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SDGsって胡散臭い!?_極東の島国の民としてどう向き合うか?

どうも!
セイタです!!
北京大学修士課程で社会学を学んでいます。


Green Ponta ActionというポンタポイントとSDGsが組み合わさったプロジェクトから下記のような企画があったので、SDGsに関する記事を書いてみようと思いました~

普段SDGsについて考えることはあまりありませんが、せっかくの機会なので自分なりにどう考えているのかを発信してみようと思います~


まず、「SDGsとは何か」について簡単にまとめると以下のように説明できます。

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの頭文字をとった言葉で、2015年に国連総会で採択された目標のことです。日本語では「持続可能な開発目標」と呼びます。一言でいうと、2030年までにより良い世界を目指す国際目標です。

ルートテック:『SDGsを簡単にわかりやすく解説!17の目標を企業や個人でできること


より良い世界を目指すための行いを網羅的にアジェンダとして設定されているため、常識的に考えてよいと考えられることはSDGsに貢献する可能性が高いです。具体的には以下の17項目が挙げられています。

SDGsの達成すべき17項目




SDGsという言葉のうさん臭さ

この記事を読んでいるということは、読者の方はほぼ確実に日本人かなと思います。あくまで憶測にすぎませんが、日本人がSDGsに対して抱いている感想は以下の項目に二分されるかなと考えています。
・SDGsにそこまで興味がない。
・SDGsになんとなくうさん臭さを感じる。


SDGsに関する意識調査の結果より_電通と損保ジャパンの調査より

まず、SDGsに関する認知度に関して電通(N=約1,200人)と損保ジャパン(N=約1,400人)の調査を例に出して紹介させていただきます。

電通の調査では、86%が名前を認知していると出ています。
ただし、内容まで含めて知っているのは34.2%程度です。

電通、第5回「SDGsに関する生活者調査」を実施


一方で、
損保ジャパンの調査では88.5%が名前を認知していると出ています。
よく知っている層は20.2%となっています。

「SDGs・社会課題に関する意識調査」


この二つの調査から言えるのは、なんとなくは理解しているが、詳しくは知らないという層が比較的多いということです。

さらに、これら調査では「どの程度実践しているかという項目もあるのですが、割合は大きく下がります。





SDGsウォッシュ_見せかけのSDGs

次に、うさん臭さを感じさせる最大の要因である見せかけのSDGs「SDGsウォッシュ」に説明していきます。大まかにいえば以下の三つに大分されます。

①SDGsの取り組み実態がない、あるいは客観的な証明(第三者の認証、活動の記録や報告書など)がないにもかかわらず、SDGsをうたう

②実際以上にSDGsに取り組んでいるように見せる、もしくは終わった取り組みや未着手の取り組みを、現在進行中のように装う

③環境対策など、積極的に取り組んでいるSDGs目標がある一方で、職場に低賃金や長時間労働などの問題を抱えている

日経BizGate:『SDGsウオッシュって何? 会社の本気示す3つのカギ


自分はこのような名ばかりSDGsに関する偏見を強く持っていたので、SDGsのバッヂを付けているサラリーマンを見ると、うさん臭さを感じていました。

ハフポスト日本版:
SDGsバッジをつけるだけで満足する人にならないために、今知っておくべきこと』より


自分と同じような感覚を持っている人も少なくないと思います。





ヨーロッパ諸国のグローバル戦略としてのSDGs

最後に、欧州諸国の戦略としてのSDGsに関して説明していきたいと思います。

まず、SDGsの達成度が高い国を見ていただきたいです。

Sustainable Development Report 2022

トップ10位はすべてヨーロッパ諸国です!!

ヨーロッパ以外の国だと
・日本が19位
・ニュージーランドが26位
・韓国が27位

となります。

さらに言えば、
・アメリカが41位
・中国が56位

です。

このランキングからもSDGsはヨーロッパ式のゲームであることがうかがえます。あくまで個人的な見解なのですが、ヨーロッパはグローバルで通用するルールを作り、それに基づいて国際政治を動かすのに長けています。

ひょっとすると、日本人にはこのような考え方がなじまない、あるいは少し偽善のように感じる人がいる根本的な理由がここにあるのかもしれません。




日本人としてどのようにSDGsに向き合っていくべきか??

