音の旅人

音の世界で生きている。ゆるりと徒然・・心模様・・

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マガジン

  • 音の図書館

    何を読んでも音楽的思考になってしまう。好きな本、何度も読みたい本、大切にしたい本・・・本に纏わる徒然・・感想のようなもの・・

  • エッセイ

    ふとした瞬間に思い出す記憶の中の自分。記憶というタイムマシーンに乗って 当時の私に会いに行く・・

  • さんぽ道

    私の散歩道。散歩で出会った風景・・心模様・・徒然

最近の記事

束の間のクロイツェル

桜色の雪化粧・・・ 微かに 小さく  さよならを告げる 白い花びらたち 束の間のさくら ・・・・ 久しぶりに ベートーヴェン作曲のヴァイオリンソナタ第9番 クロイツェルを聴く。 最高傑作ともいわれ、かつて私も虜になり練習した曲。 寝ても覚めても、クロイツェルのメロディが頭の中を 駆け巡っていた10代の頃。 ヨーゼフ・シゲティとクラウディオ・アラウの演奏を聴きながら 小さくサヨナラが聞こえ 記憶の中の思い出が、走馬灯のように駆け巡ります。 トルストイの短編小説は、

    • 希望の葉の奇跡

      この春から姪が大学生に✿ いつの間にか 大きくなり いつの間にか 芸術に目覚め いつの間にか 音楽の道へ進む。 一番驚いているのは、私かもしれない。 「お祖父ちゃんも、喜んでいると思うよ」 潜在意識の中にも、遺伝ってあるのかな・・ 奇跡のような話。そして希望でいっぱいの春。 ・・・・・・・ 先週・・・ フォーレの作品が課題になった生徒へ フォーレの人柄や作品などについて話ながら、 CDをいくつか貸し出す。 その中の一枚に「夢のあとに」が収録されている。 奏者はチェリス

      • 生き方・学び方

        時代に関係なく 自分に目覚め 自分の人生を歩む 猪爪寅子 ・・・初めてNHK朝ドラを初回から観ました・・・ 寅子よ、突き進め・・と、応援している私。 ・・・・ 私が育った昭和時代は、女子は高卒、短大卒が多く、 卒業後は就職し、お茶にお花にと花嫁修業、 そして寿退社が多かったように思います。 でも、私は寅子と似ていて、花嫁修業に興味がわかず、 お互いの人生を尊重しあえる相手がいい・・と、 心のどこかで思っていました。 大正生まれだった父も 「自分の人生を歩め」と言っていまし

        • 時が運んでくれたもの

          ベートーヴェン作曲の「エリーゼのために」は クラシックに興味のない方でも、 はじめのフレーズは耳にしたことがあるのではないだろうか。 私とエリーゼのためにとの出会いは、小学2年生のころ。 思えば・・・ ベートーヴェンへの恋の始まりでもあったのかもしれない。 子供の頃に弾いたという人は多い。 「私も弾ける」「私も弾いた」・・などと、 子供が弾く簡単な曲というような解釈では、あまりに悲しい。 また、音符を並べ、強弱をつけ・・ただ鍵盤へ楽譜を写したような 弾きぶりでは、もったいな

        束の間のクロイツェル

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          陽だまり

          ものの芽のひとつひとつにこころざし              伊藤敬子 陽だまりに包まれるモクレンに 友人からの句を思う。 気持ちのいい朝 気持ちのいい一日の始まり ・・・・ 居心地がいい・・と、思える人 居心地がいい・・と、思える場所 そこは  寄りそう言葉や空気に包まれている。 陽だまりのような存在。 ・・・・ 庭掃きをしていると「おはよう」と 朝の陽だまりから生まれてきたような 黄色いトンガリ帽子をかぶった友人。 一瞬陽だまりの妖精に見えた。 私には、年上の

          記憶の中の恋し食べもの

          ポンコツでも元気で、健康・・と思える自分が嬉しいこの頃。 休日とは休む日。 休むとは、完全に日常や仕事から離れること・・と、 何かで目にしたことがある。 なので、せめて音楽に関係のない本を休日に。 森下典子著の「こいしたべもの」 森下さんの本を読んでいると、湖畔の別荘にいるかのように、 静かに落ち着いてくる。静かな休日が、さらに静かになる。 世代が同じくらいなので、載っている食べ物は、 知っているものばかり。 書かれたイラストを見て、味も鮮明に覚えていることに驚く。 味も

          記憶の中の恋し食べもの

          神様の手帳

          小川洋子著の「博士の愛した数式」から 「自分が生まれるずっと以前から、誰にも気づかれず そこに存在している定理を掘り起こすんだ。 神の手帳にだけ記されている真理を、一行ずつ書き写していく ようなものだ。その手帳がどこにあって、いつ開かれているのか 誰にもわからない」 「数学の真理は、道なき道の果に、誰にも知られずそっと潜んでいる」 「神様の手帳だけに書いてある」 神様の手帳・・・美しすぎる響き・・・ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 20年ぶり?くらい

