音の旅人

音の世界で生きている。ゆるりと徒然・・心模様・・

音の旅人

音の世界で生きている。ゆるりと徒然・・心模様・・

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  • エッセイ

    ふとした瞬間に思い出す記憶の中の自分。記憶というタイムマシーンに乗って 当時の私に会いに行く・・

  • 音の図書館

    何を読んでも音楽的思考になってしまう。好きな本、何度も読みたい本、大切にしたい本・・・本に纏わる徒然・・感想のようなもの・・

  • さんぽ道

    私の散歩道。散歩で出会った風景・・心模様・・徒然

記事一覧

おとうと

母の日に 弟から 「姉さんに」と薔薇をもらった。 小さな頃 私の名前を上手く言えない弟は「いっきーいっきー」と私を呼んで どこへ行くのも、後をついてきて、ずーっとお…

音の旅人
8時間前
4

音の行方

音とは、何か。 語りきれない世界がそこにある。 そして  音の行方もまた果てしなく・・・ 語りきれない世界がある。 ・・・・・・・・・・ ふつふつと湧いてくる考えご…

音の旅人
3日前
9

名画の休日

クリムトの「農園の庭」 そして ゴッホの黄金の色?・・と いつも散歩道に現れる名画の世界 ハッとして、夢かと思ったり 美しさに、うっとりしたり そこに佇む自分が絵の…

音の旅人
8日前
6

音楽の星へ

先日の訃報の朝 「死は神様が別の場所に導いてくれる出来事」          ・・フジコ・ヘミングの言葉 ・・・・ 昨年のリサイタル、歩行器を押して舞台に上がり …

音の旅人
8日前
7

束の間のクロイツェル

桜色の雪化粧・・・ 微かに 小さく  さよならを告げる 白い花びらたち 束の間のさくら ・・・・ 久しぶりに ベートーヴェン作曲のヴァイオリンソナタ第9番 クロイ…

音の旅人
4週間前
13

希望の葉の奇跡

この春から姪が大学生に✿ いつの間にか 大きくなり いつの間にか 芸術に目覚め いつの間にか 音楽の道へ進む。 一番驚いているのは、私かもしれない。 「お祖父ちゃん…

音の旅人
1か月前
12

生き方・学び方

時代に関係なく 自分に目覚め 自分の人生を歩む 猪爪寅子 ・・・初めてNHK朝ドラを初回から観ました・・・ 寅子よ、突き進め・・と、応援している私。 ・・・・ 私が育…

音の旅人
1か月前
13

時が運んでくれたもの

ベートーヴェン作曲の「エリーゼのために」は クラシックに興味のない方でも、 はじめのフレーズは耳にしたことがあるのではないだろうか。 私とエリーゼのためにとの出会…

音の旅人
1か月前
13

陽だまり

ものの芽のひとつひとつにこころざし              伊藤敬子 陽だまりに包まれるモクレンに 友人からの句を思う。 気持ちのいい朝 気持ちのいい一日の始まり…

音の旅人
1か月前
10

記憶の中の恋し食べもの

ポンコツでも元気で、健康・・と思える自分が嬉しいこの頃。 休日とは休む日。 休むとは、完全に日常や仕事から離れること・・と、 何かで目にしたことがある。 なので、せ…

音の旅人
1か月前
10

神様の手帳

小川洋子著の「博士の愛した数式」から 「自分が生まれるずっと以前から、誰にも気づかれず そこに存在している定理を掘り起こすんだ。 神の手帳にだけ記されている真理を…

音の旅人
2か月前
11

無伴奏

無数の木の枝に 人の思考も無数に無限・・などと思いながら チェロの音が聴こえてきそうな日曜日の空を眺める 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 あ…

音の旅人
2か月前
10

菜の花だより

踏切を待つ間  足元にふと目に入った菜の花 春だよ・・と、花が言う 菜の花は 菜の花を咲かせる どこに咲いても 菜の花は菜の花なのである 人もまた同じなのだ・・と、朝…

音の旅人
2か月前
7

星言葉

梅は満開間近 寒桜も咲き 彩るいつもの散歩道 ・・・・・・・・・・ Eテレ・読書の森・・・福岡伸一さんの読書歴の回 福岡 伸一さんは、日本の生物学者であり青山学院大…

音の旅人
2か月前
9

新しい道へ

年が明けてから 新しい散歩コースに挑戦している。 挑戦というとアスリートっぽい響き・・・ 「少し遠い」と思っていたコースでも歩くには最適で まっすぐな道は歩く度に…

