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マイ・フェイバリット・ソングス 第30回~ビートルズ

(2020年9月 新しく書きました)

ビートルズに関しては詳しく解説されているブログなどが山ほどあるし、一曲ごとのエピソードなども書きだすとキリがないので、ここではアルバムの基本的な情報をご紹介しつつ、僕の好きな曲を挙げる程度にしたいと思います。というか基本的にビートルズの曲は全部好きですが・・・。


『Please Please Me』(1963年)
 
いきなり30週連続1位となったデビュー・アルバム。(これを引きずりおろしたのはビートルズのセカンド・アルバム) オリジナルが8曲でカバーが6曲。そして、なんと既発表シングル以外の10曲をたった1日(10時間弱)でレコーディングしたという。しかも、その日ジョン・レノンは風邪をひいていて、鼻声のまま録音されているんですよね。僕が特に好きなのはオリジナルの「Please Please Me」「P.S. I Love You」とカバーの「Twist And Shout」かなあ。「I Saw Her Standing There」みたいなルーツロック的な曲はわりと溢れていたと思うんだけど、「Please Please Me」という曲のオリジナリティは当時かなり衝撃的だったんじゃないかと思うんですよね。あと「Twist And Shout」は風邪のジョンが10時間歌わされた最後のレコーディングでかなり嗄れ声になってるんだけど、そのシャウトこそが後のロックンロールの定番になっていくんですよね。偶然の風邪が歴史を作るという。改めて聴くと、これってA面で既に四人それぞれが自己紹介的にメインボーカルを取ってるんだなあ。


『With The Beatles』(1963年)
 
2nd. 全14曲中カバーが6曲。オリジナルはもちろん素晴らしいんだけど、カバー曲が光っているアルバムでもありますね。「Till There Was You」も「Please Mister Postman」も「Devil in Her Heart」も完全にビートルズのものにしていて大好きな曲です。昔テレビで井上陽水さんが自らの「Tokyo」という曲は「Till There Was You」を元にして作ったということをギター弾きながら解説していて面白かったなあ。たしかによく似てる。「Please Mister Postman」の3人のコーラスワークも素晴らしいですよね。オリジナルではやっぱり「All My Loving」が好きですね。この曲のジョンのギター最高です。あと初めてジョージが作曲した「Don’t Bother Me」も収録されています。初期はまだ楽器編成もシンプルだけど、手拍子が印象的な曲が多いですよね。このアルバムだと「Please Mister Postman」とか「Roll Over Beethoven」とか「Hold Me Tight」とか。


『A Hard Day’s Night』(1964年)
 
3rd. A面が初主演映画のサントラ、B面が新しくレコーディングされた曲で、初の全曲オリジナル。全作詞・作曲レノン=マッカートニー(どっちが作っても「レノン=マッカートニー」名義にする取り決めになっているけど、基本的にはボーカルを担当している方がメインで作っています。純粋な共作もいくつかあるけど)このアルバムだとやはり表題作の「A Hard Day’s Night」が好きだなあ。ボーカルがジョンとポールで入れ替わるあたりなんかもすごくカッコいいんですよね。この頃のビートルズはジョン・レノン色が強くて、このアルバムは特にジョンが引っ張っていますよね。ジョンの作った「If I Fell」というバラードも好きですね。あと「And I Love Her」はポールの歌声もいいけど、ジョージのガットギターも素晴らしいですよね。


『Beatles for Sale』(1964年)
 
