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2016年7月以降にネットで発表した詩
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白鳥省吾賞受賞作「波」

白鳥省吾賞受賞作「波」

白鳥省吾賞優秀賞受賞作「波」がネット上で公開となりました。以下のサイトの『第25回白鳥省吾賞受賞作品集』(PDFファイル)からは講評などもご覧いただけます。よろしくお願いいたします。

第25回白鳥省吾賞の結果|宮城県栗原市 (kuriharacity.jp)

白鳥省吾賞優秀賞の賞状をいただきました

白鳥省吾賞優秀賞の賞状をいただきました

白鳥省吾賞優秀賞の賞状などをいただきました。白鳥省吾さんの写真が入った素敵な賞状です。副賞もこんなにたくさんいただいてしまいました。このたびは本当にありがとうございました。3月6日から6月23日まで白鳥省吾記念館にて受賞作品展が開かれるそうでなのでよろしくお願いいたします。

第25回白鳥省吾賞の結果|宮城県栗原市 (kuriharacity.jp)

白鳥省吾賞優秀賞を受賞しました

白鳥省吾賞優秀賞を受賞しました

このたび「波」という詩が第25回白鳥省吾賞優秀賞を受賞いたしました。どうもありがとうございます。以下のサイトにて正式発表されています。

メトロ文学館に入選しました

メトロ文学館に入選しました

第38回メトロ文学館にて「柱の傷」という詩が入選し、ポスターにしていただけました。どうもありがとうございます。入選作は本日より約2週間メトロ文化財団のホームページからもご覧いただけるとのことです。

東京メトロの中吊りに詩が掲出されています

東京メトロの中吊りに詩が掲出されています

第31回メトロ文学館にて優秀作品に選ばれた「帰省」という詩が、7月下旬から9月まで東京メトロの中吊りに掲出されています。読んでいただけたら嬉しいです。よろしくお願い致します。

今回の優秀作品・入選作品はHPでもご覧いただけます。

岸辺の羊

五分後に島が沈む

そのときぼくはきみと海辺にいて

岸には一艘の小舟があった

それに乗れば助かるんだけど

一人しか乗れないっていうんだ

いやな雲が空を覆っていてね

見たことのないはやさで潮が満ちてきた

それでぼくはきみを舟に乗せた

ぼくにももう少し自己愛というものが

あるとばかり思っていたけれど

少しもためらわなかったな

でもたまらなくこわかった

海の藻屑となることよりも

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島崎藤村記念文芸祭にて佳作をいただきました

第13回島崎藤村記念文芸祭現代詩部門にて「おたまじゃくしと少年」という詩が佳作をいただきました。どうもありがとうございました。

氷河記

日常が追ってはこられない

さいはての部屋で

ふたり天井のオーロラを消し

糊のきいた氷河に横たわる

凍てついた大気が

温暖化されるまで待てはしない

ふたり血のぬくみで

たがいを溶かしあう

くらがりの中でもわかる

北極海の澄んだひとみ

息を止めていてもわかる

肌からたぎるコロナのかおり

あなたは沈まぬ太陽

わたしは地軸をかたむけて

その中心核に焦がれる惑星

あなたはたゆま

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夜汽車

晩秋のしじまを切り裂き

夜汽車は走る

漆黒の体躯より濛々と

真白いため息を吐き出して

冷えきったレエルを噛み

駆動輪は回る

きそくただしい律動を

五臓六腑にひびかせて

わたしの肩に頭を乗せて

あなたは寝息を立てている

小刻みにふるえるつむじから

仄かにリンドウの香りがする

わたしは肩を動かさぬまま

あなたの小指をそっとにぎる

目を覚まさせぬていどに

いとおしさを加減し

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小指

いそがしい夢をすこし休んで

ひとり訪れた晩秋の海は

夏の喧騒など忘れたかのように

日がないちにち無口だった

黒砂の浜辺でひざをかかえ

はっさくのような夕陽を見ていた

引き潮の波は足にとどかず

正しく海へとかえっていった

胸のほころびを縫いあわせてくれた

あなたのやさしさを思い出す

うすべに色に染まる雲が

いつかの頬に似ていたので

しあわせになろうと指きりしたのは

こんなた

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日本詩人クラブ賞を受賞しました

このたび「まなうらの花」という詩が日本詩人クラブ賞を受賞しました。どうもありがとうございました。昨日柏崎市で行われた授賞式に行って来ました。壇蜜さんがいらしてました。

しっぽ

ある朝 目が覚めると

尾てい骨あたりに違和感があった

生あたたかく くすぐったい

まさか いやそんなはずは

おそるおそる手で触れてみると

いやな予感が的中した

しっぽだ

なぜこんなことになったのか

野生に還るようなことをしたとすれば

昨日の夜 ベビースターを

手づかみで食べたくらい

でもそれなら彼女だって

隣りで眠るひとの臀部に触れると

つるんとしていた

これはたいへん

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砂時計

喫茶店の窓から射しこむ西日が

すすけた学術書の頁にそそぐ

レポート手伝ってと甘えればあなたは

いつも嫌がらずに付き合ってくれる

それを知っていてまた

ここに呼び出したのだった

注がれたばかりの二杯目の珈琲から

にがい香りの湯気がゆれのぼり

わたしの視線はそれにまぎれて

あなたの眼鏡の奥をのぞきこむ

黒いひとみは真剣に

フロイトの分析を追っていた

きっとあなたはそんな目で

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「詩と思想」に寄稿しています



9月28日発売『詩と思想 10月号』P.82に「蚊を殺した」という詩を寄稿しています。読んでいただけたら幸いです。よろしくお願い致します。