          神様の手帳

          無伴奏

          無数の木の枝に 人の思考も無数に無限・・などと思いながら チェロの音が聴こえてきそうな日曜日の空を眺める 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 ある先生がおっしゃっていた。 「この和音の響き、この響きの意味するところを読み取ったとき、 これ以上の至福はないと思った。 もう何もいらないと思うほどの至福がここにあるよ」・・と。 先生は、楽譜の向こう側の世界を感じ取って感動が溢れていた。 ・・・ 時々思う・・句を詠んで、瞬間的に果てしない世界を感じるとき、 それ

          菜の花だより

          踏切を待つ間  足元にふと目に入った菜の花 春だよ・・と、花が言う 菜の花は 菜の花を咲かせる どこに咲いても 菜の花は菜の花なのである 人もまた同じなのだ・・と、朝の悟り。 ・・・・・ 言葉拾い・・言葉を探す・・言葉を集める・・ いつも素敵な言葉を見つけ 教えてくれる友達がいる。 どうしてこうも的確な言葉が見つかる(思い出せる)のだろうと 感性と記憶力に脱帽してしまう。 またその見つけた言葉、目に止まった言葉を通して、 友達の人柄も伝わってくる。 ・・・・・ 俵万智

          菜の花だより

          星言葉

          梅は満開間近 寒桜も咲き 彩るいつもの散歩道 ・・・・・・・・・・ Eテレ・読書の森・・・福岡伸一さんの読書歴の回 福岡 伸一さんは、日本の生物学者であり青山学院大学教授。 ロックフェラー大学客員教授。専攻は分子生物学。農学博士。 本をどのように読んでいくのか、 希望が持てないとき、どのような本を読んだのか、 物静かに語っていた。 言葉と言葉の繋がりや文章の成り立ちを噛み締めながらゆっくり読む。その本の世界の時間で、本の世界に浸りながら読む・・と。 世界に浸る時間・・

          新しい道へ

          年が明けてから 新しい散歩コースに挑戦している。 挑戦というとアスリートっぽい響き・・・ 「少し遠い」と思っていたコースでも歩くには最適で まっすぐな道は歩く度に気持ち引き締まる思いがする。 イチョウ並木に富士山も見える。 とても大きく見える富士山は写真に撮るととても小さい。 満月と同じで届きそうで届かない。 住んでいる町からは富士山がよく見え 特に冬の富士山は、ありがたい思いがして 神社へ参拝したときのように手を合わせたくなってしまう。 見るたび清々しい気分になるのは、と

          新しい道へ

          今年最後の贈り物

          絵本 「あのこ」 樋勝 朋巳著 小さな「あのこ」は、毎日毎日いろんな物を持って、 小さな窓からやってきます。 持ってくるものは、小さすぎて役に立たなかったり・・・ ときにいたずらしたり・・でも・・ ある日、毎日やってくる「あのこ」が、やってこない。 当たり前のように、毎日やってきていた小さな「あのこ」 ・・・ 「あのこ」が、届けていたものは、 日々の何気ない小さな当たり前のことと似ている気がします。 当たり前すぎて、気づけないほど小さなこと。 日常は、そんなものの集まり

          今年最後の贈り物

          メリークリスマス

          大人になるにつれ  忘れてしまったもの 失くしてしまったもの そんなものたちを サンタクロースは 目にとまった本の中に  毎日見る自然の中に 大好きな音楽の中に 関わった人たちの中に 何気ない生活の中に ひっそりと忍ばせ 私のもとへ届けてくれている 今年は本棚に・・・

          メリークリスマス

          ハイリゲンシュタットの思い出

          凛々しすぎるお姿。 数々の名言を残しているベートーヴェン。 「真に称賛できる人物とは、逆境に直面したときに、自分の生き方を貫ける人間なのだ。」 「苦悩を突き抜ければ、歓喜に至る」 子供のころから いつもベートーヴェンが傍にいるようで 私にとってベートーヴェンの音楽は生きる力の源です。 協奏曲を聴きながらピアノパートを自分で弾く・・ それが小学生の頃の遊びでした。 ピアノと遊ぶ・・それが一番楽しかった。 今日は敬愛するベートーヴェンのお誕生日なので 思い出の写真ととも

          ハイリゲンシュタットの思い出

          色を奏でる

          各々が自分の色で奏でている かすかに歓喜の歌が聴こえてくるような・・書斎の窓(写真) 色には精霊が宿ると言う。 何かを語っているように見えるのはそのせいなのか。 また 風景はそれぞれの心の目を通して見ている。 どう見えるか、何を感じるのかは、自分の心の表れかもしれない。 ・・・・ 「色を奏でる」志村ふくみ著・・ちくま文庫 色に精霊が宿るように、ふくみさんの言葉には言霊が宿っている。言葉は、美味しい空気、美味しい水の如くスルスルと身体と心に入ってきます。 「あ〜なんて

          色を奏でる

          音の木

          青空に堂々と輝く 見ているだけで 清々しい気持ちにさせてくれる。 思わず・・私も両手を上げたくなった。 ・・青空に秋のシンバル・・