4th. クリスマスセールに間に合わせようとツアーの合間に急ぎ足でレコーディングしたそうで、さすがにオリジナル曲が間に合わずカバー6曲が収録されています。皮肉のこもったアルバムタイトルですよね。とは言え、すごくいいアルバムです。僕の大好きな二曲が入っています。まず「Baby’s In Black」。これは6/8拍子のリズムもメロディも好きだけど、曲の背景もいいんですよ。ビートルズの元メンバー、スチュワート・サトクリフが1962年に脳腫瘍で他界してしまうんですが、その婚約者であったアストリッド・キルヒャー(写真家でビートルズをマッシュルームカットにした人)に捧げられた曲なんですね。悲しみを乗り越えられずにいる彼女を励ますために。またこの曲はジョンとポールが一本のマイクで同時録音しているそうで、この二人のハーモニーが最高に美しいんですよね。もう一曲はポールが16歳のときに書いたという「I’ll Follow the Sun」。これはポール節全開といった感じの名バラードですね。他にも手拍子が印象的な名曲「Eight Days A Week」はもちろん素晴らしいし、カバーだとジョンが歌うチャック・ベリーの「Rock And Roll Music」もカッコいい。この曲ジョンが活き活きしてるように感じます。根っからのロック小僧といった感じで。


『Help!』(1965年)
 
5th. A面が主演映画のサントラ、B面がカバー2曲を含む新曲という構成。まずは何といってもジョンの悲痛な叫びが込められた表題曲「Help!」ですよね。初期はシンプルな恋の詞が多いけれど、このあたりからジョンは個人的な苦悩やダークな面も詞にしていくようになりますね。この独白的な作詞スタイルは後に多くのアーティストのお手本となります。他にジョンの曲ではボブ・ディランの影響を受けた「You’ve Got To Hide Your Love Away」もいいし、「Ticket To Ride」も名曲ですね。ジョージは後に奥さんになるパティ・ボイドのことを書いた「I Need You」「You Like Me Too Much」の2曲を歌っています。そしてポールはここで不朽の名曲「Yesterday」を生み出します。これは残り三人は参加せず、弦楽四重奏をバックに歌うポールのソロのような曲。ビートルズは後期に向けてジョンからポールへ政権交代していく感じがあるんですが、その最初のきっかけがこの名曲の出現だったような気がします。あとポールだと「Another Girl」もけっこう好きですね。ちなみにこのアルバムの旧邦題『4人はアイドル』が示しているように、このあたりまでアイドル的な扱いをされていた部分もあったビートルズですが、次のアルバムから芸術家のような存在になっていくんですね。またカバー曲を歌っているのはこのアルバムまで。というわけで、ここに一つの区切りがあるように僕は感じています。


『Rubber Soul』(1965年)
 
6th.  ここから怒涛の名盤が続きます。ビートルズの名盤ということに留まらず、ロックの歴史にとって重要な作品群。ここから全曲オリジナルで、基本楽器(ドラム・ベース・ギター)以外の楽器も目立つようになります。まず特筆すべきは「Norwegian Wood(This Bird Has Flown)」でジョージが弾くインドの楽器シタール。西洋音楽に西洋以外の楽器が取り入れられた最初の例とのことで、これはジョージの偉大な功績ですね。(このようにビートルズは「最初の例」を次々作っていきます)他に「In My Life」のバロック風のピアノなども斬新。この2曲にしても「Nowhere Man」や「Girl」にしても、このアルバムでジョンが中心となって作った曲はどれも素晴らしいなあ。もちろんポールも負けてはいません。特に「Michelle」は大好きですね。これってアコースティックギターが目立つ曲ではあるけれど、ポールのベースが複雑で凄いんですよ。こんなに歌うベースを弾く人って他にいないんじゃないかな。このアルバムが一番好きというビートルズファンは非常に多いですね。


『Revolver』(1966年)
 
7th.  非常に実験的でサイケデリックなアルバム。そしてこのあたりからライブで再現できない曲が増えてくることもあって、ビートルズはコンサートをやめてしまいます。(観客がキャーキャー言ってちゃんと音楽を聴かないからという理由もあったみたいだけど) またサイケなサウンドになる大きな理由として、ポール以外の三人がLSDにハマっていたこともあるようです。そのトリップ体験が「She Said She Said」や「I Want To Tell You」などに反映されています。ジョージはさらにインド音楽に傾倒していますね。このアルバムだと僕はなんといっても「Here,There And Everywhere」が大好きですね。ポールの最高傑作のひとつではないでしょうか。三人のハーモニーがすごく美しい。ポールの曲だとストリングスを取り入れたクラシック風の「Eleanor Rigby」やバロック調の「For No One」も素晴らしい。ジョンの曲だと前衛的な「She Said She Said」や「Tomorrow Never Knows」に痺れますね。他にも「And Your Bird Can Sing」のツインギターとか「Taxman」のポールのベースとか、演奏の面でも聴きこどころ満載のアルバムです。


