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【3分で読める世界史】コーヒー・ハウスの政治的役割

前回はロンドンのコーヒー・ハウスには、情報の集積という役割があったことをお伝えしました。

今回はコーヒー・ハウスのもうひとつの役割について話したいと思います。

例によって、中公新書の『コーヒーが廻り 世界史が廻る』を参照しながら進めていきます。

ロンドンにコーヒー・ハウスが現れ始めたときは、ちょうど産業が発達し、商業ベースの勢力と戦い始めた頃でした。

産業資本が、王権と深く結びついた巨大独占商業資本に対して起こした闘争の特殊な性格が、ロンドンのコーヒー・ハウスの特殊な性格を説明するのである。

『コーヒーが廻り 世界史が廻る』より引用

この時代、イギリスの公の場を牛耳っていたのは、王室と商業資本家でした。

産業資本家はまだ登場したばかりで、政治的活躍の場をもっていません。

ここで産業資本家の公の場として受け皿になったのが、コーヒー・ハウスでした。

産業資本家はコーヒー・ハウスで議論を重ね、大衆の支持を得ていきます。

当然これまでの公権側である王国政府は、これを認めるわけにはいきません。

政府はコーヒー・ハウスの閉鎖を命じました。

しかし公衆の場で形成されていた世論の力は、すでに大きくなっていたのです。

反対運動が起き、政府は方針転換を余儀なくされます。

こうして、コーヒー・ハウスはますます隆盛し、産業資本家の政治的活躍の場となりました。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今回はコーヒー・ハウスが担った役割の、第2弾をお届けしました。

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では、また次回!

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