前章では、SDGsに関する概略及びSDGsという言葉のうさん臭さについて書いてきました。

この章では、われわれ日本人がどのような姿勢でSDGsに向き合っていくべきかについて、ミクロとマクロの両面から意見を述べたいと思います。




マクロ:SDGsというルールに上手に乗っていく。

国や企業といったマクロな目線でまず書いていきたいと思います。
大前提として、極東の島国の住民がSDGsを取り巻くグローバルな言説に影響力を持てる可能性は限りなく低いと考えております。


なぜならば、SDGsというゲームは「法と倫理」を支配するヨーロッパと「経済」を支配する米中を主軸に進んでいくからです。

落合陽一:『2030年の世界地図』SBクリエイティブ 2019年 p291


研究者でアーティストと評論家で実業家の落合氏は以下のように語っています。

ヨーロピアン・デジタルは「法と倫理」を第一に考えているといえます。この層は実体を欠いた抽象的な領域ですが、その下の層のの方向性を根本から規定する力を持っています。

落合陽一:『2030年の世界地図』SBクリエイティブ 2019年 p290

残念ながら、日本にこのような法と倫理をつかさどるような力はありません。経済力という観点からも今後日本が世界で再び影響力を持つようになることはないでしょう。



落合氏はこのような状況下で日本が生き抜く方法として以下のように述べています。

日本は、ヨーロッパの理念に同調しつつ、アメリカと中国の中間に立つことで独自の存在感を発揮できるのではないしょうか。米中の単純な性能のみを競う開発競争には参加せずに、欧州が推す脱炭素のランキングで持続可能な開発のための手法で上位を独占するというやり方は、今後の日本が目指すべき戦い方の一つだと思います。

落合陽一:『2030年の世界地図』SBクリエイティブ 2019年 p312

ここに落合流のプラグマティズムが浮き彫りになっています。

つまり、SDGsの理念どうのこうのではなく、如何にSDGsを利用するかということが焦点となります。これが一つの方向性になりうるかと思います。




ミクロ:SDGsに過度に反する行動様式や発言をしない

最後に個人として、どのようにSDGsに向き合っていくべきかについて述べていきたいと思います。ここで述べる内容は完全に筆者の独断と偏見になります。「そういう風な考え方もあるんだな~」くらいに捉えていてください。

一言でいえば、「SDGsに過度に反する行動様式や発言をしない」になります。現在筆者は中国北京にて大学院生をしているのですが、中国はSDGsのランキングも56位とSDGsに関して関心のある国ではありません。それでも欧州の留学生も数多くいるので、一応気を付けています。

具体的な例を挙げていけば、きりがない上に、ものすごく些末な事柄になってしまうので、一つだけ事例を挙げさせてください。


一つ目が、食べ残しをしないです(笑)
ひょっとすると聞いたことがあるかもしれませんが、中国人は文化として客人が来た場合には料理を食べきらないくらいの料理を頼みます。食べきれないということは客人が満足してくれたということを意味するからです。

最近ではフードロスの観点から、学校の食堂にも「食べきりましょう」や「ご飯を残さない」といったスローガンが書かれた張り紙がたくさん貼ってありますが、文化はそう簡単に変えられるわけもありません。日本人の感覚からは考えられないような残し方をしていることが多々あります

自分は日本人的な感覚で、食べ残しがあまり好きではないだけなのですが、欧州人といるときは「SDGs的によくない」とか言っています(笑)

モノは言いようということですね。


以上が自分がSDGsについて感じることとその実践になります。
自分は中国の大学院にいるので、一般的な日本人とは少し違った行動様式や考え方を持っていると思います。

ぜひ、みなさんもどのようなことを意識しているかを教えてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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