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翻訳家の存在:lesson 77《スタッフ育成向上講座》

店長としてチームを成長させていくためには、さまざまなアプローチが必要ですよね。

チームスタッフも千差万別で、一人として同じ人材はいません。
だから、それぞれに対してそれぞれに合った関わりを持つ必要があるわけですが、ここがなかなか難しいタイプの店長もいます。

特に苦労しがちなのは、プレイヤーとして一流だった店長です。
店長が一番店の売上を作れるという場合もそうですが、小売業って往々にして『売上の良い人』を店長にしがちな傾向にあります。

これは決して間違いではないのですが、その実、周りのスタッフが成長しにくくなりやすいという現実もあります。
そうなってしまう理由とともに、ではそんな店長でもチームを成長させるために必要なことが何かについて今回は考えていきましょう。

lesson 77:翻訳家の存在《スタッフ育成向上講座》

売上を上げられる一流プレーヤーが店長になった時に困ること。

それは何かというと、一流プレーヤーにしかわからないことをスタッフに伝えられないという点です。
これはおこがましい話かもしれませんが、僕自身も相当に苦労をしました。

僕が店長になったタイミングというのは、ある店舗にいた頃で、そのグループ全店の中で売上日本一をとって少しした頃でした。
まさに売上が良いスタッフが店長になるという典型的な例です。

確か年齢的には25歳を過ぎた頃だったと思いますが、客観的に見て、売上に関しては店舗でもダントツでしたし、全国に点在しているグループ内でも太刀打ちできるスタッフはいないくらいの売上を持っていました。

正直言って、”自分が売ること”に関してはもうそんなに苦労をしない状態だったわけです。

しかし、店長になってからの現実はそう甘くはありません。
自分が店長になると、自分自身がスタッフを育てる(=売上を上げてもらうことも含めて)ようになります。

そこで自分の売り方を伝えようとするのですが、これがまぁ伝わらないのです。
いくら言葉にして伝えようとしても、スタッフにはピンと来ていない。その繰り返しで僕自身も疲弊していましたし、スタッフも疲れていたんだと思います。
結果として、人はどんどん辞めてしまいましたし、直後は店舗の売上も厳しくなってしまいました。

これがよくある、プレーヤーが店長になった時に起こる実例です。
皆さんの周りでも同じようなことが起きたという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

・・・・・・

さて、こういう時に店長としてやるべきことは大きく2通りあります。

①伝わるように言語化する努力をする

これがまず一つ目です。
自分が伝えられないなら、伝わるように(伝えられるように)努力をするということですね。

いわゆる言語化の作業ですが、僕の場合はメールマガジンを書き始めたことが大きな転換期でもありました。
自分のノウハウを人に伝えられるように言語化する練習を繰り返したことで、今のような仕事(研修を通して人を育てる)ができていると言えます。
自分なりに言語化する努力はしましょうといつも発信を繰り返しているのもそういう理由からです。

しかし、先に書いたように僕が店長をやり始めた頃にやったことは実は言語化ではありません。
勘違いされがちなのですが、言語化を始めたのはもっと後のことでして、当時の僕はそこまで頭が回っていませんでした。
にも関わらず、スタッフの売上を伸ばし、店舗の売上も大きく飛躍させられたのは違う方法を取ったからです。

それが2つ目の方法、

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