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共創型イノベーションに重要なこと

こんにちは。
クラウド会計ソフトのfreee株式会社で働く、関根です。

2020年4月より、
武蔵野美術大学 大学院 造形構想研究科 造形構想専攻クリエイティブリーダーシップコース に通っています (経緯等については、以下記事ご参照)


当大学院では、「クリエイティブリーダーシップ特論」という授業があり、毎週、各業界のデザイナーや起業家、ソーシャルイノベーションの担い手の担い手...など、さまざまな方々をゲストとしてお招きしています。

クリエイティブリーダシップ特論 第5回目(2020/6/22)は、
独立行政法人産業技術総合研究所で、メディアアーティストとして活躍されている江渡浩一郎さんのお話をお伺いしました (twitterページ)

江渡さんは、ユーザー参加型研究の場である「ニコニコ学会β」の実行委員長を勤められた方です。

今回はそのお話の中で印象的だった「共創型イノベーション」について共有します。

共創型イノベーションとは

共創型イノベーションとは、「ユーザーが主体となり、コミュニティを形成し、イノベーションの創出を行う」という定義となります。

この考え方の前提にあるのは、

・ユーザーは、世界を変えるような発明・発見をする可能性がある(「ユーザー・イノベーション」
・私たちは、ユーザーが発明・開発しやすい環境を整えることができる(「インクルージブデザイン」)

という発想があります。


ユーザーは自らが使用するプロダクト・サービスに対して、自身の嗜好性や新しいニーズに応じて、カスタマイズ・革新を行うことがあり、これは多くの国で共通的に見られる事象だそうです。

マウンテンバイクも、元々はオフロードで自転車に乗るために、ユーザーが自ら改良したことから、製品開発され、市場に流通したそうです。

また、ユーザーが起こすイノベーションは、一人で行うよりも、コミュニティを形成したユーザーの方がイノベーションを起こす可能性が高いとの研究が報告されています。

そして、そのコミュニティを自然発生的に待つのではなく、主体的にコミュニティ作りを意図的に行い、想像の場を提供するというコンセプトが、この「ニコニコ学会β」だったということになります。

共創に必要な、「多様性」と「共通善」

そうしたコミュニティにおいては、似通った方で集まるのではなく、なるべく多様なメンバーで構成されること、また、共通の大きな目的・ビジョン(「共通善」)が設定されることが必要だそうです。

多様なメンバー、ダイバーシティの重要性は、下の記事にも記載されています。

面白いのは、多様性が多いことで失敗の数は多くなるが、イノベーション・ブレイクスルーが出る可能性は高くなるということだそうです。

...日本企業に求められるのは、多くの失敗を奨励するカルチャー作りと、しっかりR&D/研究開発の投資を怠らないということですかね、、。

と話を戻すと、そういったユーザーの集まる場を提供し、しっかりとそこから出てくる新しいアイデアを取り入れ、開発に繋げていくということが、イノベーションの創造に貢献できるだろうという発想なんだろうなと。

で、多様な意見やアイデアがバーーと出てくるときに大事なのは、共通善で「誰のために、何のために、これをやるのか。達成したいのか」をしっかりとメンバーが共通言語として認識し、言葉に出せる仕組み作りは大切なんだろうなと思いました。

最後に

今回は短い内容となりましたが、江渡さんが仰ったことを、最後に共有します。

イノベーションの創造を考えた時に、ネットワークの可能性をどう広げるか、コラボレーションの可能性に興味があった。
創作活動を支援する場を提供し、サポートすることでイノベーション作りに貢献したいと考えた。

今でこそ、各企業でファンコミュニティ作りに勤しんでいたりしますが、この考えは、ニコニコ学会βが立ち上がる2011年には提唱されていたわけで、当時にはなかった新鮮な発想だったのではないかと思います。

現在、デザイン思考でも人間中心設計の考え方は大分浸透してきてはいますが、イノベーションを産むようなエクストリームユーザー(キャズムで言うなら、イノベーター)をしっかり発掘して、観察し、開発に活用させて頂くというスタンスは、しっかり持っていきたいですね。

ということで、今回は以上です!
引き続き宜しくお願いします!

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