『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』(1967年)
 
8th.  世界初のコンセプトアルバム。架空のバンドがショーを行っているという設定で、バンドのテーマ曲「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」で始まり、最後に同曲のリプライズで締めた後、アンコールとして「A Day In The Life」が流れるといった構成。この斬新なアイデアはポールの発案で、アルバム自体もポールがかなり主導権を握っています。さらに「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」や「Good Morning Good Morning」などの激しいリードギターは、ギタリストのジョンやジョージを差し置いてベーシストのポールが弾いているという。前作からの流れでサイケデリックな要素もあるけど、ポールが中心になっているためか、全体的に明るく楽しいアルバムですね。ジョンはこの頃ややスランプ気味だったらしいけど、そうは言っても「Lucy In The Sky With Diamonds」みたいな名曲も書いているし、僕は「Good Morning Good Morning」も大好きですね。ラストの「A Day In The Life」は主部をジョンが、中間部をポールが作っていて、二人の才能が見事に融合した名曲。それにしても、改めて聴くと「With A Little Help From My Friends」のポールのベースは痺れますね。というわけで世界初の斬新な試みが詰まっているアルバムで、「ロック史上最も偉大なアルバム」の投票なんかだとよく1位に君臨している名盤中の名盤ですね。


 『Magical Mystery Tour』(1967年)
 
これは公式には英国オリジナルアルバムの扱いには入らないみたいです。というのは、当時イギリスではA面の6曲(テレビ映画「マジカル・ミステリー・ツアー」のサントラ)が2枚組EPという変則的な形でリリースされてるんですよね。でも、アメリカではA面にサントラ6曲、B面に既発表シングル5曲を収録したLPとしてリリースされた。そして結果的にこのアメリカ盤が定着したという経緯みたいです。ともあれ、映画のテーマ曲とシングルが集まっているわけだからベスト盤に近い内容で、このアルバムの収録曲は僕も大好きなものばかりです。「Magical Mystery Tour」はトランペットが印象的なカッコいいオープニング・ナンバー。続く「The Fool on The Hill」はジョンも「完璧」と絶賛したというポールの名曲。僕は長年この曲はガリレオ・ガリレイのことを歌っていると思っていたんだけど、今ちょっと調べたらポールはマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのことを歌ったと発言してるみたいですね。「Hello,Goodbye」も大好き。1番はポールが一人で歌って、2番のサビからジョンとジョージのコーラスが入ってきて盛り上がる感じとかすごくいいなあ。この曲のポールのベースも最高です。あまりにカッコよくて今回この曲だけ5回聴きなおしてしまいました。ポールだと「Penny Lane」もいい。そして「Strawberry Fields Forever」はジョンの最高傑作じゃないかと僕は思います。なんて素晴らしい曲だろう。そしてラストは「All You Need Is Love」で大団円を迎える。これでもかというほど名曲揃いのアルバムです。


『The Beatles』(1968年)
 
