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設計した人の人格がUX/UIにつながる

私はいろいろな人がデザインするUX/UIを見てきました。やはり設計した人の性格や思想が、如実に成果物に反映されやすいとよく感じています。
ですので、UX/UIを仕事とする人は、単にデザインのテクニックや知識を身につけるのではなく、きちんと人格形成することもとても大事なのです。

自分のすごさを知ってほしい人

はじめて会う人で、急に自分の自慢話やいかに素晴らしい仕事をしているか、などひたすら自分の素晴らしさをアピールする人、いますよね。しかしながら、人の自慢話ほど退屈なものはありません。もちろんその自慢話の中にも有益な話はあるかもしれませんが。

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特にIT業界で最も多いのはテクノロジーを全面に押し出したUX。新しい技術ばかりに意識が集中してしまい、肝心な使い方がよくわからない。
自慢話ばかりする人と通じるものがあると思いませんか? 初対面の人に対して、自分の持っている特別な知識やナレッジを一方的に話まくる。きっとものすごいことなのでしょうが、前提知識がない人がそれを聞いても何も分かりません。私たちUXに携わる人間はこの素晴らしいであろう知識と、それに全く興味を持たない人々をうまく橋渡しし、日々の生活をアップデートすることにあると思っています。

無口な人、しゃべりすぎな人

無口な人は、何を考えているかよく分かりません。一方で聞きたくもない話ばかりして肝心な主旨が伝わらない人もいます。どちらも相手側は何をすれば良いのかが分からないという課題が生まれます。

では、アプリやウェブサイトでこの人格に似た事例をピックアップしてみましょう。一つは画面が真っ白になる。エラーが起きているのか、読み込み中なのかよく分からない。今どういう状態なのかをしっかり伝える必要があります。そして、404エラー、サーバのセッションがタイムアウトしました。こんなことが書いてある画面、以前よりだいぶ減りましたが、まだまだ見受けられます。意味がよく分かりませんし、404の数字の由来は何だろう、と物思いにふけった挙句にそのサイトを使うのをやめてしまうでしょう。

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今何が起きているのか、そしてどうすれば解決するのか、これらをしっかり伝えなければなりません。
何かのエラーに遭遇したときに、どのように状況を伝え、どのようにネクストアクションを促すかが大事です。例を上げてみましょう。

- 件数がいっぱいで保存できませんでした。
- 最大10件までしか登録できません。件数を減らして再度保存してください。

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さらに気を利かせるとしたら、以下のような選択肢をつけることでしょう。
- 古いデータを1件消して保存する
- 編集画面に行く

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やりすぎてはいけないのは、親切すぎてお節介にならないことです。
- 過去1か月使われていないデータを全て消して保存する
- 一部のデータをアーカイブして保存する。アーカイブデータは一時的にしか再現できず、完全に復元するためには、件数を減らす必要があります

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など、極端な例ですが、一見便利そうですが何が消されるのか分からなかったり、無駄に高機能で使い勝手が分からない仕様を追加する、実はこういうやりすぎた機能追加を見かけます。やりすぎか適切か、この判断の基軸はリアルな世界での人の人格に置き換えて判断してみましょう。言葉足らずか、お節介すぎるか判断ができるはずです。

個性的な人

「デザイナーは芸術家ではない」多くのデザイナーが一度は言われるであろう言葉ですよね。
自分が表現したいデザイン、このデザインで多く人に評価されたい、それはまさにアートです。もちろん、そのような売り込みをして個人名で生計を立てるデザイナーはたくさんいます。その方向に振り切るという判断ももちろんありだと思います。
それでも多くの人が利用するサービスにおいては、アート性だけでは成り立ちません。私自身の好みは大事ですし、直感的な判断をする時に好みにより左右されることもあります。しかしながらそれは、時として個性的すぎないかを客観視する必要があります。

自分たちのために商品をつくってはいけません。
人々が求めているものを知って、人々のために商品をつくりなさい。
ウォルトディズニー

UXはデザイナーのものではない

UXを考える時に、それがユーザーのためのものであり、デザイナー個人のものではないことを認識しましょう。そしてこのマインドを理解するためには、デザイナーの人格形成がとても大切なのです。


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