音の旅人
3か月前
9

今年最後の贈り物

絵本 「あのこ」 樋勝 朋巳著 小さな「あのこ」は、毎日毎日いろんな物を持って、 小さな窓からやってきます。 持ってくるものは、小さすぎて役に立たなかったり・・・ …

音の旅人
4か月前
8
おとうと

おとうと

母の日に 弟から
「姉さんに」と薔薇をもらった。
小さな頃
私の名前を上手く言えない弟は「いっきーいっきー」と私を呼んで
どこへ行くのも、後をついてきて、ずーっとおしゃべりしていた。
少し歳の離れた弟は、ケラケラと笑い声が可愛くて
ほっぺたがお餅のように柔らかく触るとぷにぷにしていた。
今では、おじさんの風貌を通り越し、おじいさんのよう・・・にも見える。
それでも、やっぱり弟。可愛いよ。

音の行方

音の行方

音とは、何か。
語りきれない世界がそこにある。
そして 
音の行方もまた果てしなく・・・
語りきれない世界がある。

・・・・・・・・・・

ふつふつと湧いてくる考えごとと、それに纏わる思うところ

・・・・・・・・・・

以前に読んだ「パリ左岸のピアノ工房」

プレイエルやベートーヴェンのピアノ・・
数々の歴史あるかつての名器たち。
ボロボロの古いピアノが、職人の手によって次々と再生され
再びピ

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名画の休日

名画の休日

クリムトの「農園の庭」
そして ゴッホの黄金の色?・・と
いつも散歩道に現れる名画の世界
ハッとして、夢かと思ったり
美しさに、うっとりしたり
そこに佇む自分が絵の中に入ったようで
とても不思議な感覚。

・・・・・

先日 ある生徒のお家へ 教え子と一緒に遊びに行きました。
新しいお家と迎え入れたグランドピアノ。
弾き合い会のように順番に演奏し、
その光景はルノワールの「ピアノを弾く少女たち」の

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音楽の星へ

音楽の星へ

先日の訃報の朝

「死は神様が別の場所に導いてくれる出来事」
         ・・フジコ・ヘミングの言葉

・・・・

昨年のリサイタル、歩行器を押して舞台に上がり
身体は一回り小さくなった印象だったものの
演奏する音には生命力があり、
また聴く機会が今年もあると思っていました。
訃報を聞いて、
動揺と会えない悲しみと、心が少しざわつきました。

音楽の星へ旅立ったフジコさんのご冥福を
心からお

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束の間のクロイツェル

束の間のクロイツェル

桜色の雪化粧・・・

微かに 小さく  さよならを告げる 白い花びらたち

束の間のさくら

・・・・

久しぶりに
ベートーヴェン作曲のヴァイオリンソナタ第9番
クロイツェルを聴く。

最高傑作ともいわれ、かつて私も虜になり練習した曲。
寝ても覚めても、クロイツェルのメロディが頭の中を
駆け巡っていた10代の頃。

ヨーゼフ・シゲティとクラウディオ・アラウの演奏を聴きながら
小さくサヨナラが聞こ

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希望の葉の奇跡

希望の葉の奇跡

この春から姪が大学生に✿
いつの間にか 大きくなり
いつの間にか 芸術に目覚め
いつの間にか 音楽の道へ進む。

一番驚いているのは、私かもしれない。
「お祖父ちゃんも、喜んでいると思うよ」
潜在意識の中にも、遺伝ってあるのかな・・
奇跡のような話。そして希望でいっぱいの春。

・・・・・・・

先週・・・
フォーレの作品が課題になった生徒へ
フォーレの人柄や作品などについて話ながら、
CDをいく

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生き方・学び方

生き方・学び方

時代に関係なく
自分に目覚め 自分の人生を歩む 猪爪寅子
・・・初めてNHK朝ドラを初回から観ました・・・
寅子よ、突き進め・・と、応援している私。

・・・・

私が育った昭和時代は、女子は高卒、短大卒が多く、
卒業後は就職し、お茶にお花にと花嫁修業、
そして寿退社が多かったように思います。
でも、私は寅子と似ていて、花嫁修業に興味がわかず、
お互いの人生を尊重しあえる相手がいい・・と、
心のど

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時が運んでくれたもの

時が運んでくれたもの

ベートーヴェン作曲の「エリーゼのために」は
クラシックに興味のない方でも、
はじめのフレーズは耳にしたことがあるのではないだろうか。
私とエリーゼのためにとの出会いは、小学2年生のころ。
思えば・・・
ベートーヴェンへの恋の始まりでもあったのかもしれない。