通称「ホワイトアルバム」。2枚組30曲入りのバラエティに富んだ楽曲群で、「現代音楽のすべてが詰まっている」とも評されています。ビートルズがこのアルバムでロック音楽の可能性を広げてくれたから、今の音楽界があるといっても過言ではありません。ただメンバーそれぞれが個別に録音することが多かったことから、「ソロの寄せ集め」という批判的な意見もあったようです。メンバーの仲も非常に悪く、リンゴがレコーディングをボイコットしたり、ジョンが参加していない曲があったり、ポールひとりで録音してる曲があったりと、バラバラな感じ。(ここには書ききれないけど、曲ごとの裏エピソードを知るとけっこう面白いです) とはいえ、楽曲はどれも素晴らしく、このアルバムを最高傑作と呼ぶ人も多いですね。僕も大好きです。好きな曲を挙げるとキリがないんだけど、僕なりの聴きどころとして「ジョンとポールの対比」のポイントがあるんですよね。まずB面ラストの2曲、ポールが恋人のリンダを歌う「I Will」と、ジョンが母とオノ・ヨーコを重ねて歌う「Julia」が並んでいる。この愛の表現の違いとか。C面最初の2曲、ポールが「Birthday」(共作の記述もあるがポール主導で作ったと思われる)で生を高らかに歌い上げれば、ジョンは「Yer Blues」で<俺は孤独だ。死にたいぜ>と歌う。この陽と陰の対称性とか。あと全体を通じても、ポールは「Ob-La-Di,Ob-La-Da」とか「Blackbird」といったキャッチ―で耳あたりの良い曲を作っているのに対して、ジョンは「Revolution 9」のような前衛的で難解な方に舵を切っている。その対比も面白いんですよね。


『Yellow Submarine』(1969年)
 
アニメ映画のサントラ盤で、A面がビートルズの曲、B面がジョージ・マーティン作曲のインスト。しかもA面のうち「Yellow Submarine」と「All You Need Is Love」が既発表作なので、ビートルズの新曲は4曲しか入ってないですよね。というわけで、僕はこのアルバムはあまり聴いていません。リンゴが歌ってる曲がメインという貴重なアルバムではありますが。ところで、ここまであまりリンゴ・スターのことを触れてきませんでしたが、彼のドラムも素晴らしいですよね。彼の性格同様あまり強く主張するドラムじゃないけど、多様な楽曲群に合わせてピッタリの演奏をしますね。柔軟で職人的。ロック史上初の試みを繰り出すレノン=マッカートニーの曲に変幻自在の対応をしてみせる。ドラマーがリンゴじゃなかったらビートルズの曲は成立しないと思いますね。


『Abbey Road』(1969年)

解散の危機を迎えた状況の中で作られた事実上のラストアルバム。ロック史に刻まれる大名盤ですね。これもポールが先頭に立って作っている感じがあります。ジョンはこのアルバム制作が始まった頃には既にソロ・シングルをリリースしていますね。まずこのアルバムで特筆すべきは、ジョージ・ハリスンが大名曲を作っているということです。ひとつは「Something」。メンバーもジョージの最高傑作と言っています。(僕の友人がこの曲のポールのベースを絶賛していたけど、たしかに素晴らしいですね。)もうひとつは「Here Comes The Sun」。僕はジョージの曲ではこれが一番好きです。爽やかで素敵な曲ですよね。そして『Abbey Road』といえば、なんといってもB面のメドレーですよね。「You Never Give Me Your Money」から「The End」までひと繋がりで繰り広げられるロック・メドレーの最高峰。何度聴いても素晴らしすぎて鳥肌が立ちます。神がかった美しさ。こんな傑作でバンドの大団円を飾るなんてカッコよすぎるでしょう、ビートルズ!って感じですよね。このメドレーはひと繋がりで聴いてこそですが、僕は特に「Golden Slumbers」が大好きです。そしてすべてが終わった後に、史上初の隠しトラックとして「Her Majesty」が流れるという。最後の最後まで、新しい試みだらけのバンドですね。


『Let It Be』(1970年)
 
