応用統計講座_期末課題※無料サンプル付き
どうも!
セイタです!!
北京大学社修士課程で社会学を学んでいます。
この記事では2023年春学期に受講した《応用統計講座(高级统计专题)》という授業の期末発表と期末レポートについて書いていきます!!概略について興味のある方は以下の記事をご覧ください。
期末レポートは授業の成績全体の40%で、期末発表は全体の10-15%を占めています。なので、この二つで成績の半分が決まるといっても過言ではありません。
期末発表
期末発表は1人から3人で定量調査を行い、10分程度で発表するといった内容になります。そして、期末レポートはその内容をレポートにするといった内容です。
メンバーは自由に選べたので、この先生の研究室の修士と博士(授業のTA)の人のペアに入れてもらいました。全員人口学が専門かつ定量調査ができるメンバーだったので、楽できると思っていたのですが、意外とてこずりました、、
プレゼンの取り組み方
プレゼンのテーマとしては、『職業分類が出生傾向に与える影響』です。これは修士の子がやりたいというテーマをそのまま採用しました。なので、データの分析や先行研究などは修士の子が最初メインで進めていました。
しかし、発表の4,5日前に「何度やっても統計的に有意な結果が出ない」という報告が入りました。そのため、もともとの役割を入れ替えて、僕が先行研究のまとめ、博士の先輩がデータ分析、修士の学生がプレゼンをするという風にしました。できたら、早めに言ってほしかったです、、、
もともと、先生からは「良い結果が出なくても問題ない。研究の過程を発表するだけでもよい」と言われていたのだ唯一の救いでした。。。
周りの学生はより高度な研究手法を用いて、統計的に有意な数字を出している学生がほとんどでした。学生の中には頑強性(Robustness)のチェックまでしている学生もいました。一方、自分たちのチームは研究手法も一般的でなおかつ結果も出ていないというお粗末な状況でした、、
もうちょい確認しながら進めたらよかったなと思っていますが、他の課題が少し忙しかったのでそんな時間がなかったのも事実です、、
プレゼン内容
自分は先行研究や研究の背景についてのパワポを作りました。
具体的には中国の人口動態が以下のように変化している点について説明しました。
・中国の60歳以上人口がすでに18%を超えており、65歳以上人口も13.5%という水準に来ていること。
・省内及び省間の移動人口が大幅に増加していること
上記2点を背景知識として紹介しました。
その後、修士の学生から提供された2本の論文を実証研究としてサラッと紹介するためのパワポを作りました。
まずは
職業が出生願望に影響を及ぼす際の媒介変数についての研究です。職業は収入と労働時間という変数に影響を与えることで、出生願望に影響を与えることが実証されています。
もう1本が
自営業としてはたらくことが第2子出生に与える影響についての論文です。自営業という職業タイプが個人の収入や幸福感、今後の展望に影響を与えることで第2子出生願望に影響を与えるということが述べられています。
以下、自分が作成したパワポになります。もしよければ参考までにどうぞ~
プレゼン準備にかかった時間
プレゼン準備トータルでは6時間半かかっています。
内訳としては、
・参考文献:4時間
・パワポ作成:2時間半
となっています。
研究設定や課題の設定はすべて他のメンバーが行っていたので、時間を節約することができました。他の授業のレポートや発表と被っていたので、省エネモードでした(笑)
期末レポート
期末レポートは上記のプレゼンで発表したテーマを基に執筆しました。あまり良い結果が出なかったので、本当はテーマを変えるか、データを0から処理しなおすかしようと思ってたのですが、時間がなかったのでプレゼン内容をリサイクルしました、、
レポート提出の翌月に学会発表があったり、その次の週からフィリピンに1か月語学留学に行ったりで忙しかったのです、、
レポートの概略
レポートのテーマは期末プレゼンとほとんど同じで、『職業と出生意向に関する関係性』としています。
レポートの構成としては、
・導入
・先行研究
・データと変数
・分析結果
・まとめ
となっています。典型的な実証研究の章立てです。
以下、サマリーです。
導入と先行研究
このレポートの導入はそのまんまプレゼン内容で利用したやつを使いました。そのため、かなり楽できました(笑)
先行研究の紹介は理論と実証研究に分けました。理論の部分に関しては以下の書籍を参考に『人口問題』という別の授業でまとめたものを再利用しました。なので、ここでも楽しました(笑)
なお、5つの理論を紹介したのですが、以下の5本の論文がその出典になります。
人口問題のレポートが興味のある方は以下のリンクからご覧ください~
実証分析に関しては、プレゼンで利用した2つの論文と日本の事例を1つ盛り込みました。
この論文は女性の就業と出生希望について書かれています。女性の就業率が高い地域では、25-29歳時での第一子を望む率の男女差が小さくなっていることが実証されています。
以上を踏まえて、以下2つの仮説を立てて、実証分析に進んでいきました。
H1:仕事の種類によって、出生意向に与える影響は異なる。
H2:安定した高収入の職業に就いている人の出産意向は、他の職業に就いている人よりも高い。
定量研究
ここまでがいわば、前処理です。ここからがいよいよ本番です。
使ったデータは「2014年全国流动人口卫生计生动态监测调查」で、人口移動に関する項目の多い調査データになります。
被説明変数は「出生意向」を使用しました。
説明変数は職業なのですが、無職をベースラインとして数ある職業を「公務員」「サービス業」「農業」「工業」に分類しました。
コントロール変数は性別、年齢、民族、教育水準、戸籍、保険を使用しています。
ロジスティック回帰の結果としては以下のようになりました。
モデル1がコントロールをしなかった場合で、モデル2がコントロールをした場合です。ここから言えることは職業という変数はその他もろもろの社会経済変数の媒介変数もしくは高度に相関しているため、それ単体では大きな効力を発揮しないということでした。
最後にこのレポートで用いた参考文献が以下のものになります。
レポート執筆にかかった時間
レポート執筆にはトータルでは13時間半かかっています。
内訳としては、
・参考文献:5時間半
・定量分析:4時間弱
・レポート執筆:4時間強
となっています。
既に定量分析を実施済みで、そのやり直しだったので、そこまで時間がかかりませんでした。また、この課題はセメスターの一番最後に書いたものなので、他の授業で使用した理論のまとめを再利用できたりしたため、大幅に時間を節約できました。
この授業を担当した李先生と僕の指導教官が仲が良く、僕の話をしていたそうなのですが、「李先生曰く、定量調査がまあまあできるみたいなことを言っていたよ」ということを指導教官から間接的に聞きました(笑)
なので、時間をほとんど書けなかった割には出来が悪くなかったと思います。実際にA評価ももらえたので。
ということで、今回の記事は以上となります。
長い記事ですが最後まで読んでいただきありがとうございます。
この授業中で課題として課された中間発表に関しては以下の記事をご覧ください。
また、中間レポートに関しては以下の記事をご覧ください。
このマガジンでは引き続き、北京大学社会学修士の授業について執筆していきます。
また、人口学について興味のある方は以下のマガジンをご参照ください。
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