方は三代目)、下記の動画シリーズでしゃべっておられたときに、心にズドーンと残りました。動画の(3)で座右の銘として紹介されます。

こうおっしゃっています。

1つを得ようと思えば1つを手放しなさい。1つを手放せば1つを得ることができる。

「捨てれば入ってくる!」という言葉はよく使われるように思います。この言葉だと、「だから安心して捨てなさい」というニュアンスを私は感じます。しかし、実態としては「得たいものがあるなら覚悟して捨てろ!」という、喝を入れるようなことなんじゃないかと思われます。

人生の局面で何かを捨てることで打開できる、捨てることで大きな発見がある、というのはかなりあるんじゃないかと思います。清水の舞台から飛び降りる、なんて言葉もありますね。


最近思うのは、選択肢過多な現代において、選択肢や情報は大量にあるけど自分にとって結局何が大事なのかがわからない人が多い、という点です。優先順位がつけられなかったり、ポイントがつかめてなかったり、集中できていなかったり、色々あります。

その中で、過多にならないようにばっさりと情報なり関係性なりを切って捨てて、波立たない水面のように心を静かにすると、逆説的にといいますか案外、自分が大事にすべきポイントが見いだせると思うんですよね。情報や選択肢・選択基準は減らした方が、結局ポイントをつかめます。坐禅なんかもするとなおよし、です。


「捨てるという行為は創造性・クリエイティビティの第一歩なんだ」という理解がもっと広まっていけばなぁと思っています。


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