解散から一ヶ月後にリリースされた同名映画のサウンドトラック。ざっくり経緯を整理すると①オーバーダビングを行わない『Get Back(原点に帰ろう)』というアルバムを制作するためレコーディング・セッション(ゲット・バック・セッション)を行う。→②メンバーの覇気はなく、ポールとジョージは対立し、その完成度の低さから『Get Back』はお蔵入りに。→③気を取り直して『Abbey Road』の制作に取り掛かる。→④『Abbey Road』リリース→⑤事実上解散→⑥「ゲット・バック・セッション」の音源を元にフィル・スペクターがオーバーダビングを施し、タイトルを『Let It Be』に変え、映画のサントラとしてリリース。 ということみたいです。つまり、このアルバムは一部の曲を除いて『Abbey Road』より前にレコーディングされているんですよね。そして一度ボツになっている。さらに、当初ビートルズが意図していた「オーバーダビングを行わない」という趣旨に反して、フィル・スペクターがオーバーダビングをしている。「The Long And Winding Road」を勝手にオーケストラ・アレンジにされて、ポールが激怒したという有名なエピソードもありますね。そんな風に様々ないわく付きのアルバムですが、生っぽさやジャム感を楽しめる貴重な作品でもあります。ポールは不満だったようだけどもちろん「The Long And Winding Road」はいい曲だし、「Let It Be」は紛れもない名曲ですよね。そして「Across The Universe」はジョンの最高傑作のひとつじゃないかと思います。メンバー間がギスギスしていて、最も覇気のなかった時期にこれだけの名曲を作っているんだから、ビートルズというのはとんでもないバンドですよね。フィルのオーバーダビングを取り除いて、本来の演奏でまとめ直した『Let It Be...Naked』(2003年)というのもリリースされているので、聴き比べてみると面白いです。ちなみにデビューからこのアルバムのリリースまで、ビートルズの活動期間はわずか7年半でした。

※追記 その後、「ゲット・バック・セッション」の様子を収めた『The Beatles:Get Back』(ピーター・ジャクソン監督・2021年)という約8時間のドキュメンタリーを観ました。もちろんピリピリした雰囲気や対立は多少あるものの、基本的には4人とも仲良く和気あいあいとした様子が収められています。これまでの印象が少し変わりました。


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『Past Masters vol.1』(1988年)
 
イギリス版公式オリジナル・アルバムに未収録だった楽曲を集めて1988年(解散から18年後)に2枚同時リリースされたコンピ盤。ビートルズはアルバム未収録のシングル曲がたくさんあるので、この二枚によってほぼ全曲を補完できるようになっています。ビートルズの楽曲を網羅するには欠かせない二枚。例えばこの「vol.1」には「From Me To You」「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」「I Feel Fine」といった大ヒット曲が並んでいますが、これらは前述のオリジナルアルバムにはどこにも入っていないんですよね。「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」のドイツ語版なんかも収録されています。僕はこのアルバムだと「I Feel Fine」と「This Boy」が特に好きです。


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『Past Masters vol.2』(1988年)
 
こちらにも「Day Tripper」「We Can Work It Out」「Paperback Writer」「Lady Madonna」「Hey Jude」「The Ballad Of John and Yoko」といったアルバム未収録のヒットシングルが並んでいます。アルバムとはバージョンの違う「Across The Universe」と「Let It Be」も。これもいい曲ばかりだなあ。シングルB面曲だった「Don’t Let Me Down」もカッコイイし。そして、なんといっても「Hey Jude」は素晴らしいですよね。これって、ジョンがヨーコと不倫の関係となり妻シンシアと離婚することになった頃、落ち込んでいるジュリアン・レノン(ジョンとシンシアの息子)のためにポールが書いた曲なんですよね。ポール優しいなあ。その背景を踏まえて聴くとより感動的な曲ですね。


ビートルズは「赤盤」「青盤」とか「1」とか親しみやすいベスト盤も出ているので、最初はそこから入っていいと思うんですよね。誰もが知っているヒット曲が並んでいるし、それだけでも存分にビートルズの魅力を味わうことができます。でも、オリジナルアルバムを聴くと、彼らが「史上最も偉大なバンド」「ロック音楽の先導役」「ロックの可能性を無限に広げた4人」などと呼ばれている理由がよく分かると思います。本当の意味で攻めてる曲や実験的な曲ってベストには入ってないし、『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のコンセプト性とか『The Beatles(ホワイトアルバム)』の多様性の素晴らしさはそのアルバムを聴いてこそだし、『Abbey Road』のB面メドレーの凄さもベスト盤で聴くことはできないので。ベストしか聴いたことのない人は、オリジナルを聴いてみると今の10倍くらいビートルズのことを好きになれると思いますよ。


ジョン・レノンのソロについてはこちらをどうぞ。

ポール・マッカートニーのソロについてはこちらをどうぞ。

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