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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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2024年4月の記事一覧

あの日、コペンハーゲンの街角で

一生忘れられない日というのは誰にでもあるものだ。 デンマーク在住時に、あるプロジェクトで村上春樹氏の事務所に作品の使用許可をもらおうと四苦八苦していたことがある。 どうしたら許可をいただけるだろうかと首をひねりながら、いつものようにコペンハーゲンの街角のカフェで仕事でもしようと足を運ぶ。ストロイエの入り口近く、2本に分かれる道の間にある、サンドイッチがお気に入りの行きつけのカフェのひとつだ。 すっかり慣れ親しんだドアを引くと、入り口から少し入ったところの席に、佇まいに重

チョコレートが買えなくなる!?カカオ豆の歴史的高騰

カカオ豆が市場最高値を更新し続ける異常な高騰が続いています。約半年で先物価格は1トン当たりで約3.4倍に。銅の価格を超えたらしいです。はっきり言って異常な状態です。史上類をみないカカオ豆の高騰により、チョコレートの価格は大幅に高騰する未来が予想されます。今カカオとチョコレートの世界で何が起こっているのかをお伝えしたいと思います。 史上最高値を更新し続けるカカオ豆2024年4月19日ニューヨーク先物市場における1トン(1000㎏)あたりのカカオ豆の価格が12,218㌦となりま

チベット仏教を学びにインド留学してきた。

気づいたらインド留学を終えてから4ヶ月も経ってしまいました。 時間が経つとともにだんだんと過ごしていた時間が消化されて、今アメリカの寮の部屋で振り返ると、本当にあの時間は本当だったんだろうかということが不思議に思える。 今後の自分自身のためにも、今まで説明をしていなかった知り合いの人々に向けても、なぜインドに留学したのか、どんな時間を過ごしたのか、何がTakeawayだったのかをある程度まとめておきたいと思います。かなり散文的になりますが、ご容赦ください。 目標はいくつか

【SDGsとは一体、何だったのか?】第2回「持続可能な開発」概念のルーツはどこにある?

*** 【連載第2回】「持続可能な開発」概念のルーツはどこにある? 1SDGsから何を連想する?  みなさんは「SDGs」と聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか?  ある人はSDGsとは「エコ」のことだと考えるかもしれない。レジ袋削減や気候変動対策が、生活と大きな関わりがあることも大きいだろう。  またある人は差別をはじめとする社会問題の解決や「多様性」のことを、またある人は、まちづくりや地域おこしのことがSDGsなのだとイメージするかもしれない。世界の貧しい人を

なぜ紙の書籍が売れなくなったか――中国の書籍販売事情

行舟文化 張克溯  昨年、私事で中国上海に一時帰国した。用事をすべて済ませてから、学生時代によく通っていた「上海書城」へ行ってみようと思った。「上海書城」は中国でも最大級の書店であり、本屋がいっぱい並んでいて文化的雰囲気が濃いということで「文化一条街」とも呼ばれる「福州路」にある。  場所は二十年前と変わらずすぐに見つかったが、入ってみるとまず驚いたのは天井の高さだった。いつの間にかリニューアルされたのか、目視で5メートル以上もあるのではないか。しかしそれ以上驚かされたの

「ロンドンに行ったらインド料理を喰え」

我が家の子供たちは、毎週土曜日にプールで水泳を習っています。 週末は妻が仕事でいないことが専らであるため基本的に私が電動自転車で送迎するのですが、坂が多いエリアに住んでいるため前後に子供2人を乗せると自分が重いこともあり正直結構タイヘン! でもこれも運動なので致し方なし、とエンジョイしています(たまに帰りに子供たちと3人でランチして帰ったりして、カロリー大幅超過してしまうこともあるんですけどね) ママやパパたちはレッスン中、プールの上層階から高みの見物?が出来るようにな

モモ【2】 インド化したモモ

その日、私はデリー市内にある巨大ショッピングモールのフードコートにいた。好調なインド経済を象徴するように、大勢の買い物客たちがさまざまな店でショッピングを楽しんでいる。もちろん、広大な席数を誇るフードコートも、昼時ともなれば大勢の食事客が集まり、下手をすると席の確保すら難しい。何とか確保した一席に座り、さて何を食べようかと居並ぶテナントの看板をぐるり見回した。すると黄色地に黒と赤で店名が書かれた、よく目立つテナントが目に入った。Wow!Momoである。 Wow!Momoはコ