子供の頃に弾いたという人は多い。
「私も弾ける」「私も弾いた」・・などと、
子供が弾く簡単な曲というような解釈では、あまりに悲しい。
また、

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陽だまり

陽だまり

ものの芽のひとつひとつにこころざし
             伊藤敬子

陽だまりに包まれるモクレンに
友人からの句を思う。
気持ちのいい朝
気持ちのいい一日の始まり

・・・・

居心地がいい・・と、思える人
居心地がいい・・と、思える場所
そこは 
寄りそう言葉や空気に包まれている。
陽だまりのような存在。

・・・・

庭掃きをしていると「おはよう」と
朝の陽だまりから生まれてきたような

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記憶の中の恋し食べもの

記憶の中の恋し食べもの

ポンコツでも元気で、健康・・と思える自分が嬉しいこの頃。
休日とは休む日。
休むとは、完全に日常や仕事から離れること・・と、
何かで目にしたことがある。
なので、せめて音楽に関係のない本を休日に。

森下典子著の「こいしたべもの」

森下さんの本を読んでいると、湖畔の別荘にいるかのように、
静かに落ち着いてくる。静かな休日が、さらに静かになる。
世代が同じくらいなので、載っている食べ物は、
知って

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神様の手帳

神様の手帳

小川洋子著の「博士の愛した数式」から

「自分が生まれるずっと以前から、誰にも気づかれず
そこに存在している定理を掘り起こすんだ。
神の手帳にだけ記されている真理を、一行ずつ書き写していく
ようなものだ。その手帳がどこにあって、いつ開かれているのか
誰にもわからない」

「数学の真理は、道なき道の果に、誰にも知られずそっと潜んでいる」

「神様の手帳だけに書いてある」

神様の手帳・・・美しすぎる

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無伴奏

無伴奏

無数の木の枝に
人の思考も無数に無限・・などと思いながら
チェロの音が聴こえてきそうな日曜日の空を眺める

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

ある先生がおっしゃっていた。
「この和音の響き、この響きの意味するところを読み取ったとき、
これ以上の至福はないと思った。
もう何もいらないと思うほどの至福がここにあるよ」・・と。
先生は、楽譜の向こう側の世界を感じ取って感動が溢れてい

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菜の花だより

菜の花だより

踏切を待つ間  足元にふと目に入った菜の花
春だよ・・と、花が言う
菜の花は 菜の花を咲かせる
どこに咲いても 菜の花は菜の花なのである
人もまた同じなのだ・・と、朝の悟り。

・・・・・

言葉拾い・・言葉を探す・・言葉を集める・・
いつも素敵な言葉を見つけ 教えてくれる友達がいる。
どうしてこうも的確な言葉が見つかる(思い出せる)のだろうと
感性と記憶力に脱帽してしまう。
またその見つけた言葉

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星言葉

星言葉

梅は満開間近
寒桜も咲き 彩るいつもの散歩道

・・・・・・・・・・

Eテレ・読書の森・・・福岡伸一さんの読書歴の回
福岡 伸一さんは、日本の生物学者であり青山学院大学教授。
ロックフェラー大学客員教授。専攻は分子生物学。農学博士。

本をどのように読んでいくのか、
希望が持てないとき、どのような本を読んだのか、
物静かに語っていた。
言葉と言葉の繋がりや文章の成り立ちを噛み締めながらゆっくり読

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新しい道へ

新しい道へ

年が明けてから 新しい散歩コースに挑戦している。
挑戦というとアスリートっぽい響き・・・
「少し遠い」と思っていたコースでも歩くには最適で
まっすぐな道は歩く度に気持ち引き締まる思いがする。

イチョウ並木に富士山も見える。
とても大きく見える富士山は写真に撮るととても小さい。
満月と同じで届きそうで届かない。
住んでいる町からは富士山がよく見え
特に冬の富士山は、ありがたい思いがして
神社へ参拝

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今年最後の贈り物

今年最後の贈り物

絵本 「あのこ」 樋勝 朋巳著

小さな「あのこ」は、毎日毎日いろんな物を持って、
小さな窓からやってきます。
持ってくるものは、小さすぎて役に立たなかったり・・・
ときにいたずらしたり・・でも・・
ある日、毎日やってくる「あのこ」が、やってこない。
当たり前のように、毎日やってきていた小さな「あのこ」

・・・

「あのこ」が、届けていたものは、
日々の何気ない小さな当たり前のことと似ている気が

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