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【3分で読める世界史】混迷する近世イギリス

コーヒーから見た世界史は、いったんおしまい。

今回から近世ヨーロッパ史に戻ります。

まずはおさらいです。

17世紀、イギリスでは絶対王政が倒され、国王のいない共和政が樹立されました。(ピューリタン革命)

しかし絶対王政を打倒した指導者クロムウェルは、あらたな独裁を始めてしまいます。

クロムウェルの独裁政治はどうなっていくのか。

この記事を読めば、共和政以降のイギリスの状況が分かります。

①王政復古

クロムウェルは厳格なピューリタン(禁欲を是とするプロテスタント・カルヴァン派)でしたが、その規律を国民にも押し付けました。

「娯楽は禁止」「居酒屋も閉鎖」

国民はたまったものではありません。

「絶対王政の頃のほうが、まだよかった」とイギリス国内は不満がたまっていきました。

そしてクロムウェルが亡くなると息子のリチャードが、国のトップの地位である護国卿を引き継ぎます。

しかしリチャードは、不満が爆発している民衆をもうコントロールできない状態と判断、すぐに護国卿を辞任しました。

共和政のトップが不在となり、これを機に王政に戻そうと、議会が再開されます。

議会はフランスに亡命していたチャールズ2世を呼び戻し、国王として迎え入れました。(王政復古)


②裏切られたブレダ宣言

チャールズ2世は、イギリスに戻るのに先立って、

「議会を尊重する」「信仰の自由を認める」

というブレダ宣言を発表しました。

「良識のある方が国王になられる」と市民は喜びます。

しかしイギリス国王に即位したチャールズ2世は、独断的に権力をふるう専制政治を復活させます。

さらに亡命先のフランスで影響を受けたチャールズ2世は、カトリックを保護し、ピューリタンを弾圧しました。

議会も国民も「聞いていた話と違う」と怒り、国王と対立します。


③議会の反撃

カトリックに傾倒し専制政治を敷く国王に対し、議会は法律をつくって戦います。

公職者の席をカトリックから取り戻すべく、審査法という法律を制定。

公職者をイギリス国教徒のみとし、国王派を追い出します。

議会はさらに「国民を弾圧から守る」と

人身保護法を制定。

不当逮捕を禁止しました。

終わりに

本日はひさしぶりに近世ヨーロッパに戻ってきました。

イギリスは絶対王政を終わらせたと思ったら、共和制で独裁政治。

独裁政治を終わらせたと思ったら、国王の専制政治と、落ち着く間がありません。

次回はついに名誉革命です。

イギリスに安息の日は訪れるのか。

お楽しみに!

参考文献


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