カザフスタンの世界遺産は、何もない大草原だった

その朝、ホテルで簡素な朝食を食べながら、そこへ本当に行くべきかどうか、迷っていた。 春のカザフスタンの旅の途中、タラズという小さな町で迎えた朝だった。 何もなさそうな町で1泊してみるのもいいかもしれない……と立ち寄った町だったけれど、そのタラズは想像以上に、何もない町だった。 前の日の夕方、カザフスタン鉄道をタラズの駅で降りても、どうやら観光客は僕一人しかいないようだった。 駅を出て、夕暮れの町を歩き始めても、心を動かされる風景は何もない。 陰鬱な曇り空の下、彩りを

2250 万円使って世界一周した夫婦の話

「世界一周 予算」 とネットで検索すると大体 150-200 万円と出てきます。 ネットで調べるといかに安く世界一周できるか?いかに節約旅ができるか?いかにお得に航空券を取るか?みたいな情報がたくさんありますが 個人的には世界一周で本当に大切なのはいかに安くやるか?ではなく、 いかに楽しい旅にするかだと思っています。 僕ら夫婦は、 自らの欲望に嘘をつかず忠実に食べたいものを食べて、 行きたいところに行って、 やりたいことをやって、 泊まりたいホテルに泊まる!という世界一周

台湾ひとり研究室:翻訳編「#35《大港的女兒》の舞台、高雄へ取材旅行に行ってきました。」

台湾南部の港湾都市、高雄。台湾第二の都市ともいわれる街です。台湾に嫁いでからというもの、何度もここには足を運んでいましたが、今回は「取材旅行」という体で、ちょっと趣が違います。どんな旅だったのか、概要からご説明していきますね。 訳者に現地視察は必要か?

スラウェシ島の温泉をめぐる旅 2日目ゴロンタロ観光と温泉巡り

今日は一日かけて温泉3ヶ所、伝統家屋、砦跡を見に行く予定にしている。 まずは、ホテルでバイクをレンタルする。1日40,000ルピアで貸してくれるのはありがたい。 朝寝坊してしまいホテルを出発した9:30には太陽がかなり昇り日差しがキツくなっていた。 わたしは念の為日焼け止めを塗っておこうとコンビニに立ち寄り、日焼け止めを購入し腕と顔に塗った。これで準備万端だ。 まず向かうのは街から東に向かい30キロ弱のところにある温泉。遠いところから順に回っていく。 1.パンギ温泉(ピ

SDGsとは一体、何だったのか?【世界史でよむSDGs】はじめに

いまや日本のSDGsは、空虚な「記号」である  2015年に採択されたSDGs(国連持続可能な開発目標)は、スタートしてから早9年目を迎えようとしている。  SDGsの実施年限は2030年だから、まだあと6年ちょっと、残されていることになる。  にもかかわらず「SDGsとは一体、何だったのか?」などと問うのは、ちょっと時期尚早ではないかと思われるかもしれない。  最初に筆者の立場を明確にしておけば、日本におけるSDGsはすくなくとも本来の趣旨に沿った受容には失敗している

【ニッポンの世界史】#34 1970年代のまとめ

 これまで1970年代に多くの回を費やしてしまいました。  それも無理はありません。  こうやってみてみると、1970年代の「ニッポンの世界史」には、これまでになかった多くの新しい要素がつけ加わり、そうした「転回」こそが、1980年代以降の転回に大きな影響を与えることとなるからです。  以下に整理しておきましょう。  たとえば ①文化圏学習は、比較文明論、国際化言説を通してビジネス教養的世界史へ。  ②マルクス主義批判(政治・経済史偏重)は、実証主義や社会史への関心

超穴場!ウズベキスタンに行ってほしい!

アッサローム・アライコム!(こんにちは!) 趣味が海外旅行の社会人です。 僕が海外旅行好きなのは色々な人が知っていて、 「◯◯(国名)はどうだった?」と聞かれた時に、感動も苦労もどう答えるのがベストなのか、もどかしさを感じていた。 そこで、この国はこうでした!こんな魅力がありました!ここが大変でした!をnoteで言語化しようと思った次第。 記念すべき第1回目はウズベキスタン🇺🇿 中央アジアにあり、かつてはシルクロードで栄えた青の都・サマルカンドが有名。 サマルカンドブル